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自己紹介
多くの人が読んでいる話題作から自分しか読んでいないようなマニアックな作品までとりあえず手当たり次第レビューしていきます。
自分の感性を大事に、世間の評価や他の人の意見に左右されず思った感想を正直に書いていきたいです。
割と辛口に批評しつつも、どんな作品も「良かったところ」はなるべく探していきたいかなと。
ミステリが好きになったきっかけ
最初は小学校で時流行った『金田一少年』や『名探偵コナン』などの推理漫画がきっかけでした。
それからアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』や『オリエント急行殺人事件』などを読むようになり、綾辻行人の『館シリーズ』に出会って本格的に推理小説にハマりました。
好きな作品の傾向
基本的に本格ミステリ好きです。
特にC.C(クローズドサークル)には目がないので、C.C作品だというだけで、マイナー作でもとりあえず読んでおこうとなってしまいますね。
個性的な土地・建物を舞台にしたミステリや、ホラー・オカルトテイストながら真相はあくまで本格ミステリといった作品も好みですね。
多くの伏線や叙述トリックで2回目読み返す際、別の楽しみが見出せるような作品も好物です。
オススメしたい作家や小説
やはり最初に読んだ作家の影響は大きいので
海外作家ではアガサ・クリスティ
国内作家では綾辻行人が別格です

レビュー数
347
最近のレビュー
7pt
6pt

我自意識過剰ゆえに我あり

  () 【ネタバレあり】

矢吹駆シリーズ4作目。かの『人狼城の恐怖』が世に出るまで世界最長の本格推理小説とみなされていたらしい1000ページ超の長大作です。パリのユダヤ系資産家の大邸宅で”三重密室”状態で死亡した一人の男。さらにその背景には数十年前のナチスの強制収容所内で発生したやはり”三重密室”内で死亡した一人の女の事件が浮かび上がる……2つの三重密室事件の謎を探偵役の矢吹駆(※以下カケル)が解き明かす……という基本プロットはこの上ない本格ミステリですがタイトル通り「密室」に加えて「哲学者」がこの作品のもう一つの主題となります。誰でも名前ぐらいは聞いたことがあるだろう、実在した20世紀最大のドイツ人哲学者ハイデガー(作中では彼をモデルとしたハルバッハというキャラが登場します)の”存在論”や”現象論”に基づいた死の哲学的な捉え方に倣って、カケルは”密室の死”という題材についても紐を解いていきます。そして現実でハイデガーが哲学者として高い評価・名声を集めた一方、ナチスへの関与・加担が批判的な見方をされているのと同様作中のハルバッハもナチスとの繋がりを持っていたことで作中の事件とも直接関わってくることとなります。一番最初に説明した通り、この作品は滅茶苦茶長いです。そしてそんなに長くなるのはこのシリーズ全体の特徴でもある、随所に挿入される哲学的なペダントリーが大きな原因であり、純粋な本格ミステリに徹していれば半分にも三分の一にも出来たと思います。さらに、やはりこれもシリーズの特色であるのですがシリーズ前作のネタバレに配慮がないなんてものではない。ここまでくると作者が意図的に「前作を読んでからこっちを読みやがれ」と訴えてるのかと思うほど、前作の犯人たちの名前を作中で100回は連呼し(数えてないけど大げさじゃなくそれぐらい言ってると思う)100ページぐらいかけて前作を回想したりしているのも長さに一役買っています。そして正直言って哲学的な部分は何言ってるかよくわかんないし、物語に本当に必要とも思えないんですよね。完全に作者の自己満足の衒学趣味としか。それも常人とはかけ離れた頭脳と精神を持つカケルがつらつらと語るなら京極堂の蘊蓄みたいなもんで、シリーズの味として受け入れられなくもないんですが読者の分身である、ワトソン役のナディアにまで何十ページもわたって、私の死の定義がどうのこうの哲学の世界に入られても、いつまで続くんだこれ、としか思えませんでした。話が正常に進行する時のナディアの思考はとにかく「カケルが好き」「カケルが心配」「密室の謎解かなきゃ!」と凄いシンプルでわかりやすいキャラなだけに突然長々と哲学的な思考に入ってる彼女は単に精一杯かしこぶろうとしているだけか、薬でもキメてるようにしか見えません。哲学的、衒学的な部分は無視した単純な本格推理部分とドラマ部分で言えば結構面白かったですが、この長さに見合うかというとトリックも真相も小粒かなぁという気がします。この作品を読んだ一番の収穫と感想は「こんなブ厚くて難しそうな本読んだぞ、凄いだろー」という自慢や自己満足感に浸れる所かもしれません。

