虚無への供物



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初公開日(参考)1974年03月
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長編小説

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虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)

2004年04月15日 虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)

昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。密室状態の風呂場で紅司が死んだのだ。そして叔父の橙二郎もガスで絶命―殺人、事故?駆け出し歌手・奈々村久生らの推理合戦が始まった。「推理小説史上の大傑作」が大きい活字で読みやすく。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.46pt

虚無への供物の総合評価:7.74/10点レビュー 119件。Bランク


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全13件 1~13 1/1ページ
No.13:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

虚無への供物の感想

満を持して三大奇書、私にとり最後の一冊を手に取りました。これらの作品が奇しいと謂われる所以は、読者をいつのまにかその作品の一部にとり込みんでしまうことで、読者が自らの存在を小説の終わりとともに虚構の世界に置き去りにしてしまうような錯覚に陥らせ、その存在が如何に脆く不確かなものであるかを実感させてしまうことにあるからでしょうか。
犯罪の理由は単純であれ複雑怪奇であれ、犯人にしか解らないものです、いえ犯人ですら解らないことであったりします。だから理由は何だっていいのです、人間の脳内世界では何でもありですから。なのでミステリ小説の中でどんな理由でどんな犯罪が起きても、そのまま受け入れることができるはずでした。
ところがこの作品、最後に犯行を行わなければならなかった人物と理由が特定されるとすぐさま「真犯人は…!」と人差し指を突き立てるのです。
これは現世で『御見物衆』と成り下がっていた読者への警告です。だからといって日々起こる事件や事故の当事者の苦悩を第三者がどう想像し感じればよいのでしょう。明日は我が身かと考えていても…です。60年も前の作品ですが、今こそ読んでいただきたいです。
若き日に「ドグラ・マグラ」と出会い、足下の地面がふっと消えてしまったような恐怖心に襲われ、自ら思考停止を決め込んで数日を過ごしたこと思い出しました。同じようにまたしばらく鬱々とした日々を過ごさなくてはならないかもしれません。

はつえ
L7BVQMDY
No.12:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

意外と普通(?)な中級者向けぐらいのミステリ

・作中人物が構想を語る「AがBに殺され、BがCに殺され、CがDに殺され、最後にDがAの生前仕掛けたトリックによって殺され、4つの密室殺人が起こる」という筋書きの推理小説。
・その小説の構想どおりに実際に次々起こる殺人を、まさに「読者目線」で、事件を他人事のように好き勝手に推理していく素人探偵たち
・今日に至るまで、推理小説の定番のアンチテーゼとなるような作中人物のとある主張

作中作、ミステリ議論、読者に訴えるようなメタな台詞……とあらゆる意味でアンチミステリ的な題材、作風であり『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』と並ぶ三大奇書と呼ばれている作品ですが、その2作に比べればいい意味で普通のミステリだと思いました。
おそらく発表当時は極めて画期的、前衛的な作品だったのでしょうが、今はそれこそこの作品の影響を受けて似たような手法、題材を使った作品が増えているため、そこまで奇抜な作品とは映らないのでしょうかね。
読みやすさという点でも三大奇書の中ではこれが圧倒的に読みやすいので(他2作が読みにくすぎとも言えるのだけれど)初心者向き、とまでは言えませんが、ミステリ好きを公言できるぐらいの、中級者を自称する段階になったら読んだ方がいいのかなと感じました。
個人的には「奇書」というよりは普通に「名作」「大作」と呼ぶべき作品ですね。

結構な分量の作品ではありますが、それに見合った内容の濃さなので、冗長さなどは感じませんでした。
非常にたくさんの密室殺人とトリックが登場し、一つ一つは今見ると大したものではない(当時にしても既存の名作などの焼き直し?)ですが密室トリック好きにはそれだけでお腹いっぱいになれる作品でもありますね。

どうでもいいことですが、主要登場人物の中で最年少とはいえ、もう高校を卒業する年齢の男性が、他者から徹底的に、地の文でまで「藍ちゃん」呼ばわりされるのはちょっと違和感を覚えるのですが、この時代の小説ではよくあることなのでしょうか?

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.11:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

あまりに純文学的なアンチミステリ

すでに多くの人が言っている通り、この作品は推理小説史上、重要な作品であることは間違いないでしょう。本格好きにはたまらないロマン溢れる舞台設定…そして探偵役達によるそれぞれの推理の披露…これだけですばらしいものがあります、しかし、ここからが三大奇書と呼ばれる所以ですが、最後の100ページほどで驚かされると思います。それまではペダンティックな趣味など読みにくいと感じる人もいると思いますが読み進めたあとには驚きがあると思います。ただ、現在の推理小説とは違いますし、やはり驚かない…他の本でアンチミステリは知っているという方からすると物足りないかもしれません。また、この作品は作者の私小説、とまではいかないものの作者本人にも関わるものなんだなって思いました。最後の動機も純文学的な余りにも純文学なものと思います。そして作者が推理小説(と私たち)に向ける眼差しのつめたさ…

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十兵衛
RGUA4AIM
No.10:
(6pt)

