翼ある闇



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初公開日(参考)1991年05月
分類

長編小説

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新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)

2012年03月07日 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社ノベルス)

首なし死体、密室、蘇る、死者、見立て殺人……。京都近郊に経つヨーロッパ中世の古城を彷彿させるゴチック調の館・蒼鴉城を「私」が訪れたとき、惨劇の幕はすでに切って落とされていた。事件の最中、満を持して登場するメルカトル鮎。そして迎える壮絶な結末! ミステリー界を騒然とさせた衝撃のデビュー作を新装版にて。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.21pt

翼ある闇の総合評価:7.14/10点レビュー 57件。Aランク


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全14件 1~14 1/1ページ
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(6pt)

翼ある闇の感想


西洋風の館。 首のない死体。 2人の探偵。 本格ミステリの要素をふんだんに扱い、ぶち壊していく麻耶雄嵩渾身のデビュー作。

何でも食べたい私としては珍しく敬遠していた作家:麻耶雄嵩のデビュー作。 相当に癖のある探偵が出てくるという事でちょっと苦手かなと思っていたのですが、成程このアンチ・メタミステリの世界観ならこの探偵は許せる。 設定から解決までミステリの世界を基盤とし、現実的な世界を脱却した本作は、ミステリのルールと本格から新本格への変遷、探偵小説における後期問題をある程度知った上で読み進める必要があると思う。 

りーり
9EDFH0HC
No.13:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (2件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

つまりはこの真相を受け入れられるか否か

いわゆる新本格ミステリ作家と一線を画したその特異な作風で巷間を賑わせているこの作家。予てより興味があったが、ようやくデビュー作である本作に着手できた。
一読した直後の感想としては、なんとも云えない感慨が押し寄せている。島田荘司氏の『水晶のピラミッド』を読んだ直後のよう、といえば判ってもらえるだろうか。

まず木更津悠也とメルカトル鮎という二人の探偵が同一の事件を扱う、この趣向が彼がデビューするまでの新本格一連の作品になかった趣向だ。今まで探偵の相手といえば、犯人を除き、警察であったが、ここにこの作品の斬新さがある(実は他にもあったのかもしれない。私が寡聞にして知らないだけで)。
そしてキリスト教、正しくはギリシア正教に彩られたペダントリーは小栗虫太郎氏の作風を思わせる。この作風・文章については後に述べよう。
そしてこの二人の探偵の間で繰り広げられる事件の解明が、何層にも入り組んだ真相を一枚一枚剥がすように明らかにされていく。そして最後には第3の探偵によって全てが明らかにされる。しかしそれは真犯人と探偵との間の秘密として闇に葬り去られるのだが。

この小説を読むのに、読者は予備知識を要求される。それは海外古典ミステリを読んでいることだ。でないとこの作品に散りばめられたペダントリー、特に連続殺人に込められたミッシング・リンクの妙は愉しみが半減するだろう。そしてこの一種ミステリマニアのための真相もエピローグにてある兆しがあったことを明かされる。
先に読後は島田荘司氏の『水晶のピラミッド』を想起させると書いたが、これは真の真相の手前に明かされる真相にものすごい魅力があったからだ。これは前代未聞の密室の解明とも云える空前絶後の真相だろう。
死者が甦る世界で死人を出すことの必然性を解いた山口雅也氏の『生ける屍の死』のロジックを遥かに凌駕する真相だ。しかし、作者はこれをいとも簡単に切り捨ててしまう。そんなこと、あるわけないだろ!と自嘲するかのように。

しかし、この驚天動地の真相を覆す最後の真犯人は不要だろう。
というのもここに来て逆に不可能性が増してしまったからだ。
そして麻耶氏はそれについて一切言及しないのだ。
犯人を設定して、意外なミッシングリンクを創案して、連続猟奇殺人で和えて密室事件をトッピングし、瑕となる現実味には触れず、適当に流しました、そんな感じで作られたようですわりの悪さを覚えた。

読者はミステリに何を求めるのだろう?
整然としたロジックの美しさ、驚愕の結末、まだ読んだ事のない未曾有の真相・・・。
この作品に関して云えば、表の真相とされるこの密室の真相こそがまさに未曾有の真相であり、私個人的にはこれが非常に面白かった。だからこそ評価は☆1つ減点なのである。

そしてサブタイトルにあるように本事件は探偵メルカトル鮎の最後の事件である。
謎めいた探偵を出しておき、シリーズが進むごとにその謎に包まれたヴェールを徐々に剥がしていくのがシリーズ物の常套だが、この作者はそれをデビュー作にして見事ひっくり返している。なんとも大胆不敵な趣向である。
そしてこの作家がかつて本格ミステリにおいてタブーとされていたことにあえて触れていることからも本格ミステリの可能性を更に開かんと意欲的・実験的であるとも云える。ネタバレになるのでどのタブーに触れたかどうかは云えないが、裏返せばこの作家が若くして本格ミステリに精通していることの証左となっている。

あと若干21歳のデビューに関して各所で驚愕と云われているが、どこに関してだろうか?
トリック?プロット?文章?