7pt
8pt

個人が老いなくなった時、国家や人類は老いる

  () 【ネタバレあり】

一言で説明すると不老不死の技術が実現した時に日本はどうなるのか、という設定の元描かれたSF小説。ミステリ、推理小説の枠組みには入らないと思います。上下巻でそこそこの分量があり、作中で50年以上の時間が経過する壮大なストーリーですが基本はエンターテイメント小説なので読みやすいです。ほぼ全ての日本人が成人年齢を超えるとHAVIと呼ばれる、不老不死になる処置を受けるという世界。ただし法律で100年後には強制的に安楽死させられる。本当に永遠に個人が生き続けたら人口はパンクしてしまいますので少し考えれば子供でもわかる当然の処置です。どのみち普通に人生を送って120歳まで生きることはほぼ不可能ですし、仮にその年齢まで生きたとしてもその間の老いの悩み・問題からは逃れられません。だから当然100年後に死ななければいけないと判っていても作中の人間はほぼ全員がこの処置を受けますし、この作品を読んだ読者もほぼみんな「自分も受けたい」と思ったのではないでしょうか。そんなまさに全人類の夢が実現したような世界なのですが、正直個人レベルで見ても全体レベルで見ても、人々は全く幸せそうには見えず、どちらかと言えば夢のない世の中が広がっています。そして「まぁ実際この技術が実現したら、こんな感じになるだろうね」と思わされてしまうものでした。それはひとえにこの作品が個人レベルでも全体レベルでも「人間とはこういうもの」という描写が上手く、説得力があったからだと思います。個人的にこの作品を見て感じたのは、本来生物というものは全体がまた一つの生き物のようなもので、種全体の存続、繁栄のためには個は細胞が新陳代謝を活発にするように適度に入れ替わらないと、全体として停滞、それどころか逆に「老化」してしまうものなのだなということです。人は有限だからこそ、老いるからこそ今を大切に生きられるなどという言葉は、普段はなんか説教臭くて嫌いなのですが、この作品を読むと理屈と感情双方で納得が出来るような気がしました。また読んでいて面白いと思ったのは他の人の感想にもありますが、この作品は自分の意思でHAVIを受けていないケン以外の人間はみな外見的には20代のはずなのですが、思い浮かぶイメージが実年齢通りのヨボヨボのおじいさんおばあさんまでは行かないまでも、いい意味では大人の貫禄のある、悪い意味では疲れの見えた40代・50代ぐらいの見た目なってしまうことです。(ある意味歌野氏の例の作品の逆バージョン的なものを感じますw)これは実際作者も意図している所で、この作品の実写版をケン役意外は全員20代の若手役者で作ったら面白そうと思う反面、叙述トリック作品並に映像化せずあくまで文字で想像する作品だからいいのではないのかとも思いました。

