新しい十五匹のネズミのフライ: ジョン・H・ワトソンの冒険
- シャーロック・ホームズ (70)
- トンネル (81)
- パスティーシュ (27)
- 赤毛組合 (4)
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【この小説が収録されている参考書籍】 |
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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2015年、私が最も驚いたのは御大島田荘司氏がホームズ物のパスティーシュを著したことだ。彼のホームズ物のパスティーシュと云えば直木賞候補にもなった『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』が有名だが、それが発表されたのが1984年。 | ||||
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島田さんによるホームズもののパスティーシュ。そんな面白くないだろうと、あまり期待せずブックオフで購入。意外と言っては失礼ながら、これが読みやすくて面白い!赤毛連盟から始まり、そこからホームズが麻薬のやりすぎで発狂して病院送りに。主役不在でどうなることかと思えばワトソンが大活躍。中盤からは赤毛連盟で、ホームズが捕まえた悪者三人が脱獄不可能と言われる刑務所から脱獄。脱獄の手法は?そのキーワードがこの本のタイトルで、今作の最大の謎。ホームズの扱いがちょっとかわいそうながらも最後は、やはり名探偵ぶりを発揮。大満足のホームズパスティーシュでした! | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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パロディとして読むと面白いが、主人公のワトソンが、ちょっと馬鹿っぽいのと、細部に時代考証間違いがあるのが興醒め。 | ||||
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これはまあタイトルの勝利だと思う。面白そう、読みたい、という気にさせるタイトルである。しかしちょっと長いかなと思う。パスティーシュなのでシャーロキアンへの目配りは行き届いているのだが、ストーリーはせいぜい中編向きだ。 ひとつ気になる箇所があった。左足をけがしたワトソンが馬車で221Bに到着して降りるシーン(P187)。「右手が触れているドアを開いて、そろそろとステップの上に、無事な方の右足を載せた」とあるが、これは左側通行のイギリスではちょっとおかしいのではないか。 調べてみると、イギリスの左側通行の起源は中世にさかのぼるようで、すでにホームズの時代は左側通行だったろう。ではワトソンは歩道とは反対側に降りたのかと思ったら、「歩道の石が、まるで柔らかな物質に変わったようで、ぐにゃりと沈んだ」という表記がある。では馬車が右側駐車したのだろうか…。 と、どうでもいいことを云々するのは、まあホームズものの楽しみ方のひとつでもあるので、そういう意味でも正しきパスティーシュであることは間違いない。 【追記】 著者によるあとがきの中で『緋色の研究』の緋色に「ひしょく」とルビが打ってあるのはなぜだろう? 緋色は「ひいろ」ではなく「ひしょく」と読むのが正しい、という話など聞いたこともない。 | ||||
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昔々にシャーロック・ホームズを愛読していたので、うろ覚えだったのが良かったのかなと思いますが、正直これって良いのかな・・・(著作権など)と心配になりました。本のどこにも「パロディです」や「コナン・ドイルに捧ぐ」など書いていないため、困惑しました。 私の拙い読書歴で、正式な書籍で堂々とパロディを書いているものに出会ったことがなく、かなり戸惑いました。 後から赤毛同盟を読んでみると、本当にそのまんま引用していますよね。ホームズが覚醒剤打つところなんて15ページ以上に渡って四つのサインそのまま引用です。要はホームズの薬中毒を踏まえて、赤毛同盟をちょっと膨らませた内容です。 ホームズファンの人は読まない方がいいかも・・・?かなり情けないホームズで、さして熱狂的なファンでもない自分でもちょっとしたショックでした。滑稽で、そこを哀しく感じました。 島田さんの作品自体は好きで以前はよく読んでいたのですが(御手洗シリーズなど)、一時期から急に俗っぽくなり、特に女性がたくさん出るようになってからの劣化が酷かったため、長く読んでいなかったのですが、たまたま手に取る機会があり読みましたが、個人的にはモヤモヤしながらも久々にしっかりとした推理小説を楽しめました。辞書並みに厚いですが、意外とすらすらと読め、最後のあたりは時間を忘れました。 この機会にシャーロック・ホームズを読み直そうかというきっかけになりました。 | ||||
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シャーロキアンとはおかしな趣向の持ち主で、ホームズ物語を絶賛するだけでなくケチをつけるのも熱心である。あの話の展開はおかしい、とかあの事件の真犯人は別にいるとか。「赤毛組合」「まだらの紐」「バスカヴィル家の犬」・・・有名どころの事件をネタに「これが真相だ」の解釈は昔からある。そういう意味で島田氏の今回作、聞いたことがある解釈なので、とくに斬新とは感じなかった。ワトスンが主役級の活躍をする展開も、ホームズ著作の内幕も、既成の作品と大同小異。せっかくの長編作、どこかあっといわせる新趣向はないものか・・・。 あるとすれば脱獄方法を秘めているらしい題名にもなっている暗号だが、これも残念、なんだこのあっけなさはが正直な感想。英語の文章なんだからそこを考慮して解かねば、は盲点だったが。ひとつらなりの文章で、最初の単語はこういうふうに解く、あとの単語は別のやり方で解く、こういうのはフェアなんだろうか。 読む者の意表を突くだけがミステリーじゃない、ははぁ展開が読めたぞ、そら思った通りだ、も面白さのひとつではあろうが・・・。ほぼ予想どおりと読んできて、暗号解読で意表を突かれた。がっかりの意味で。 ワトスンのせっかくの大活躍、恋が実らなかった理由もそんなのありか。もうちょっとラストを盛り上げねば。 | ||||
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メイントリックは実質一個だけ。幻想的でいい謎とは思うけど、全盛期の島田荘司なら短編集のレベル。リーダビリティの高い文章はぐいぐい読ませてくれるが、島田荘司を期待する者としては食い足りないなあ。 | ||||
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