どうしてそんなに評価されるのでしょう

会話によって話が進むだけの普通のミステリーでした。物語として登場人物のキャラの描写も弱くてつまらないものになってしまいました。もう一回読んだほうがいいかもしれません。

わたろう
0BCEGGR4
No.9:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

虚無への供物の感想

7にしようか迷ったんですが、やはり俺好みではないってことで6です。
大長編だけあって内容も様々な展開に富んではいるのですが、いかんせん俺の知識では乏しすぎて理解不能なところもありました、それほどにこの作品を全理解するには相当量の知識が必要になると思います。

ドグラ・マグラはいつの日かまた読もうかと思いましたが、この作品はおそらく二度と読まない・・・と思うんですけどね。

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mkaw11
HAAP6CBX
No.8:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

虚無への供物の感想

日本三大奇書のひとつと言われている作品ですが、当初想像していたほど難解な作品ではなかったと思います。
と言って、作者の意図しているところが全て読み取れたとは思っていませんが・・・
ただ、読み終えて何となく感じるのは、「純粋にミステリ的要素を楽しみたい人には向かない」だろうと言う事でしょうかね。
何せ、元祖アンチミステリーですから。

氷沼家で起こる連続(密室)殺人事件に対して、ド素人達が名探偵よろしく思い思いに自分の推理を披露します。
関係者の知り合いでもあり、身近で陰惨な事件が起こっているにもかかわらず、まだ起こってもいない事件を予想したりと、どこか無責任で不謹慎にすら感じます。

薔薇、宝石、シャンソン、五色不動尊などなど、何れも「色」をキーにして推理に絡めてきますが、兎に角読んでいて疲れる「ド薀蓄」のオンパレード。
また、古典ミステリを参照して推理を展開する事が多いのですが、引き合いに出される作品がちょっと古い。
「これメジャーなの?」ってのも多々です。
更に、洞爺丸沈没、精神病院火災など実際に起こった事件の被害者として氷沼家の人間を登場させたりもします。
こういう推理ネタには事欠かない状況の中、推理合戦が繰り広げられ、素人探偵の推理が乱立しますが、当然否定されない限りは可能性として残り、(読み手としては)消し去る訳にはいかないのです。
完膚なきまでに否定されたと思っていたら、忽然と復活してくる推理もあったりして、素人の無責任な推理によって、伏線ばかりが最早回収不能なほどに溢れかえり、いくら章が進んでも事件解決への進展が見られず、読んでいて、今何がどうなっているのか分からなくなってきます。

で、最終章。
回収されることもなく謎のまま終わってしまう伏線も多数。
「素人が勝手に面白おかしく推理しただけやないか。そんなん知るか」という作者の天の声が聞こえてきそう。
そして、最後の真犯人の独白こそが、この作品がアンチミステリーの元祖と言われる所以でもあり、この作品の全てなのかな、と解釈しています。


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梁山泊
MTNH2G0O
No.7:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

虚無への供物とは?

日本推理小説三大奇書の1つと呼ばれている。私は他の2冊、小栗虫太郎氏の『黒死館殺人事件』と夢野久作氏の『ドグラマグラ』は読んでいないが、これだけは読んでいた。
確かきっかけはその頃各種ガイドブックを読み漁っていたのだが、そのどれにも本書が取り上げられ、しかも評価が高かった。そしてたまたま行きつけの書店の平台に青い薔薇の顔をした人物が市松模様の床に佇む表紙をあしらった文庫が置かれているのを見て、惹きつけられる物を感じ、そのまま手に取ってレジに向かったのがきっかけだった。いわゆるジャケ買いというやつだ。
まず驚いたのは非常に読みやすい文章。他の2作品は書店でちらり見をしたことがあったが、なんとも古式ゆかしい文章で、改行も少なく、読み難くて取っ付きにくさばかりが目立ったので敬遠していた(これは今に至ってもそう)。つまり私のミステリマニア度の境界というのはどうやらこの辺にあるらしく、これらの2つは私のマニア境界線の外に位置する作品なのだ。

氷沼家に伝わる因縁話を端緒に、その一家の1人藍司の友人でシャンソン歌手奈々村久生と、ゲイバーに居合わせた久生の友人、光田亜利夫が探偵ごっこよろしく、「ヒヌマ・マーダーケース」と称して勝手に捜査を始めたところ、第1の被害者が現れて、本当の殺人事件に巻き込まれるといった内容。

本書の読みやすさはひとえにこの久生の明るく軽いキャラクターによるところが大きいと思う。ホームズ役を買って出て、友人の亜利夫をワトソン役にしたて、トンデモ推理を披露する。
また本書はアンチ・ミステリと呼ばれており、どうも本書に初めてその名を冠せられたようだ。Wikipediaによればアンチ・ミステリとはその名の通り、作中内で過去の推理小説のトリック・ロジックについてその現実性、必要性などを論議して揶揄することという風に書かれている。今更ながらだが、これは今のミステリ、ミステリ作家ならば誰もがやっていることで、まず私が再びミステリを読み出すきっかけとなった島田氏の『占星術殺人事件』からして、シャーロック・ホームズの作品について痛烈な批判をしているから、これもアンチ・ミステリとなるだろう。アンチ・ミステリって何だろう?と思って本書を手に取ると、何がアンチなのか解らないだろう。実際私がそうで、読み終わった後、あれがアンチなのかと全く別のことで解釈していた。
つまりアンチ・ミステリとはもはや死語であると云っていいだろう。