6pt
4pt
6pt
6pt
8pt

本格推理小説は面白すぎる

  () 【ネタバレあり】

『学生アリスシリーズ』や『作家アリスシリーズ』のようにシリーズ化はされていない、有栖川有栖氏の初期作品。ロジック重視で、大掛かりなトリックを弄した作品はあまり書かない印象の作家ですが、今作は鉄道ダイヤトリック、双子入れ替わりトリックなど本格ミステリの王道とも言える複数のトリックが仕掛けられた一冊です。時刻ダイヤトリックを扱った作品は正直「なんとかしてなんとかしたんでしょ」って感じで、真剣に考える気もおきないしあまり好きではないのですが、この作品はそれ以外の部分にも仕掛けられたトリックが面白く、出来も良いと感じました。作中のアリバイ講義も面白かったです(私は基本はこういう単に作者が自分の趣味を語りたいだけのパートは嫌いなんですけどね)極めて王道な本格推理小説であると同時に、この作品そのものが「本格推理小説」というものをそのままテーマにした作品というか、「本格推理小説」というもののテーゼであるかのように感じました。作中に出てきた「トリックというもの自体が面白すぎる」「本格推理小説というジャンルが面白すぎる」という言葉。私のような人間にとってはまさにその通りだと思います

7pt

読書数
347
最近の読書で 8pt 以上の小説

S 8.87pt 8.49pt 4.07pt

不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならない―国力増大を目的とした「百年法」が成立した日本に、最初の百年目が訪れようとしていた。

B 6.67pt 6.40pt 3.90pt

琵琶湖に近い余呉湖畔で女性の死体が発見された。殺害時刻に彼女の夫は博多、双子の弟は酒田にいてアリバイは完璧。

S 8.52pt 8.21pt 3.97pt

検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。

B 7.00pt 7.20pt 4.21pt

実業家小山田六郎氏の夫人静子を脅迫する陰獣・大江春泥のナゾを追求するわたしのまえに展開していった驚嘆すべき真相は何であったか?昭和3年発表の傑作中編「陰獣」と、初期の名作3編を収めた乱歩傑作集!

S 8.04pt 7.80pt 4.14pt

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

C 6.25pt 5.74pt 3.64pt

荻原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れた。その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館。

A 8.00pt 7.21pt 3.94pt

奇妙な同人誌「迷宮草子」の恐怖!恐怖! 古書店で主人公は奇妙な同人誌を入手する。

A 6.88pt 7.13pt 3.73pt

【名作ミステリ新訳プロジェクト】ある夫妻が譲り受けたひと箱のチョコレート。

A 7.86pt 7.71pt 4.48pt

美貌の資産家リネットと若き夫サイモンのハネムーンはナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で暗転した。突然轟く一発の銃声。

B 7.00pt 6.75pt 4.57pt

幻想的な童話と血腥い殺人。被害者は傷害致死で服役し、仮釈放されたばかりだった。

A 7.86pt 7.39pt 3.86pt

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

S 8.24pt 8.11pt 4.25pt

鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。

B 6.05pt 6.50pt 3.35pt

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。

B 7.79pt 6.93pt 3.91pt

梵貝荘と呼ばれる法螺貝様の異形の館。

A 8.00pt 7.33pt 4.00pt

大がかりな陰謀が進行しているとの内部告発を受け、パリ警察予審判事シャルル・ベルトランはタントワーヌ刑務所を訪れた。

B 7.00pt 6.50pt 4.33pt

築地に奇妙な西洋館が建っていた。正方形の敷地を対角線で半分に割り、建物も中央のエレベーターを境に分割されている。

B 6.95pt 6.67pt 3.29pt

ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。

A 7.41pt 7.53pt 3.58pt

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

A 7.09pt 7.32pt 3.63pt

田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。

B 6.00pt 6.70pt 3.88pt

自動車で旅行中、突如発生した山火事に追われたクイーン父子は、山頂近くにある一軒家へ命からがら逃げこんだ。

A 7.67pt 7.25pt 4.31pt

英都大学に入学したばかりの一九八八年四月、ある人とぶつかって落ちた一冊――中井英夫『虚無への供物』――が、僕、有栖川有栖の英都大学推理小説研究会(EMC)への入部のきっかけだった。

