叛徒
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
| ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何度も途中で挫折しかけたので、読み終えるのに時間が掛かりました。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「自分にとって何が一番大切なのか」 「自分にとって守るべきものは何か」 とても考えさせられる読み応えある作品でした。 自分の確固たる信義と守るべき大切なものとの天秤。生きていく上で沢山の選択を迫られる。 どちらを選ぶかはその人の価値観によって異なるが、やはり私も「人生で最も大切なもの」を守ると思う。 この歳になってようやく気付いた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公が中国語の通訳捜査官なので、全体的に中国で溢れかえっています。 いじめで不登校中の息子が殺人を犯したのではないかと疑い、通訳捜査官という立場を利用してなんとか捜査の目を息子から引き離そうと仕組むのですが、そもそも警察組織から疎んじられている主人公がさらに場当たり的な策を用いてさらに立場を悪くし、家庭でも孤立…という不幸の連続は、さすがに読んでいて辛いものを感じました。 テーマとしては「正義とは?」ということだったのかもしれませんが、個人的には、主人公家族の不幸の前に霞んでしまったような印象です。 いつも通りに最後にはちゃんと救いがあったのですが、すらすらとは読めませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
生還者に惹かれ、前後逆になってしまったが手にした作品。ラストに行くまではさほど胸の高鳴りはなく、ごく普通のミステリー作品程度。しかし、ラストになるにつれ、驚くほどの盛り上がり。そして迂闊にも涙が溢れてきた。読後には随所に散りばめられたミスディレクションを一つ一つ読み解きミステリーの醍醐味を十分に味わうことも出来た。良い意味で期待を裏切ってくれた作品。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
何が正しく、何が間違っているのか- 「正義」とは、自分の信念が第一であるうちは考えやすい守りやすいもの しかし、自分以外の人生がかかわったとき揺らぐこともある その誤った判断が、別の自分の大切な人の人生に及んでいくとしても- 「正義」とは何かを考えながら、色々な登場人物の葛藤とそれぞれが相手を思いやっている と言う多角的な心理描写から人を思うというのは難しいことだと思いました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「闇に香る嘘」で江戸川乱歩賞を受賞した下村敦史氏の受賞後第一作長編。受賞作が非常に優れて いただけに、この作品の出来は大いに気になるところだった。 七崎隆一という通訳捜査官(警察官の身分で、外国人絡みの犯罪で通訳をするのが主たる任務) が主人公。彼は、やはり通訳捜査官であった義父(妻の父)がかつて故意に誤った通訳をすること によって容疑者を落としたことを告発し、そのために義父を自殺に追いやっていた。そのために彼 は妻の不信を買い、家庭崩壊の危機にさらされているのみならず、警察組織内でも「身内を刺す (密告する)男」として疎まれている。その七崎は、新宿で中国人が殺された事件で、第一発見者 である中国人の尋問に通訳として立ち会う。その際、殺害現場から立ち去った日本人少年が着てい た龍のデザインのジャンパーから、その少年がいじめで不登校中の息子健太ではないかと推察する。 健太をかばいたい一心で、七崎もまた故意に誤訳をするが……。 警察小説で、身内の者が犯罪に関与するという設定を用いた作品は珍しくない。が、通訳捜査官 という特殊な職業を選択したこともあり、既存作品との類似や二番煎じとしての陳腐さはない。 警察小説は、ある意味「リアリティーこそが売り」という一面があると思う。友人に警察関係者 がいたり、新聞記者としての実務経験があったりと、その面ではいずれ劣らぬプロ作家達の中にあ って、新人の下村氏の作品は、まったく遜色ない。これは徹底した取材、調査などによってなされた ものだろう。だが、乱歩賞作家が陥りがちな「お勉強小説」、「頭でっかち小説」では決してない。 実は敏腕でありながら、「オミヤ」とあだ名されるダメ刑事の田丸や、SM嬢のアルバイトをして いて賄賂ももらっている美人入国管理局職員黒河内などのキャラクターも魅力的だ。 技能研修制度を悪用する中国人マフィア、受け入れ機関、重労働を強制しながら善良を装う縫製 業者、それを救う立場の組織、入国管理局、警察など、複雑に入り組みながら物語は進んでいく。 これはまさに「社会派ミステリー」と称しても良いだろう。警察小説と言っても良いが、それぞれの 描写が非常に緻密で正確で破綻や安っぽさがない。また、不安や謎が次々に紡ぎ出され、読者をひと ときも解き放たないという点は、受賞作にも似たものがある。 わずかな欠点を指摘するとすれば、ストーリーや登場人物がやや複雑で分かりにくくなっているかも しれない。これは中国人犯罪を扱った小説には共通することでもある。また、誰しも主人公に肩入れ したくなる(そうなるように書かれている)ものだが、不安が大きすぎて読むのが苦痛になるという 一面もある。テーマも重いため、それを嫌う読者もいるかも知れない。が、私はかなり面白く読めた。 それと、中学生である健太や事件以前の平和な家族の描写などが、やや類型的か。だがこれは枝葉 末節な部分だろう。 下村氏の受賞は決してフロックではなく、今後も活躍できる実力があると思わせる一冊だった。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 7件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|