恋紅
- 遊女 (56)
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江戸時代が終焉を迎えつつある頃の遊郭を舞台に、楼主のお嬢様と旅役者の恋を描いた作品。 物語は、吉原の廓『笹屋』の楼主 佐兵衛の娘 ゆう が、旅役者の富田福之助と出会うところから始まる。この時、ゆう は、かぞえ9歳。5年後、福之助と再会した ゆう は、すっかり恋に落ちて、という展開。 こう書いてしまうと、如何にもなラブストーリーだが、さにあらず。遊郭という非日常の世界の裏側が、ゆう の眼を通して描かれているため、全編を通して重苦しい空気が漂っている。著者は、買われてきた幼な子の宿命、花魁たちの足の引っ張り合い、落ちぶれた花魁の行く末、奉公人の秘めたる憎悪など、時代の転換するうねりに乗せながら、物語にアクセントを付けていく。なかでも、奉公人芳三と ゆう の愛憎半ばするつながり、そして芳三の運命は、印象的だ。すぐ傍で見てきたかのような、妖しい生々しさがある。 本作品は、一方で、福之助が勝手に師ともライバルとも目す、正統派の役者 沢村田之助の、芸に対峙する執念が語られる。華やかな人気役者 田之助、そして田之助に洟も引っ掛けられない三文役者 福之助。病のため両肢を失いながらも芝居を続ける田之助に対し、福之助は役者として羨望し、嫉妬にかられ、敗北感に打ちのめされる。ここは芸道小説の趣で、著者の格調高い文章がよく合う。 ゆう は、押しかけ女房のように福之助と所帯を持つ。しかし、福之助と兄弟一座は、新政府によるの発令もあり、束の間の約束で名古屋へ旅立って・・・と続く。ゆう と福之助の行く先を方向付けることになるのだが、どうも、これ冗長のような・・・と、思ったら、『散りしきる花ー恋紅第2部 』という続編が出てるではないか!なるほどね・・・ | ||||
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他人の犠牲のうえに ただのびやかに息がしたい あたしが笑うために、だれかが泣く 「ゆうさん優しいよね」と思わず 因縁を背負いこむのは… 無常 変わらないもの 女ごころ 深いのやら単純なのやら そこそこ歳は重ねはしましたが、未だに? 安らげるひとと同じ時を過ごせるのならば… | ||||
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本書は既刊『恋紅』の、「あたしがかってに落ちこんだ修羅」に生きる「ゆう」のその後。 しかし文庫裏、及び商品説明でほぼネタバレなのが頂けない。 出来ればそこは見ず、いや、手を出さないという手段もある。 色調の違う第二部の必要性に、途中で悩んでしまいました。 でも前作との整合・相対があり、そこに手前勝手な解釈を加えると裏ストーリーがどんどん広がる(妄想ともいう)。 最終的には例えそこまでの経緯はどうであれ、この結末に納得してしまいました。 「あとがき」にて著者が続編をほのめかせておられ、すごく気になる。 第二部は台詞の小文字が片仮名から平仮名に改変されて残念でした。 | ||||
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おそらく再々読に当たる今回、いつもこのパターンなのですが、やっぱりページをめくる手が止まらなかった。 本書は直木賞受賞の時代小説で、主人公は吉原の遊女屋「笹屋」の愛娘「ゆう」。 ザックリ言えば、家業への葛藤に一途な恋愛を絡めた成長物語なのですが、中身は甘いタイトルとは一味違う。 江戸から明治の転換期、吉原や小芝居界隈を背景に描いているので、その辺りの騒動も興味深い。 この作品で好きなのは、まずは時代感溢れる台詞回し、一風変わった「ゆう」のキャラ、伏線とその収拾具合、そしてチラリと覗く色濃い「艶」。 因みに実在の役者、三代目沢村田之助も若干登場(こちらを主役にした作品もあるらしい)。 「散りしきる花」という続編もあります。 | ||||
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