A 7.00pt 7.20pt 3.47pt

首なし死体、密室、蘇る、死者、見立て殺人……。

A 7.67pt 7.18pt 3.77pt

パリ警察が誇る名予審判事、シャルル・ベルトラン。

S 8.25pt 8.00pt 4.38pt

フランスの避暑地に暮らす若い女性イヴは、婚約者トビイの父サー・モーリス殺害の容疑をかけられる。

S 7.79pt 7.77pt 4.39pt

『星を継ぐもの』シリーズ4作品 新版化月面で発見された5万年前の死体はどこからやってきたのか?ハードSFの巨匠ホーガン不朽の名作第12回星雲賞海外長編部門受賞作【創元SF文庫60周年記念新版】月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見し

B 6.82pt 6.73pt 3.56pt

名門女子校の式典の最中、演劇部による『そして誰もいなくなった』の舞台上で、服毒死する役の生徒が実際に死亡。

B 6.00pt 6.48pt 3.66pt

エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。

B 5.83pt 6.51pt 3.61pt

瀬戸内海の兜離の浦沖に浮かぶ鳥坏島。鵺敷神社の祭壇“大鳥様の間”で巫女、朱音は神事“鳥人の儀”を執り行う。

A 7.25pt 7.35pt 4.05pt

「衝撃のたくらみ」加賀刑事執念の捜査。翻弄され尽くす快感と、くらくらするような結末。

A 7.45pt 6.89pt 3.86pt

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

A 7.60pt 7.48pt 4.57pt

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

S 9.04pt 8.50pt 4.56pt

その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

B 7.67pt 6.93pt 4.67pt

性欲絶倫の豪商・西門慶は絶世の美女、潘金蓮を始めとする8人の妻妾を侍らせ、酒池肉林の日々を送っていた。

A 8.00pt 7.11pt 3.94pt

アメリカはニューイングランド地方の田舎町、トゥームズヴィル。

S 7.20pt 7.61pt 3.98pt

大学に顔を見せない江神を追って信州入りした英都大学推理研の面々は、女王が統べる〈城〉で連続殺人事件に遭遇する。

S 8.26pt 8.00pt 4.29pt

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。

A 6.40pt 7.67pt 4.00pt

ギリシャ人美術商の豪邸で起きた小箱の消失に端を発する難事件は、若き日の名探偵エラリーを極限まで追いこむ強固な謎をはらんでいた。

S 7.93pt 7.66pt 4.56pt

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。

B 6.63pt 6.45pt 3.36pt

親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。

A 7.00pt 7.36pt 3.69pt

放課後の旧体育館で、放送部部長が何者かに刺殺された。

A 7.43pt 7.25pt 3.96pt

夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。

S 7.43pt 7.81pt 3.93pt

他人を寄せつけず奥深い山で芸術家たちが創作に没頭する木更村に迷い込んだまま、マリアが戻ってこない。

B 6.36pt 6.91pt 3.60pt

神々櫛村。谺呀治家と神櫛家、二つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。

B 7.46pt 6.51pt 3.93pt

昭和29年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。

A 8.00pt 7.45pt 4.53pt

400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。

A 7.83pt 7.41pt 4.27pt

古神家の令嬢八千代に舞い込んだ【我、近く汝のもとに赴きて結婚せん】という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった。

S 7.89pt 7.60pt 4.22pt

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

A 7.14pt 7.48pt 3.64pt

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

S 7.27pt 7.48pt 3.87pt

魔術や呪いが跋扈する世界で、推理の力は真相に辿り着くことができるのか? 第64回日本推理作家協会賞受賞ほか、各種年末ミステリ・ランキング上位を総嘗めにした話題作!

S 7.42pt 7.70pt 3.88pt

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。

A 7.38pt 7.08pt 3.71pt

差出人不祥の、東北の山荘への招待状が、六名の男女に届けられた。

A 7.71pt 7.29pt 4.48pt

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。