天山を越えて
- 日本推理作家協会賞受賞 (110)
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支那事変前夜の関東軍がブイブイいわしていた頃の満洲からシルクロードが舞台。 魅力的な舞台設定に加えて、現代(昭和56年)、小説「東干」発表当時(昭和35年)、そして物語中の時代(昭和8年)を舞台にした凝った三段構成の演出、なにより1983年の第36回日本推理作家協会賞を獲っているということで、なかなか期待を高めてくれる。 ところが主人公の衛藤は、鍾馗様ばりの髭を生やした魁偉な風貌だが、中身は極々平凡な人物。冒険という名称でイメージされる能動的なものは最初から最後までまったくなく、ただただ状況に流される一兵卒に過ぎない。 これは推理作家協会賞だけでなく、江戸川乱歩賞でも同様の傾向があるのだが、わたしの考える推理小説/探偵小説からは大きく逸脱してしまってる作品が多い。 たとえ僅かなりと「推理小説」の範疇にひっかけるならば、推理される謎がなければ話にならないが、本書で謎にあたるのは、前述したように“ひっそりと暮らしていた老人がある日立派な車に乗せられて姿を消した。なんで?”というところだ。しかし広くエンタメ小説ならば、読者のリーダビリティを稼ぐために、前半何らかの情報を伏せておいて後半に開示するというのは特別なことではない。むしろその要素がない小説は、一部のよくわからない私小説くらいでは? まぁ推理小説という特殊なジャンルが閉塞しないように、間口を広げることは悪いことではないので、冒険小説として面白いのなら文句はないのだが……。 | ||||
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中国、特に近世歴史に興味を持つ私は、この小説のタイトルである「天山」が目に留まり、アマゾンの概説を読んで購入した。まさに、陸路四つのシルクロードの内の一つである敦煌・トルファン・ウルムチと天山北路をたどる壮大な冒険の旅である。始めの一章27ページは、序説らしく主人公の年老いた現況を淡々と語っている。二章から冒険が始まる(戦時中外地での稀有な経験を回顧する)のだが、稀有な話の展開が面白くてグイグイと引き込まれてついつい長読みしてしまう。しかし、読んでる間は話のテンポも良くて面白かったが、読み終わってしばらく経つと、遠い異国を舞台に同じ人物との絡みが何度も繰り返されるのは非現実っぽくて正直違和感を感じる。だから、総合点は星3.5位。 | ||||
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荒川洋治の「一年一作百年百篇-1900~1999」の1982年選定作品。 わくわくするような冒険小説です。 ですが、その魅力は普通のジャンル作品では考えられないところにあるのです。 やらされた冒険。慫慂する苦難。待つこと、耐えること。速度のなさ。受け入れること。葛藤しないこと。 ふつうの冒険小説に要求される闘志、攻撃性などを裏返したものでつくられている。 そもそも回顧で話がされるから、主人公の帰還は約束されている。 なのに、ハラハラドキドキは止まらない。語り口はどこまでも優しく温かい。 傑作です。 | ||||
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喫煙しない私にはタバコかカビの臭いが気になりました。 昔読んで心に残った本だったのでもう一度懐かしく読み返したくて古本で購入しました。 そんな臭いも古い懐かしさを盛り上げてくれましたよ~。 お値段にも安く反映されているので文句は言えませんね・・・満足です。 内容、そりゃ~もう忘れた頃にもう一度読みたくなる本でした皆様も是非お読みください。 | ||||
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大戦時、中国戦線を有利化すべく、辺境の移動戦闘民族の英雄へ、日本人花嫁を政略結婚させようと画策する政府。花嫁、護衛の軍人、花嫁の恋人の運命が天山山脈を中心に交錯するという作品。 その旅に同行しかたのような、まさに艱難辛苦、過酷な状況の緻密な描写に魅せれる。 元軍人が書いた埋もれた実録小説の体裁で始まり、ラストはその小説の顛末を含め見事に締めくくられている。とても良くできた壮大かつ重厚、ロマンあふれる物語だ。男女の心の機微の細やかさも良い。 直木賞候補作だがが、著者の受賞作『黒パン俘虜記』よりこちらの方がずっと好み。【日本推理作家協会賞】 | ||||
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