壁 旅芝居殺人事件
- 大衆演劇 (1)
- 日本推理作家協会賞受賞 (110)
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日本推理作家協会賞受賞作品。 | ||||
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第38回日本推理作家協会賞受賞作。旅芝居(大衆演劇)の一座で起きた殺人事件を、小屋主の娘秋子が推理する事となります。しかし、物語の主軸は大衆演劇の世界を描く事に置かれている。白粉の、汗の、酒の匂いが鼻っ面に押し付けられた様な息苦しさで、役者達の絶望的とも思える閉塞感がただ哀しい。ページが少ない為か登場人物が多い割に書き込みが薄く、また終盤の謎解きも駆け足の感は否めない所。ただ、私にはこの位の濃さが丁度良く、これ以上の皆川節は付いて行くの大変なんで、十分満足出来ました。ずっと読みたかった、念願が叶ったよ。 | ||||
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皆川博子さんの作品は、初めてでした。日本推理作家協会賞はともかく、160ページくらいなので、気軽に読めるかなと、読み始めたのですが、15年前の事件の回想があるものの、なんとなく、お話が迷走気味かなって感じで、旅芝居という私の知らない世界があるのは、うれしいのですが、いまいちかな、という感じで読み進んでいきますと、最終章で、大どんでん返しがあり、しかも、最後の4ページで、驚愕の事実が発覚して、私は、その最後の4ページにノックアウトされてしまいましたのです。 | ||||
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芝居小屋の役者に関連した作品集。 全て同時期発表で、いかにその時期、著者がその世界に浸っていたかが良く分かる(私も今頃浸っている)。 ただ明らかに別の話で別人なのに、登場人物の姓や名前が重複したり設定が似ていたりする。 掲載誌はバラバラなのだが、まとめて読む側は「あれ?」となる。 でも不思議な事に、それを狙ったようにも思えて来る。 まるでスター・システムを使ったような連作感を覚えるのは、出て来る役者が全て同じ顔のような気がしたせいか…。 ちょっと考え過ぎかも知れないが、ベタなタイトルからは想像つかない、不思議な読後感が残りました。 | ||||
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作家の筆力にはいつも感心しているが、同じモチーフでの短編集では、やや飽きがくるか。 | ||||
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本書は、第38回(1985年)長編部門の受賞作 皆川博子さん『壁・旅芝居殺人事件』(同時受賞は北方謙三さん『渇きの街』)。〜殺人事件のタイトルはいただけないが、芝居小屋を舞台とした、もの悲しい雰囲気のあるミステリになっている。 芝居小屋桔梗屋の最後の公演で、綱渡りを披露した立花知弘が、奈落に落下し命を落とした。死亡した立花のすぐ近くには、同公演の出演者である大月城吉の絞殺死体が。芝居小屋の経営者 三藤秋子は、15年前に市川蘭之助一座の公演中に発生した出来事に思いを馳せる。それは、当時9歳の秋子の記憶に鮮烈に焼き付いた失踪事件と殺人事件だった。 ・・・ 「大輪の花が、宙を行く。 天井の一隅に、光がのびた。強烈な光は、その周囲を闇に塗りこめた。スポットライトの輪のなかに素足が浮かぶ。はり渡された綱が白い足の裏にくいこみ、紅梅色の蹴出しを割って歩み進む力をこめた足の指に、血の色が透く。高々とからげ、帯にはさんだ花浅葱の小袖の褄、緋のしごき、白塗りの蘭之助をライトがとらえる。」 冒頭の市川欄之助がの四綱渡りのシーンだ。優美な所作の中に息を呑むような緊張感が伝わってくる。艶やか文体に出たしからどんどん引き込まれていく。旅芝居の美しく華やかな表舞台と、薄汚れじめついた裏側が細やかに描かれ、虚飾の世界が雄弁に語られるのだ。 ミステリの筋立ては、主人公が現在と事件と、過去の事件を重ね合わせるうちに、やがて時を隔てた悲しい真相に辿りつくというもの。 幼かった秋子が大人になり、解き明かされるドミノ倒しの最初の一枚とは何か。タイトルの「壁」は事件の真相を隠蔽するものとして存在する。しかし同時に、秋子そのものを守る存在を象徴していたのかもしれない。子供から大人への「壁」を乗り越えた秋子。そしてその先にあるものは。・・・ 残念ながら秋子が真相を明らかにする過程は拙速の感が否めない。解説で示唆するとおり、頁数の制約からきているのか、旅芝居の濃密な描写に比べて、ラストがばたばたしているような印象を受ける。そうであっても、十分に練られた構成は賞賛に値するとは思う。 | ||||
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