連城三紀彦(れんじょうみきひこ)の作品一覧

果てしなくくりかえされる愛憎。反転する虚実。

足の痒みに悩む水尾爽太は、訪れた薬局で毒島という女性薬剤師に出会う。

立石の営む古美術店に、なじみの客から大量の骨董品を売りたいと申し出があった。

誰もが彼女を狙っている――。 大学祭の当日、英文学ゼミの教室で発生した陵辱事件。

古都には、謎が似合う。 7人の名手による、京都が舞台となった色とりどりの短編ミステリー。

大胆な仕掛けと叙情あふれる筆致を融合させ、ふたつとない作家性を確立した連城三紀彦。

ミステリと私小説的メタフィクションを融合させた、著者晩年の問題作にして最大の実験長篇。没5年初の書籍化。

逆転に次ぐ逆転、超絶トリック、鮮烈な美しさ。

石室敬三の元へ一年以上前に失踪した妻から突然電話がかかってきた。

ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。

戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。

ひとりの平凡な男が突然消えた。

8人の子供と母親からなる家族へかかってきた1本の脅迫電話。

造花の蜜はどんな妖しい香りを放つのだろうか…その二月末日に発生した誘拐事件で、香奈子が一番大きな恐怖に駆られたのは、それより数十分前、八王子に向かう車の中で事件を察知した瞬間でも...

