悪魔が来りて笛を吹く
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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所謂「斜陽族」と言われた没落貴族の一族を題材にした他、舞台となる時代に現実でも起こった毒殺事件である「帝銀事件」をモデルにした事件を絡めるなど、当時の戦後の混乱期の日本を表している、当時を生きた作家でないと書けない作品であると同時に、他の金田一耕助シリーズとは少し趣の異なる雰囲気のお話ですね。 | ||||
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前に読んだ「本陣殺人事件」と「獄門島」が抜群に面白すぎたので、少々期待しすぎた印象。 | ||||
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個人的に密室トリックの完成度が金田一耕助ものでも「本陣殺人事件」に次ぎ1、2を争う出来だと思います! | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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やたらとインモラルな関係が出てきて、頭がくらくらするというか気持ち悪くなるというか、“悪魔”よりも怖いものがあった。別個と思われた椿子爵の事件と天銀堂事件(帝銀事件を模した作中の強盗殺人事件)を結び付けられたのは偶然だったかもしれないが、それそれで作品の広がりなっていて面白かった。それにしても鬼畜な人々の鬼畜な行動ゆえの事件であり、死んだはずの椿子爵がちょろちょろと見かけたりフルートの音色が聞こえることの恐怖より恐ろしかった。 | ||||
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犯人の三島島太郎は、事情があったにせよ、大勢の尊い命を奪いました。しかし、ラストで島太郎もその責任を負い、自害し果てるのです。 エログロ、悪質とも言われた横溝先生の何か、人生の教訓めいた作品におもわれました。 | ||||
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昭和の没落した貴族で起きた事件。時代背景が退廃的で不気味さを増し、悪魔とは何なのか誰なのかドキドキしながら読めました。 | ||||
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本作は著者にはめずらしく、密室殺人を扱っている。『宝石』連載だったこともあり、著者も気合を入れて取りくんだ作品だったと思う。 しかしその割には、意外に密室の謎にはそれほど拘泥していないような印象がある。いや密室トリックはきちんと考えられたものだし、謎を構成する一端には、金田一耕助自身も絡んでいるという興味深いものなのだが……。 体は通らないにせよ、施錠された扉の上に開閉できる窓がある時点で、それが単純な機械式トリックでなかろうが、そこに何らかの仕掛けがあるのは明白だから、その分興味が下がってしまったのかもしれない。 あるいは――理由としてはこちらの方が大きいように思うが――物語の進行上の興味が、「悪魔の誕生」の方に誘導されていたからだろう。 いわゆる「○○さんと××さんは、実は△△だったんですよ」「えーっ!」というパターンで、金田一ものといえばコレだと想起する人も多いのではないか。 このルーツは著者十八番の草双紙趣味、またはフランスのフィユトン的な展開として十分魅力的なものだが、ガチの「本格探偵小説」的展開からは若干離れてしまう嫌いがある。著者がそのバランスをどのあたりに置いて執筆したのかは知らないが、本作では金田一耕助と担当刑事の二人が、椿子爵【注1】の生前の行動を追って、須磨、淡路まで出張しての調査行が数章にわたって詳述されているところをみると、かなり意識的なものだったのではないか。 このあたりは魅力の一端にもなっているが、一方で密室トリックの影を薄くしていることは否めない。 トリック的興味だけを取りだせば、第一の殺人の密室トリック>一連の事件に見え隠れする笛を吹く椿元子爵のトリックでありながら、物語の興味上の優先は明らかに後者>>前者になっている。この点が一般的な評価のうえでは、あまり著者の代表作としては選ばれず、次点の位置にある理由ではないだろうか。 ごちゃごちゃ書いたが、乱歩は本作の感想を次の簡単な一文で、要領よくまとめている。 「少しコッテリしすぎているので、通俗感を免れないけれども、読みごたえは充分であった」(P.454) ところで、本作のヒロインの位置にいる椿美禰子は、多くの「美人」が登場する本作において、積極的に不美人であると強調されているのが珍しい。 もう一点、本作を通じて響きわたるフルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」は、椿子爵の頭にある「悪魔」である犯人を指し示すように作曲されていたことが最後に示されるが、本作の背景が没落する華族の悲哀にあることを考えれば、悪魔とは当時の日本社会そのもの、ひいてはGHQを指していると言ってもよいかもしれない。 GHQは、公式にはSCAPINによる指令、少し詳しく云えば、部局のCIE(民間情報教育局)の主導で、ラジオ局に『真相箱』を放送させる等々のWGIP(War Guilt Information Program)=「戦争についての罪悪感を日本人に植え付けるための宣伝計画」を推し進めるという笛を吹きまくっていたわけでw 【注1】短い本稿ですら、椿子爵と椿元子爵の表記が入り混じっているが、日本の華族制度が廃止されたのは昭和22年5月3日なので、椿英輔が失踪した時点では、彼は子爵であり、物語本篇が始まる9月末に視点を置けば、元子爵という扱いになる。 | ||||
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他の方も書かれているとおり、本作は金田一耕助シリーズのみならず、横溝探偵小説の最高傑作です。変におどろおどろしくなることなく、また、過去の実際の事件を題材に取りながら、その時代独特の「空気感」を出すことに成功しています。そして、金田一耕助が謎を解き明かす過程が最も優れています。これは映画化は不可能で、まさに文字で読まないと面白さが分からない作品です。お勧めします。 | ||||
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