(短編集)
小さな異邦人
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小さな異邦人の総合評価:
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連城三紀彦さん最後の短編集。表題作と「蘭が枯れるまで 」が個人的ベストです。 | ||||
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著者の連城さんは大好きな作家。中でも「戻り川心中」は本当の傑作でした。なのにもう、彼の作品が読めないなんて。悲しいです。 本作は彼の遺作のようです。短編集で、最後の「小さな異邦人」が本書のタイトルになっています。けれど、その異邦人は余り出来がよくない気がします。だって、叙述スタイルがちょっとルール違反(笑)。 でも、それ以外はとっても大人の話。よくこんなプロットを思いつくなと感心しました。さすが連城さんです。失ったものは大きいですね。 ところで、著者のペンネームは「恋情」との掛詞なのかな。いまさらだけど。 | ||||
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表題作の他、「指飾り」、「無人駅」、「蘭が枯れるまで」、「冬薔薇」、「風の誤算」、「白雨」及び「さい涯てまで」の全8つの短編から構成される、作者の死後に(恐らくは出版社の意向で)公刊されたミステリ短編集。私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、「白と黒」、「陰と陽」とを一瞬の内に反転させてしまう作者の"騙しの手腕"の虜となって来た。その意味において、作者の最高傑作は短編集「夜よ鼠たちのために」(こんな事が可能かと呆然とする程の傑作揃い)だと思う。本作に関しては期待半分、(恐らくは出版社の意向で)"寄せ集め"という危惧半分という所だったが、残念ながら後者の危惧通りとなってしまった。 "騙しの手腕"も男女の心理の機微の書込みも乏しく本当にガッカリした。本作の中では「蘭が枯れるまで」が<花葬>シリーズを"やや"想起させる佳作だと思う(表題作も着想は悪くない)が、往年の作者ならばもっと鮮やかな"騙しの手腕"と男女の濃密な描写があった筈だ。上述の「夜よ鼠たちのために」、他の代表短編集である、「顔のない肖像画」、「宵町草夜情」、<花葬>シリーズ等と比ぶべくもない凡作である。作者が生存中なら、もっと練り直してから発表するという手順になったのではないか。作者にとっても不本意な短編集だろう。 (恐らくは出版社の都合で)こうした短編集が編まれるのは、作者及び作者のファンにとって不幸な事だと思う。本作で初めて作者の作品に触れた方には、もっと優れた作品(特に短編集)が沢山ある事を知って頂きたいと思う。 | ||||
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途中で読むのを止めてしまったという単行本が新刊同様のきれいさで届いて レビュー読ませていただいて初めて。そうなんだ。いつもの連城三紀彦と 違うんだってわかったような。わからないような。 そうかなぁ。自分にとってはそれ程深くそうして沢山読んだことのない 連城三紀彦だからか。時々無性に読みたくなる作家だからか、ほぼ全篇 引きずり込まれるように読ませていただきました。 一番最初に読んだのはタイトルの「小さな異邦人」。8篇のうちの最後。 わりと明るくて発想がユニークで終わり方も希望が持てて、ちょっといつもと 違うかな。それも勝手なる自分のイメージによりかも。そのあとは 「指飾り」「無人駅」「蘭が枯れるまで」「冬薔薇」「風の誤算」「白雨(はくう)」 「さい涯(は)てまで」と順番に読みました。一番心魅かれたのは「白雨」。 次に「無人駅」「蘭が枯れるまで」。あぁこうなんだって。とにかく恋愛においてというか 女性心理を描くのがほんと上手。今回はその女性よりも男性の。それも犯罪的グレーゾーンの もやもや。どっちつかずの迷いそのものをスパっと切り取るのではなく。人間的?な悩み そのものの気がして。女性を描くのは如何してこんなに女性の気持ちがわかるのかなって いつものように読んで驚く程の細やかさ。連城ワールドの着物姿の女性を想像すると素敵で。 それに駄作って一つもない気がして。何故か安心して今回も読んで読まされてしまいました。 早くに逝ってしまって残念とおもうばかりですが読んでないのもたくさんあるので 読む楽しみはまだまだ続きます。 | ||||
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連城先生の短篇集を読むのも久しぶりである。若干期待値を上げて読んだせいか、7作品目までは普通に楽しめる程度だった。 しかしラストの「小さな異邦人」には唸らされた。いろいろとミスディレクションが効いているし、この誘拐のアイデアは実に珍しい。 前例がない、というほどではないが、8人兄弟という設定が上手く効果を示していると思うし、伏線も弱いがきちんと貼られている。超ベテランの域にある時期にこんなアイデアを活かす短編を書いているということは評価に値する。もちろん全体の文章も流麗可憐でため息が出るくらい素晴らしい。繊細な人物描写も詩的でこの文章を読めるだけでも至福の時間だろう。まだまだ現役で攻めの作品を書ける作家だったのに早すぎる逝去は非常に悔やまれる。 他の収録作については以下のとおり。全体的に無理矢理感があったり、切れ味に乏しい、連城作品らしくないのが多かった。 つまり、世界を一瞬で反転させるような切れ味や、一見無理やりな展開でも力ずくで納得させるようなプロットには乏しい。 「指飾り」こんなところで話を逆転させるのか!と驚きはしたが、それだけだった。 「無人駅」どことなく松本清張を連想させる。上手いがあまり連城作品らしくない。 「欄が枯れるまで」次点はこれ。連城作品らしい展開を堪能できる。 「冬薔薇」個人的には怪作。こんな話を書ける作家は他にいないと思うので、らしいといえば「らしい」作品。だが、警官に話しかけられるところや真相などやっぱり無理があるな。 「風の誤算」印象薄い。「ふーん」としか思わなかった。 「白雨」過去の事件の真相はすごい。花装シリーズを思い出させられる。現代の事件と結びつけは無理やりでは? 「さい果てまで」設定は面白いが、真相が弱いと思う。 | ||||
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厳しい評価ですみません。 その前に読んだ連城先生の短編集『夜よ、鼠たちのために』が 過去最高レベルの神がかり的完成度(!!)だったため、 かなり見劣りしてしまいました。 「無人駅」はお得意の世界の“反転”が鮮やかでしたが、 表題作をはじめその他はイマイチでした。全体的に暗めです。 | ||||
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