(短編集)
少年十字軍
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おすすめ | ||||
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最後の最後で"これは小説です"という奇跡を作者が加えることで、読後感を良くしているので救われるが、これが現実的な結末だったらげえげえ吐いてたと思う。 終戦時15歳だった作者だからこそ書けた、力のある、心を揺さぶる作品だと思う。 文庫本を買ったが、単行本も欲しくなった。 | ||||
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再読して印象が変わったためレビューを書きます。 この作品は子供でも読める書き方、内容になっているため、この作者の他の作品よりも描写がライトです。そのため最初に読んだときは、心が引きずり込まれるような深淵は感じられませんでした。 ただ最近になり時間をおいて再読すると、それは私の勘違いだと気づいたのです。 内容は少年十字軍なので、当然、子供たちが騙され、売られていく悲惨な運命の話です。そして悲惨な出来事をもっともっと過激に、痛く描写することも、もちろんできたでしょう。ただ残忍な過激描写がウリの小説、漫画、映画も多いですが、そんな悲惨アピールで「すごい!」「心に刻まれた!」と言われる作品は、楽しいかもしれませんが、野暮です。 この作品はあっさりと、淡々とした文章で進みます。その分、気づかないうちに少年たちの旅をしていく上での感情が心に沁みていく。物語は希望と失望の上下を繰り返し進んでいきますが、その間に読者の心の底に少年たちが背負う悲壮が積もり、そして最終章を迎えます。最終章はドラマチックです。それまでの少年たちの辛さが重くのしかかる分、非常に物語的であっても、こんな純粋な世界があってもいいではないかと願わずにはいられない。そんな想いにさせられました。 少年十字軍の中心となる少年については、ハッピーエンドとなったのかバッドエンドだったのかは明確にはされていません(私はハッピーエンドだと信じます)。それでも物語は最後に、闇の中から人間の力強さ、気高さを見出します。最後に主人公が感じた「神」とは、特定の宗教の神とは別な、厳かで純粋な希望の光なのかと感じました。 蛇足ですが、この作品はサイン会も行かせていただきました。ポプリの入ったカードまでいただき、作者はとても洒落た方でした。 | ||||
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神がいるから悪魔がいるのではない。人は神も悪魔もいない虚無に耐えられずに、神や悪魔になろうとするのではないのか。十字軍はそんな人間の限界や愚かさを象徴している。しかし、本作の主題である純真さを失っていない子供たちの十字軍では、はなしは別である。詩情あふれるタッチで描かれる子供たちの心情がやるせないと共に、様々な思惑から同行する大人たちの不純さが際立つ。 あたかも断崖へ向かう行列のように一直線に進行する物語は、限りなくカタストロフィの予感を孕んでいる。物語が唐突に終焉を迎えるとき、ただひとり一人称で語っていたガブリエルの正体の謎と、神がいない世界観とが絡み合う。でも、神はいないとしても、人間は救済の希望を生み出せるものだと信じたい――そんな気にさせてくれるラストだった。 | ||||
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神のお告げを受けた少年、エティエンヌはイェルサレムをめざして歩く。あとについて行くのは、中世ヨーロッパの荘園社会からはみ出した、行き場を失った子供たちだった。この一団に利用価値を見出す大人たちの思惑によって、エティエンヌたちが考えてもいなかった事態が次々と起こる。エティエンヌたちの旅はいったいどういう結末を迎えるのか……というお話。 この作品の少年少女たちは、(領主の息子のレイモンを除いて)狂信的な熱情や十字軍を率いる野心をほとんど感じていない。旅が『奇跡』に彩られながらも、それに戸惑いを覚えずにはいられないエティエンヌたち。読んでいるうちに、彼らが本当に望んでいるのは、聖地イェルサレムへ行くことではなく、自分たちの居場所なのだということが切実に伝わってくる。 そんな少年少女たちの悩みや苦しみが、宗教がはるかに権威だった時代の中世ヨーロッパ社会を背景に、詩情に満ちた筆致で描かれている。 | ||||
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