(短編集)

化石少女



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化石少女 (徳間文庫 ま)

2017年11月02日 化石少女 (徳間文庫 ま)

学園の一角に建つ壁には日暮れると生徒たちの影が映った。そしてある宵、壁は映し出した、恐ろしい場面を……。京都の名門高校に次々起こる凶悪事件。古生物部の部長にして化石オタクのまりあが、たった一人の男子部員をお供に繰り出す、奇天烈な推理の数々とは?(「BOOK」データベースより)




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化石少女の総合評価:6.77/10点レビュー 22件。Bランク


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(6pt)

化石少女の感想


▼以下、ネタバレ感想

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AliceinAbyss
RG0JBP5M
No.3:
(6pt)

化石少女の感想

連作短編集のような構成になっている学園ミステリ。
ですが、そこは麻耶雄嵩。
これを敷居が高いとは言いたくないですが、麻耶未読者にもはっきり分かりやすい「変な作品」です。
というのも、探偵役の推理が何の検証もされなく否定され、読み手に結末が明かされることなく章が終了するからです。

化石オタクの赤点女・神舞まりあが探偵役、事情あってまりあのおつきあいをしている秀才(?)・桑原彰がワトソン役。
ワトソンが一枚上手に見える設定であり、探偵まりあの推理は、毎回毎回ことごとくワトソン彰に却下されます。
それもそのはず、まりあの推理は、敵対する「生徒会メンバの誰かが犯人」が前提で、そこを起点に無理矢理こじつけていくという推理で、説得力などあるわけなく、読み手にも、まともに推理しているようには思えない、そんな印象を与えています。
まず犯人を決めて、それが成立するように推理を組み立てるというまりあの推理は、作者の「神様シリーズ」と似たパターンになりますかね。
探偵役とワトソン役との関係に一石を投じるのは、この作者が以前から試みている事です。
なので、この消化不良になりかねない章立ても、麻耶作品を何作か読んでいる読み手、特に「さよなら神様」を既読の読み手には、先の展開も比較的容易に予想できたんじゃないかなと思いますね。

梁山泊
MTNH2G0O
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(8pt)

化石少女の感想

本を読むと云っても有名人の気楽なエッセイとか、そんな類の本ばかりを読んでた人が仮にこの本を読んだとしたら「何これ?」と思うでしょうね。ミステリに特化した内容であって学園内で起きる殺人にあれこれとツッコミは不要で
すから予めお断りを申しておきます。最後の章のために書かれた殺人事件のお話です。麻耶雄嵩という作家を端的に表したオチでこれがこの人の特徴です。いい意味でも悪い意味でもミステリ小説の評価を左右する問題の書を書く人です。
しかし、そろそろ読む方は疲れてきました。この辺で方向転換も必要ではないかと思います。正攻法で攻めたミステリを読ませて欲しいと思います。古来の本格物が書ける人だと思うからです。しかし、1章から6章そしてエピローグまで計算された構成はお見事です。すべてはそこにってことですが、プロットの段階でそう決められていたのか、書きながらそうなったのか分かりませんが着地はそれまでの流れから当然の帰結でしょう。
職人芸と云える内容です。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.1:
(7pt)

化石少女の感想

「名探偵 木更津悠也」・「貴族探偵」・「神様ゲーム」等、「名探偵とワトソン役」の関係性に対する問題提議は今作も健在。名探偵から信頼感を取っ払った、若しくは探偵小説から解明のカタルシスを取り除いた感じがする。最終章までに読者に植え付けた仕掛けが最終章で発動す構成が秀逸でした。化石の蘊蓄も面白く読めました。

水生
89I2I7TQ
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未読の方はご注意ください

No.18:
(4pt)

おもしろかった!

春に出た続編を読みたくてまずは前作から読んでみた。いつものごとく癖が強い本格ミステリだった。化石少女のキャラクターの好き嫌いはわかれそうだが、最後の展開もふくめて著者らしい独特の味にあふれていてとてもよかった。続編を読むのが楽しみだ。
化石少女 (文芸書)Amazon書評・レビュー:化石少女 (文芸書)より
4198638780
No.17:
(3pt)

作品の趣向が読者の期待に報いるかどうかは……。

麻耶さんの本だから、読者ごとに作品の当たり外れはあってしまうのだと思います。
期待があるから最後まで読むし、本の趣向もちゃんとあるのだけれど、期待が十分に報われるかどうかは……相性によるのだろうな、と。
化石ネタが分かる人なら、もう少し楽しく読めるのかも?
化石少女 (文芸書)Amazon書評・レビュー:化石少女 (文芸書)より
4198638780
No.16:
(1pt)

