人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。

鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。

原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。

旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた火村と有栖川。

署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。

平成元年、東京。編集者の萩原祐介はビルの屋上から投身、しばらく空中を浮遊してから墜落死した。

友人の雅人がヤクザから1260万円の借金を! そんな大金、あるわけない。おれは偽札を作ることにした。

在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。

1941年12月8日、日本海軍機動部隊は真珠湾を奇襲。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

長男の不祥事により所轄へ左遷された竜崎伸也警視長は、着任早々、立てこもり事件に直面する。容疑者は拳銃を所持。

日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞 寒村でおきた殺人事件の犯人と疑われた大学生・静馬を救った隻眼の少女探偵・みかげ。

1961年7月2日、神奈川県の山林から女性の刺殺体が発見される。被害者は地元で飲食店を経営していた若い女性。

再会は地獄への扉だった。十七年前、霧の霊峰で少年たちが起こした聖なる事件が、今鮮やかに蘇る―。

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

探偵小説を愛し、戦争中は仲間と犯人当てゲームに興じた安吾。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。

幼い命の死。報われぬ悲しみ。

フリーのPRマン・漆田亮は、得意先の日野楽器から、ある男を探してくれと頼まれる。

春先のまだ寒い夜。ひとり息を引き取った、俳人・片岡草魚。

「恋しくて恋しくて、その分憎くて憎くて、誰かを殺さなければとてもこの気持ち、収まらないと思った」―切なすぎる結末が、最高の感動をよぶ物語。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

17歳の女子高生、安藤麻衣子が通り魔に刺殺された。

玩具会社部長の馬割朋浩は、降ってきた隕石に当たり命を落とす。

一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。

CIAの『伝書鳩』とともに、父の仇である『リヴィエラ』を追っていたジャック。複雑怪奇な諜報機関の合従連衡。

第六協洋丸、仮想敵国の領海に接近するためのスパイ船。柏木はその仕事を好まず、親友・成瀬に船長の座を譲った。

憧れの日本へと辿り着いた私立探偵トウキョー・サム。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

ベネズエラの名門エリゾンド家が所有する涸れた油田地帯から希土類と呼ばれる超伝導物質が発見された。

1860年、日本使節団の来航に沸き返るニューヨークで勃発した奇怪な連続殺人。

「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」第2次世界大戦中のビルマ北部。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。

聖遷暦1213年。偽りの平穏に満ちたエジプト。

「あの女が…いた…」そう言って、デパートのエレベーターの中で男が死んだ。手がかりは、落ちていた名刺とこの言葉だけ。

伊豆・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。

“夫殺し”の起訴事実を、すべて認めた被告弓丘奈緒子。執拗に無実を主張する原島保弁護士。

日本推理作家協会賞受賞!心に刺さる連作短篇集 島に生まれ育った人々の、島を愛し島を憎む複雑な心模様が生み出すさまざまな事件。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

満席で飛び立ったジェット機内から、一人の女が消えた!?新聞記者の冬木悟郎は、人妻・朝岡美那子失踪の謎を追って、彼女の郷里・福岡へ。

新宿の街を震撼させたチャイナマフィア同士の銃撃事件から二年、警察の手すら届かない歌舞伎町の中国系裏社会を牛耳るのは、北京の崔虎、上海の朱宏、そして、銃撃事件で大金を手に入れた台湾の楊偉民だった。

人間の妄想を取り扱うエフ博士の妄想銀行は大繁盛! しかし博士は、彼を思う女からとった妄想を、自分の愛する女性にと……。

五年前に愛を交わしながらも突然姿を消した女、瞭子と偶然の再会を果たした弁護士の栖本誠次は、翌朝、彼女の死を知った。

江戸時代のこと――。

1935年、千代延子爵家の次男・義正は、左翼運動に挫折し、父の宗平とともにパリへ渡った。

あの手の指す方へ行けば間違いないと思っていた―― 1996年、横浜市内で塾の経営者が殺害された。

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。

日本最西端に位置する与那国島の沖合に建設中の“オーシャンテクノポリス”。

青葉ヶ丘中学3年A組―悪魔のようなこのクラスを、担任教師が名づけて「沈黙の教室」。

幼馴染みがヤクザの幹部になっている徳持刑事は、なにかと癒着が疑われていた。

地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館“アフロディーテ”。

北アルプス上空で、原子力科学者雨村の搭乗した旅客機が航空自衛隊機と衝突し、墜落した。

眼に入った物をかぞえずにいられない計算症の青年や、隣人のゴミに異常な関心を持つ男など、現代社会が生み出しつづけるアブナイ性癖の人達。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない…」祖父の二三回忌の席で、大叔母が呟いた一言がすべての発端だった。

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。

美貌の資産家が自己所有の高級旅館で謎の首つり死体として発見され、夫が逮捕された…。

7年ぶりに「盛綱陣屋」への出演依頼を受けた中村雅楽。しかし、子役の演技が気になる雅楽は、なかなか出演を承諾しない。

ボストン美術館で殺された老日本人画家とは何者か。

腕利きの仕立職人・衛藤良丸には、戦争の間、外地で「特別な任務」についていた過去があった。

抗いきれぬ宿命ならば、恐れるものは何もない。男は再び札幌へ戻った。

英国人の父と日本人の母とのあいだに生まれた日英混血女性ローズ・ギルモアは、13年ぶりに日本の地を踏んだ。

走行中の新幹線を転覆させる―大阪発東京行の“ひかり424号”のトイレから、時限爆弾と脅迫状が発見された。

緻密な考証と公平な視点によって、推理小説をその起原から詳説。

博識に裏打ちされた端正なダンディズム。淡い郷愁が漂う日影丈吉の迷宮へと誘う精選短篇集。

猛署日が続く8月の夜、ボクたちは凶悪なヤクザ2人に監禁されている。友人の藤堂は、妻の美鈴とボクを人質にして金策に走った。

私は特派員として政情不安なインドネシアに着任した。

第47回日本推理作家協会賞受賞。

中央日報の稗田は元駐日P国大使にかんするフランス紙の記事に興味を持った。日本人ハイ・ホステスとの関係で離婚騒動とか。

長打を放った四番打者が三塁ベースの手前で突然倒れ、死亡する。たまたまスタンドからその光景を見ていた一人の検事。

こじんまりとしたバーで、「わたし」が初対面の男から持ちかけられた、謎めいた“賭け"の行方は――推理作家協会賞受賞作を含む、技巧を尽くした短編集。

芝居小屋桔梗座の最後の日、特別出演をした役者の立花が四綱渡りで落ち死んだ。そして奈落からは絞殺死体が発見される。

音を頼りに謎を追う。ファンタジック・ミステリー。

君の罪は許されない。 だがぼくはまた会いに来る。

訪中視察団の一員として中国を訪れた東洋美術史専攻の入江は、25年ぶりに玉嶺へと向かう。

上得意の客に暴力をふるい、横浜の高級クラブのボーイを馘になった25歳の川本高志は、喧嘩の遠因となった男・室田の仕事を手伝いはじめる。

愛車の7ハンを駆って警察回りに向かった俺は、若い娘の自殺騒ぎに出くわす。