確かにトリック、プロットに関しては驚きはあるだろうがペダントリーに彩られた文章に関して云えば、頭だけで考えて作られた文章の域を脱しておらず、社会に出て触れるであろう、一般常識的な表現が欠如している。
つまりこの作者が十分衒学的であるのは認めるが、使い方が誤っているのに自覚的でない。単純に叙述すればいいところを敢えて普通に使わない単語を使用して、深みを持たせようとしているが、逆に知識の浅はかさを露見している。そしてこういう文章は21歳だからこそ書ける文章であって、逆に成熟すると恥ずかしくて書けない文章だ。実際私がそうだった。こんな持って回ったあらゆる知識を動員し、通常の表現に改革をもたらさんと一人気張って、勘違いの文章をばら撒いていた。
この辺は編集者ならびに出版社の校正部門が直してやらなければならない話なのだが、明らかに怠っている。講談社という大手出版社の仕事の杜撰さも白日の下に晒してしまった。

そして題名の『翼ある闇』。これは舞台となる蒼鴉城のモチーフでもある鴉のことだろう。この作家、数年後にまた『鴉』という題名の作品を書くのだが、よっぽど鴉が好きなのだろうか?
初めて読んだ麻耶作品。確かに一癖も二癖もある作家だ。その存在感はいまだワン・アンド・オンリーを貫いているようだ。次の作品をいつ読めるかは解らないが、また気になる作家が増えてしまった。困った事だ。


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Tetchy
WHOKS60S
No.12:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

推理小説の面白くなる要素を全部つめこんでいるような作品

いかにもな雰囲気の舞台、猟奇的な連続見立て殺人、奇抜すぎるトリック、名探偵二人の推理対決、どんでん返し、過去の名作のオマージュやパロディ……

あとがきの解説でも言われていましたが、まさに本格ミステリの読者が望む、面白くなる要素を全部詰め込んだような作品です。
読者を意識してと言うよりは、作者自身が自分の好きな要素を全部詰め込んで書いてみたデビュー作でしょうか?
若干21歳の時に発表された作品だと読み終えた後に知り衝撃を受けました。
いろんな意味でぶっ飛んでおり、賛否両論は必至の作品だと思いますが、自分はツボにはまったので大変面白かったです。

三大奇書の一つ、『黒死館殺人事件』のパロディ的な面が強い作品ですが、あっちと違って非常に読みやすくていいですね(笑)
また海外の某有名シリーズのオマージュが事件に深く関わり、それを知っているか否かで面白さが段違いになってしまうため、実際に全部読みはしないまでも基本情報ぐらいは頭に入れた状態で読むことをおススメしたいのですが、シリーズの具体名を挙げてしまうとそれ自体が重大なネタバレになってしまいもどかしいです。


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マリオネットK
UIU36MHZ
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翼ある闇の感想


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なおひろ
R1UV05YV
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翼ある闇の感想

本の厚み通り重厚感のある話なんですが、あれやそれは本当に必要なの?というエピソードがあり、個人的には拍子抜けしたので若干辛めの採点で。
発想は凄いのでそれについていける方は楽しめると思います。

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mkaw11
HAAP6CBX
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
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翼ある闇の感想

麻耶雄嵩さん初読了。第1部は古典的な本格ミステリーかと思いきや…こりゃあ確かに問題作だ。真相が探偵役の入れ替わりで2転3転するたびに無茶苦茶な物になっていくのは逆に笑えてくる。

水生
89I2I7TQ
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翼ある闇の感想

ものすごい読後感でした。見事にぶん回されましたね。

ほっと
2XKXV6EI
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
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翼ある闇の感想

麻耶雄嵩らしい作品といえる。
探偵の木更津はこれぞミステリ小説の探偵といった印象で、理想的な探偵役となっている。私は芸術や音楽には疎いのでついていけない部分もあったが、緻密な構成と結末の驚きはさすが麻耶さんといったところ。
しかし主人公については役どころが微妙でただの便利な視点のようになっており、その点を考慮してこの点数をつけさせてもらった。

hiro-m
4K1CCRGG
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翼ある闇の感想

3度読み返した本格ミステリの一つの頂点といえる天才麻耶雄嵩、驚愕のデビュー作!あらゆる本格のガジェットが惜しげもなく投げ込まれた大傑作!メルカトル鮎、木更津悠也という2大名探偵は勿論、個人的に好きなキャラの一人である霧絵ちゃんも出ますしキャラ的にも濃い作品です(笑)

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ジャム
RXFFIEA1
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
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翼ある闇の感想

若干探偵の台詞回しに回りくどいというかもったいつけすぎて読みづらく感じる所もあるが、それも慣れてくるのか後半の展開に度肝抜かれて気にならなくなるのか、ページをめくる手が止まらなくなった。
色々賛否両論あるみたいだが自分的には二転三転四転が非常に面白くこの作者の他のも読んでみたいと思う事が出来る小説だった。

リュウセイ
72WNQ3Q2
No.4:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

翼ある闇の感想

読み手を選ぶ、好き嫌いが分かれるというレビューが多いようです。
確かに、作中の見立て殺人などは、知っている人と知らない人とではその面白味が違うはずですが、その選ばれし人達は、この作品に数々登場したびっくりトリックとか犯人のトンデモ動機に納得しているんでしょうか。
作者の作品は初めてだったのですが、期待が大きかった分、がっかり・・・というより・・・がっかりする事も忘れるくらいの読後感を味あわせてもらいました。


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梁山泊
MTNH2G0O
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翼ある闇の感想

読者を選ぶ作品だがひねくれた人にはおススメ。
私もひねくれた人間なので大好きです。

トーブル
AF65KD0I
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

翼ある闇の感想

一部トンデモトリックであると聞いていましたが、そんな事はなく非常に面白かった。
二転三転して何がどうなる事やらと唖然。
人を選ぶ作品ですね。すごかったです。

jom
GUZPXBJJ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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マニア向け

海外作品含めて推理小説を読み慣れていれば思わずニヤリとする内容が盛りだくさん。あえてアンチミステリーの要素も含めた探偵の喜劇など読み所が豊富でかなり楽しめた。

Ariroba78
5M53WTS6
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