軽く読めるけど

こんなのあり得んだろという展開
化石少女 (文芸書)Amazon書評・レビュー:化石少女 (文芸書)より
4198638780
No.15:
(4pt)

従僕くんの本当のキモチ

百年以上の歴史を持つ京都の名門私立、ベルム学園。なぜか次々と学園内で起こる殺人事件。古生物部は、部長の三年生・神舞まりあと平部員の二年生、桑島彰の二人だけ。化石オタクのまりあだが、事件発生になると熱血探偵に早変わり。事情があって彼女のお守り役となっている彰。いつもいい線突いているまりあだが、彰が推理の矛盾をバッサリ指摘。結局はいつも未解決で、読んでいてフラストレーションがたまる。しかし実はまりあの推理は全て図星。
 学園に存在するクラブがユニーク。古生物部をはじめ、パワースポット部、エアホッケー部、叡電部、嵐電部、コスプレ部、とかふつうの高校ではあり得ない多彩さ。そこがまた私立のお坊ちゃんお嬢さん学校らしいユニークさ。著者はそういう場面設定でも遊び心が豊か。
 校内で次々に起こる殺人事件。その背景には、クラブ数の細分化と増え過ぎによる「過疎部問題」がある。統制管理する生徒会と過疎部たちの対立関係。何しろ部室や部費には限りがあるから。しかしそれが殺人事件にまで発展するところが小説ならでは。読んでいてゲームの世界に迷い込んで、自分が「不思議の国のアリス」になったような気分に陥る。
 ヒロインのまりあが愛らしい。美人なのに、化石にしか興味がない。いつもツナギを着て、化石の削り出しにハンマーやタガネを握っている。そのツンデレぶりに、職業婦人のような、本人が意図しない色気も感じられる。事件が起こった時だけに、探偵業に乗り出す野次馬根性。そこもまた愛らしい。登場人物たちは、いずれも個性的。特に女性たちは、よりどりみどりの才女別嬪揃い。特にまりあの敵役である、生徒会メンバーたちは個性が際立っている。主人公の彰は無個性キャラで従僕の義務と言いつつ、実はまりあにホの字な結末。苦しい恋の行く末は果たして。
化石少女 (文芸書)Amazon書評・レビュー:化石少女 (文芸書)より
4198638780
No.14:
(4pt)
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金田一少年の不動高校ばりに呪われた学園 ※ネタバレあり

物語の舞台は、京都にある名門高校の私立ペルム学園である。
そこで事件が起こり、その真相を推理するのが物語の主な流れである。

主要な登場人物は、以下の二人。
●神舞まりあ
私立ペルム学園の二年生で女子。生徒会によって廃部を迫られている古生物部の部長。自分の手で石から化石を削りだすくらいの化石マニアで、化石をこよなく愛している。京都でも由緒ある家柄の娘で、とりあえずは「お嬢様」と呼ばれる存在ではある。しかし、赤点の常連で成績は最悪であり(ペルム学園に入れたのは家柄のおかげ)、わがままで大雑把な性格をしている。家では猫を被っているが、学園内では本性がバレていて、奇人変人の《化石少女》として有名である。事件が起こると、“的外れな推理”を披露する。

●桑島彰
私立ペルム学園の一年生で男子。古生物部の唯一の部員。父親が勤める会社の社長がまりあの父親で、その縁で、まりあとは幼稚園の頃から付き合いのある幼馴染である。お守り役(というか従者)として、まりあと同じ高校に通うことになった。まりあのことは、本人の命により、「まりあ先輩」と呼んでいる。まりあと違って成績は良い(全教科がトップテンに入っている)。まりあの推理の唯一の聞き手(理由は後述)。物語は彰の視点で語られている。

『化石少女』は六つの章で構成されている。
つまり、私立ペルム学園では6件の事件が起こるのだ(その内の1件は、学園が保有する県外の合宿所で起こる)。
どれも“殺人”事件である。
『金田一少年の事件簿』の不動高校ばりに呪われた高校である。
事件が起こり、その真相を推理するのは、まりあである。
それぞれの事件には必ず生徒会のメンバーの誰かが絡んでいる。
廃部を迫る生徒会を憎く思っているまりあは、生徒会が怪しいと常に睨んでいるので、生徒会のメンバーが犯人だと証明するために事件を調べて推理をする。
その推理を最初に聞くのが彰なのだが、彼はまりあの推理の粗を指摘して否定する。
まりあはそれに反論できずに彰にやり込められてしまい、推理を他の人には話さないように厳命されて、その章(エピソード)は終わる、というのが各章に共通する話の流れである。
ちなみに、まりあにとって生徒会は憎い相手ではあるが、推理そのものにはそれほど固執していないようで、彰に否定されてもさほどダメージを受けていないようである――というか、化石の話題を振られると忘れる。