物語の雰囲気は最初の舞台がゲイバーだったり、シャンソン歌手が登場したり、亜利夫の渾名が「アリョーシャ」だったり(これはけっこう恥ずかしいと思うが)、「サロメ」について語られていたり、幻想的でサイケなムードが横溢しているように感じたが、先に述べたように久生のキャラクターが見事な緩衝材、シンナーとなっていてマニアでなくともとっつきやすくなっている。

そして動機の部分。これは印象に残った。カミュの『異邦人』を思い起こさせる、観念的な動機であるが、私は受け入れることが出来た。私はこの動機がアンチ・ミステリなのかと当時勘違いしていた。なぜならこの動機は今までの捜査で得られたデータからは推理できないからだ。この文学的ともいえる結末は私の好みだった。

この『虚無への供物』に纏わる話はつとに有名なので改めて語らないが、個人的な感想を云えば、あまりに世間の、ミステリ書評家たちの評価が高すぎるような気がする。それが逆に味読の人たちへ過大な期待をかけ、評価を低くしているようだ。歴史的価値というのはその後の亜流が出回ることで時が経つに連れて風化していくものだ。私は本作が「日本三大奇書の1つ」、「アンチ・ミステリの始祖」といった大仰な冠が付けられたゆえに、それが足枷になっている不幸な作品だと思えてならない。既に逝去した作者がもし生きていたら、この現状をどう思うのか。私にはこれらの過大広告が本書に対する「虚無への供物」ではないかと考えてしまうのだ。


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Tetchy
WHOKS60S
No.6:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

虚無への供物の感想

多くの方がレビューに書いているように、評価が難しい作品だと思いました。
絶賛する人も酷評する人もいそうです。
個人的には一読では理解しきれず、かといって、もう一度読むには少し…。
これが反推理小説というものなのかと。
ミステリ、推理小説かといわれると、よくわかりません。
伏線も回収されたと言えるのか。
展開は二転三転するけれど、どんでん返しとも異なり、非常に独特です。
個人的には読み進める度に「そんなのあり?」があまりよくない意味で続くため、凄く楽しめた一冊ではありませんでした。
しかし、続きが気にならずダラダラ読み進めたわけでもありません。
ラストをどう片付けるのか気になりました。
そのため、どこか引き込ませる文章・雰囲気なのかもしれません。
そのため、中間の5点をつけました。

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あんみつ
QVSFG7MB
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

虚無への供物の感想

日本4大ミステリの1つであり、東西ミステリーベスト100(2013年度版)第2位。シーソーゲームのような推理合戦は臨場感があり面白かった。

水生
89I2I7TQ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

虚無への供物の感想

日本四大ミステリの一つ。後世の推理作家に絶大な影響を与えた奇書!青い薔薇、密室殺人、推理合戦と幻想的雰囲気とミステリの魅力を存分に愉しめた。


ジャム
RXFFIEA1
No.3:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

虚無への供物の感想

探偵小説における三大奇書の一つであり、反推理小説(アンチミステリー)の傑作と呼ばれる古典作品です。どういった感じなのか興味深く読みましたが、想像以上に手ごわかったです。謎が解明されないまま次々と不可解な事件が重なり、登場人物達の語る蘊蓄の多さと会話の回りくどさに眩暈がします。面白いのかと聞かれれば評価は難しい。そして終章までたどり着き茫然としてしまう、これがアンチミステリーと言う意味なのか。この作品に何を求めるのかで、見方は変わるのでしょう。
万人にオススメはしませんが、このサイトに立ち寄られる方々なら、一読してみてはいかがでしょうか?他の方の感想も聞いてみたいです。

なおひろ
R1UV05YV
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

奇書を読む(虚無への供物編)

何度も読める小説。事件前に今後起こることに対する推理合戦が行われる。一件不毛なことに思われるが、読み進めていくといつの間にかクセになる。犯人も存在するということも読む動力になった。
こんな、推理はだめだ、トリックはだめだということが多様に用いられていることがアンチとして確立されてしまったことなのだろうか。
いずれにせよ本作が出版された後の作家立ちははネタを仕込むのに相当苦労したと思われる。推理小説のレベル上げとリスタートをはかったという意味では影響力は大きいだろう。
会話の細部からちらつくヒントを探しに何度も読むことになりそうな予感。

私が奇書に手を出した最初の作品だったが、読みやすく、終盤に差し掛かるにつれて序盤を読み返したくなる作品。

sashia
WX5QMNDA
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

アンチミステリーと言えばこれ

迷推理により読者をあっちこっちへ振り回す小説。好みの判断は当事者と傍観者が錯誤するのが楽しめるかどうかだろう。アンチミステリーの代表格。


Ariroba78
5M53WTS6
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