明日という過去
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私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、「白と黒」、「陰と陽」とを一瞬の内に反転させてしまう作者の"騙しの手腕"の虜となって来た。その意味において、作者の最高傑作は短編集「夜よ鼠たちのために」(こんな事が可能かと呆然とする程の傑作揃い)だと思うが、短編(集)と比べて長編の出来は今一つという印象を抱いていた。そして、残念ながら本作もその例に漏れなかった。 本作は弓絵と綾子という2人の女性の往復書簡で構成される。そして、弓絵の最初の書簡で、弓絵には結婚前から男女関係を続けている大木という不倫相手がいる事、弓絵の夫の綾一が自殺し、その死後、綾一が不倫に気付いていたのではないかとの疑念を弓絵が抱いている事、綾子が弓絵と大木との関係を昔から知っている学校の先輩兼相談相手である事といった基本設定が説明される。以下、往復書簡が続くのだが、最初の書簡から容易に類推出来る(これ以外では弓絵が綾子に手紙を送った理由が説明出来ない)2つの家族間のゴタゴタ以上のものは描かれておらず、落胆した。長編なので止むを得ない面もあるのだが、切れ味に欠けるのである。そして、何よりの瑕疵は、作者にとっては"試み"として往復書簡という体裁が必要だったのだろうが、当人達にとっては、電話もFax.(あるいはメール)もある時代に手紙を交わす必然性が皆無な点を作者が上手く説明出来ていない点であろう(腐心しているのは理解出来るが)。 ミステリ的手腕を期待した私が愚かで、作者は恋愛小説家として女の情念、女の怖さ、女心の機微等を描きたかったのかも知れず、その点では確かに良く書き込まれている。特に、内容と絡めて、「幸福の色」、「不幸の色」、「紅葉」、「スイス(綾子はジュネーヴ在住)の雪の白さ」等々、随所で「色」を散りばめている趣向が目を惹いた。ミステリとしては凡作だが、女の情念を中心とした恋愛小説と考えればマズマズの出来という所か。 | ||||
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二人の女性の手紙のやり取りを通して、二組の夫婦そして、その娘の愛劇をミステリアスに描いた傑作。 一度読み終えた後にもう一度読むことによってまた違った面白さが出てきます。 とてもよく出来た良質のミステリーだと思います。 | ||||
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