もう一人の自分を目撃したという人妻。"消失狂"の画家。

傲岸不遜な大スター「花ジン」こと花村陣四郎のパワハラに苦しむマネージャーの北上梁一は、ある夜、一組の男女と出会う。

「家を棄てる決心はつきましたか。ついたのなら今度の日曜日、朝の十時、東京駅で待っています」。

記録的な大雪にあらゆる都市機能が麻痺するなか、汚職疑惑の渦中にある大物政治家の孫娘が誘拐された。

ごく普通のありきたりな家庭。夫がいて娘がいて、いたって平凡な日常―のはずだった。

「あなた、この着物要らない?」高校時代からの親友の言葉には続きがあった。

四八歳の藍沢晶子には、陶磁器メーカーに勤める二歳上の夫・紳之と二三歳の娘・陽子がいる。

「お父さん、浮気してるわよ」中学三年の水絵の言葉に知子はギョッとした。

外科医の夫と訪れたロワールのホテル。奈緒子は、美しい目をし危険な魅力に充ちた悠二と出会った。

1997年―国境が消えたとき、甦る愛と憎しみ…揺れ動く国際都市・香港。

終戦から間もない降誕祭前夜、まだ焼け跡の残る横浜・中華街の安宿で死体となって見付かった隻腕の男。

私に結婚を申し込んだ男には、私より愛している女がいます。

今日まで25五年かかった―。長野の農家に嫁いだ郁子は、結婚間もないころから抱いていた決意を実行した。

浜名湖畔の料亭「花ずみ」。ある日、名女将の後を継いだ旬平から、妻の通子に奇妙な電話が入る。

架世、鮎美、良子の3人は高校時代からの親友。18歳のとき共に同じ男に恋をし、揃って失恋した過去を持つ。

亡き親友の未亡人・清江とたった一度だけの肉体関係を持った真山。妻の康子は夫の部下、白川との不倫に走った。

久茲里枝の喪服の裏にひそんでいた模様と同じ紫の文字で―紫の傷。二十八年前の罪の傷。

破滅こそ愛の証し苛烈な恋愛長篇 洋画壇のなかで男たちをカンバスにして自分の人生を描き続けた女がいた。

「剃髪前の私は本当に恐ろしい顔で一人の男の命を死にまで追いつめた、人殺しと変わりない女なのですから」。

死後に注目された萩生仙太郎の絵画が、30年ぶりにオークションへ出品されることになった。

2組の夫婦に秘められた背徳の過去。東京とスイスを結ぶ往復書簡が織りなすレターロマネスク。

大胆な仕掛けと巧みに巡らされた伏線、叙情あふれる筆致を融合させて、ふたつとない作家性を確立した名匠・連城三紀彦。

結婚式を12時間後に控えた杏子は、過去と訣別するために男とベッドにいた。男―佐上は、杏子の胸に爪でSの字を刻んだ。

一枚の巨額なルノワールの贋作。男と男の愛、女と男の死、美の真贋の境界線をさまよう大型国際ラブサスペンス。

自由に愛して、不自由に愛して、落とし穴にはまる―。ひやりと研ぎすまされた男と女10の物語。

僕とセンセイと奥さんの衝撃的な愛のかたち。編み目の表裏のような、嘘と真実。

石木律子は何事にも人並の商社員響介と一年前に結婚、姑の文枝と三人で暮していた。

妻と別れる方法は離婚だけではない。情事を仕向け、妻を追いつめ自殺へ導く男の心理(「夜のない窓」)。

「どこまでも殺されていく僕がいる。

二昔も前に愛した女と旅先きで待ち合わせた男。

15年前、わずか一年で結婚生活に失敗して以来、ずっと独り身を続けてきた47歳の女性弁護士撩子。

北陸本線で知り合った女は、夫に逃げられたまま新婚旅行中の花嫁だった…。

離婚直後に、ふと思い出した古いあじさいの絵。

ドイツが東西に分断された冷戦のさなか、画家・青木優二の前に現れたベルリンからの来訪者。

失踪した夫を待った女の決着を描く「忘れ草」。

初めて逢った時から今まで、昭次は龍蔵親分の女房の絹を「姐さん」と呼んできた。

髪の艶と柔らかさが自慢の津加子。6歳年上の夫は4度目の浮気が進行中だ。

マニキュアで窓ガラスに描いた花吹雪を残し、夜明けに下駄音を響かせアイツは部屋を出ていった。

上司の妻に誘われながら一度のキスだけで遠ざかる青年(「組歌」)、結婚をとりやめたのに形だけの新婚旅行に出た2人(「淡味の蜜」)、転勤してゆく隣室の主人を見送る人妻(「空き部屋」)、老い...

“花の落ちる地へ参ります”という書き置きを残し、作曲家・高津文彦の妻・紫津子が家を出てから三日目の朝、高津のもとに空箱のように軽い、奇妙な小包が届いた。

喫茶店主・高井由子と水産会社の社長夫人・山川美代子は、ともに私設気象予報官・岩谷啓一に魅かれていた。

酒場のカウンターで、年下の男から突然見せられた妻にあてた「ラヴレター」―。

高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一ヶ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。

その日まで恋はれてあるを知らざりし死のきはにのみ抱きける人―。

見知らぬ男の後妻となるホステス(「日曜日」)、20年前の恋人と再会するやくざ(「裏町」)、腹違いの子を育てる玩具店の女房(「棚の隅」)…。

時は明治末期。政府重鎮の妻君・但馬夕とその家の書生・御萩慎之介との情死事件は起きた。

歳月は、人を恋う心の炎を消してしまうのか、あるいは、さらに激しく燃えたたせるものなのか。

その冷やかな微笑としなやかな身のこなしで世界的ファッションモデルとして活躍中の美織レイ子が自宅マンションで死体となって発見された。

「わたしと寝ない?」少女が突然、声をかけてきた。噂に聞く援助交際だ。

「さっき、棄てるっていったのは命のこと?―命の棄て場所を探してるってこと?」。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

相ついで起った五つの難事件に立ち向う田沢軍平クンは、どんぐりまなこに分厚いめがね、早くも薄くなりかけた髪とたまりにたまったアパート代を気にしながらモッサリと登場!?しかしこの軍平...

東京の夜空に珍しく一羽の鶴が舞った夜、一人の落語家・伊呂八亭破鶴が殺された。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

この里苧のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか?妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。