どこまでも殺されて
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私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、「白と黒」、「陰と陽」とを一瞬の内に反転させてしまう作者の"騙しの手腕"の虜となって来た。その意味において、作者の最高傑作は短編集「夜よ鼠たちのために」(こんな事が可能かと呆然とする程の傑作揃い)だと思う。しかしながら、どうも短編と比較して長編の切れ味は今一つという感を抱いており、残念ながら本作もその例に漏れなかった。 前半の1/3程度で、過去に7回"殺された"「僕」の手記が提示される。その後、8回目の殺人事件に巻き込まれた「僕」を巡って物語が展開するのだが、呆然とする程の詰まらなさである。過去に7回"殺された"人間が生きている筈はないから、手記にフェイクがあるのは最初から一目瞭然で、これを如何にして作者が料理するか(不可能を可能とするか)が見所だったが、茶番と言う他はない"こじつけ"にはガッカリさせられた。下手な学園ドラマを観ている様で本当にウンザリした。作者の手腕があれば、もっと巧みに読者を騙せた筈である。 作者の実験的(野心的)精神は買いたいが、代表短編と言われている「美女」(これも詰まらないと思う)同様、それが過ぎると、読む方が白けてしまう。「過ぎたるは及ばざるが如し」とは良く言ったものである。作者には、もう少し気持ち良く読者を騙す長編を数多く残して欲しかった。 | ||||
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謎解き感がもう少し欲しかった。真相の全ては見抜けませんでしたが意外性はそこまでなかったかな。 僕の手記がとってもダークなので、読んでてしんどくなりますが、先生と生徒たちのやり取りはまぁまぁテンポ良く読めました。 女生徒の頭がキレすぎて、ちょっと違和感。笑 長くないのでさくっとは読めます。 | ||||
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週刊文春ミステリーベストテン 1990年 国内部門第9位。 連城三紀彦さんの『私という名の変奏曲』は、7人の人物が1人の女性をそれぞれ殺害するという、とてもトリッキーな作品だった。『どこまでも殺されて』は、同じ人物が7度殺されているという、これまた奇妙奇天烈な設定である。 本作品は、”僕”の手記から始まる。 小学校入学以来、様々な人から”僕”は、繰り返し殺され続けている。縊死、水死、轢死、爆死させられながら、気がつくとまた次の死が待っている。今、高校生になった”僕”に、8度目の殺される時が迫ってくる ・・・ 冒頭から、”僕”の絶望の日々が綴られていく。なぜ殺されるのかは判然としない。ただ、”僕”は、誰からも疎まれている。命の消える瞬間の諦めに似た感情に胸がしめつけられる。 殺されては蘇り、また殺される。まるで、狂人の手記だ。全くわけがわならない。途中で投げ出さないでいられるのは、連城三紀彦さんの話しの運びが上手いからなのだろう。物悲しさを織り込みつつも、次はどのような展開になるのだろうという、期待を感じさせずにはおかない。 手記が終わると、とある高校の教員室に場面が移る。教師の横田は電話口から 「助けてください。殺されかかっているんです、僕は今」 という悲痛な叫びを耳にする。半信半疑ながら、この電話を無視することができない横田。横田は、自身が受け持つクラスの生徒、苗場直美の力を借り、真相追求に乗り出すのだった ・・・ ここから、”僕”はいったい誰なのか、そして繰り返し殺されるとはどういうことなのかが、横田と直美によって明らかにされていく。助けを求めながら一向に正体を明らかにしない”僕”。ここも謎のひとつ。試行錯誤しながら横田と直美が真相に辿りつく過程が面白い。ただ、冒頭の重苦しい手記と、この学園ミステリのりとのギャップに戸惑ってしまうかもしれないな。 ネタばらしまで読者が真相を知ることは難しいので、二人の活躍を追うしかないというじれったさはある。じれてじれて、結局僕は、う〜ん、そうきたかぁ と多少脱力したのであった。オチとしては、似たような作品があるからね。『私という名の変奏曲』の方が、納得感は大きいかもしれない。 | ||||
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何度でも殺されるという冒頭のモノローグからぐいぐい引き込まれます。「たすけて」と教師にメッセージを残すこの人物は誰なのか?これは反則なのでは、と思うくらいびっくりのラストが待っています。綾辻作品などが好きな人にはおすすめです。 | ||||
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これまでに七度殺されて、そして今八度目の死を迎えようとしている。とっぴょうしもない設定から入る『どこまでも殺されて』。ただ犯人捜しをする推理ものではなく、なぜ1度殺された者が再び殺される場面に遭遇するのか?この謎が解き明かされていく過程は、さすが連城氏だと深々と感じさせられます。また恋愛物にも通ずる情景の美しさが、作品の深さをさらに引き立てています。読み終わったすぐ後に、もう一度最初から読み直したくなる作品です。まだ読んでらっしゃらない方には早く味わってもらいたいです。おすすめです! | ||||
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