彰がまりあの推理を否定するのは、厄介ごとに巻き込まれるはご免だと思っているからなのと、まりあには生徒会を悪者にしたいという思惑があると考えているからでもあるが、最大の理由は「まりあを守るため」である。
家の事情もあるが、やはり、小さな頃から付き合いのあるまりあに対して情を持っており(家族愛に近い)、まりあが下手な推理を吹聴することで、ただでさえ悪い学園内での彼女の評判が更に落ちるのを防ぐためである。
つまり、彼なりにまりあを守っているのだ。

第一章から第五章までは、まりあが彰に推理を話し、彰が合理的にその推理を否定することで終わっており、その章で起こった殺人事件の真相自体は明らかになっていない――警察の捜査の結果などは記されていないのだ。
しかし、最後の第六章は、それでは終わらない。
まりあが推理をして(指摘した犯人は、やはり生徒会のメンバー)、彰がその推理を否定して一応は区切りが付く。
だが、後日になって彰は以前の事件の検証をし始める(県外の合宿所での事件)。
その検証で、彰がまりあの推理で否定していた要素が、実は正解であったことが判明する。
つまり、まりあの推理は成立していたのだ。
まりあが自分の推理を毎回引っ込めてしまうのは、自分より成績が遥かに良い彰が頑なに否定するからでしかない(加えて、まりあは化石以外への執着心が薄い傾向にある)。
そもそも、彰の否定にも確固たる根拠がない。
他の事件におけるまりあの推理も、彰が否定した要素が真であれば成立するので、まりあの推理が全て当たっていたことになる。
つまり、それぞれの事件の犯人は生徒会のメンバーだったということになる――ちなみに、生徒会のメンバーには、彰が気になっている女子がいて、その子も真犯人。
検証を終えた彰が合宿所から帰る際の電車の中でも、別の事件でのまりあの推理が実は成立していたことが判明する。

なぜ、彰が過去の事件について検証する気になったのか?
それは、第六章で起こった殺人事件の犯人が、彰、であったからだ。
第六章でも、まりあは犯人を生徒会のメンバーと推理していた。
だが、これは、まりあの推理を最初に聞く彰が、そうなるように事件現場で工作して誘導したからである。
彰による工作と誘導がなければ、まりあは真犯人を当てていたので、彰は偽とした過去のまりあの推理に疑問を感じたのだ。

第六章では、まりあが殺されるはずだった。
それを防ぐために、いわば正当防衛として、彰は殺人を犯したのだ。
このまま放置すれば、遅かれ早かれ、まりあが事件の真相に辿り着く可能性が高い。
彰自身の保身もそうだが、「彰がまりあの命を守るために殺人を犯した」ことまで知られてしまう。
化石が何より大事なまりあにとって、推理は酔狂でしかなく、否定され続けても精神的なダメージは少ない。
そう判断した彰が、これからもまりあの推理を最初に聞いて否定し続ける――つまり、絶対に事件を解決しないことを心に固く誓って、物語は幕を下ろす。

『化石少女』は、最後まで読むことによって真実が明らかになるわけだが、彰による推理の否定というのが、「100%の確率でそうなるわけじゃないから成立しない」といったことでしかない。
つまり、「○○という要素で失敗する(警察に逮捕される)可能性があるのに、殺人というリスクを冒すはずがない」と言っているだけなのだ。
先程も書いたが、彰による否定は一見すると合理的ではあるのだが、それ自体にも根拠が欠けている。
リスクとメリットを量る天秤は、万人において一致するわけではないことが事実である。
推理の主のまりあと、語り部の彰が一応は納得した形になって話が進んでいる(その章が終わっている)から、読者もそうだと納得させられているだけに過ぎない。
それによって読者に溜まった違和が、最後に解消される形にはなっているが、まりあの推理が報われていないという点や、最後の章で語り部が殺人犯になっているという点では、やはり後味の悪さが残る。

『化石少女』も、『神様ゲーム』のように後味の良い話ではない。
しかし、まりあのキャラクター性や二人の掛け合いは面白いので、読んでも損はないだろう。
化石少女 (文芸書)Amazon書評・レビュー:化石少女 (文芸書)より
4198638780



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