インド倶楽部の謎
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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久しぶりの国名シリーズですね。待っていた人も多いと思います。今回の舞台は神戸。「鍵のかかった男」では大阪、「狩人の悪夢」では京都でしたから順当な順番ですねー、兵庫県警組が好きな自分としても嬉しかったです。兵庫県警組は、京都や大阪の警察よりも火村に頼りきり、って感じじゃなくて自分らで仕事してる感があって好きなんですよね。今回もきちんと仕事してくれました。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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他の方のレビューを拝見しているとすっぱり好みが分かれている感じです。いつも思っていましたが、トリック重視の新本格志向の人は人間性や情緒には重きを置かない、逆に人間ドラマが好きな人はトリック重視には味気なさを感じる、と。この作品はどちらかというと後者の方ではないかと思います。個人的にはとても好みでした。 有栖川氏があとがきでまさにこのことを書いていらっしゃいますが、 「謎解きを興味の中心とし、物語が人工的になるのを忌避しない本格ミステリは、幅が狭くて窮屈な小説と言えそうだが、それでも多様な書き方読み方ができる」 「読者の書評コメントをみかける機会が多くなった。(中略)”ああ、この人は本格ミステリのタイプJとMだけを熱愛して、タイプAとCとRには戸惑い、それ以外は嫌っているな”などと思う。本格から少し踏み出していると”これはミステリではない”と言い切る人もいる」 それらを承知の上で「もっと多様な楽しみ方がある」「作品ごとに本格ミステリとしてのスタイルを変えることを意識している」と書かれています。 で、この作品について。 神戸にはインドクラブという在日インド人のための社団法人が実在していて、併設しているレンタルホールやレストランは誰でも利用できます。タイトルを見た時てっきりそこで殺人事件を起こすのかと思ったのですが、このインド倶楽部は架空のもので、インドに興味がある人たち数人が集まった異業種交流会のようなものという設定です。 話の中心となる「アガスティアの葉」、漠然と内容は知っていましたが、1990年代に日本でブームになったものです。1999年7月に人類が滅亡すると書かれたノストラダムスの大予言などオカルト・ブームの頃ですね。インド倶楽部で、その「アガスティアの葉」に従って前世や運命をみてくれる人物をインドから招聘し話を聞くのですが、後日メンバー2人が連続して殺されてしまうという始まりです。 自分は関西人なので神戸には土地勘があり、頭の中に地図を思い浮かべながら、動き回る火村とアリスのあとを追うのが楽しかったです。横溝正史生誕の地碑のトリビアなども出てきてちょっとした観光案内にもなっています。2人がおいしそうな飲茶やカレーを食べながらいつも通りのコミカルなやり取りをするのもよかったです。 また、野上刑事が奈良の十津川温泉のさらに奥地へ聞き込み捜査に出かけるのですが、交通機関好き、旅好きの作者が思わず顔を出したような描写に親しみを感じました(このあたりも新本格派には不評なのかもしれませんが)。 前世を信じない、捜査の参考になどできるわけがない警察や火村たちが、犯人の心理に立ってその心の動きと殺人の動機を探らねばならない、このあたりが異色の作品でした。こんな話をよく思いついたと思います。最初から最後までとても楽しめました。 | ||||
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・・・二つのダニットを見事に成立させましたね本作。それ故にあまりにも現実離れしすぎた真相であり、些かめまいを覚えたのも事実(作中の警察関係者らに同情を禁じ得ません)。 数多い火村シリーズ中でも、ここまでファンタジックだった作品は稀でしょう。何せ冷徹極める猟犬である火村英生が、作中数度パ二くっていますから…異例中の異例。 それでいて地に足が着いた小説として安心して読めるのは、現実の有栖川有栖が関西都市小説家としての側面があるからではないでしょうか? 個人的に大阪市生まれの大阪市育ちで、現在は兵庫県西宮市在住なんですが、当然のこと神戸の都市描写そのものが日常的風景(背景)に他ならないんですよ、関西の一ミステリファンとしては(京都は門外漢)。 あとがきも異例でしたよね。よく言えば目覚めた、悪く言えば開き直ったみたいな。 ヒンドゥ―教や仏教に由来する輪廻転生なる概念には、部分的に賛同します。昨日・今日・明日のうち今日が全てなる思想は、武士道の葉隠に通じるものがありますしね。 些かうやむやなラストも、作者が「これ以上哲学・宗教に陥ったらヤバイ」と判断した故の冷静な判断だったのではないでしょうか? ・・・嗚呼、面白かった、10数年ぶりの国名シリーズ。生業としてのミステリ、趣味としての文学。両立させるのは胃に穴が穿きかない仕事なんでしょうね、我らが現実の有栖川有栖 | ||||
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インド愛好家のメンバーたちが、ゲストに招待したアガスティア・リーダー。やがて、その夜の死亡予告に合うような殺人事件が起きる…。 国名シリーズはともかくとして、アガスティアの葉、サークル内での人間関係、輪廻転生…等々掴みは面白い。 しかし、肝心の事件は小粒だし犯行動機・真犯人もさほど意外性も無いというか説得力も弱い。最後にもうひとヒネリあるかと思ったのだが…。 それでも有栖川氏の文章は優しく読み易いし、二人の会話も楽しく安心して読める定番シリーズではある。 | ||||
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読み応えがあります。 | ||||
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普段、ミステリなど含めて小説のジャンルはまったく読まないのですが、本書の出だしを少し覗いたところ、読みやすい文章とアガスティアの葉などの題材に惹かれて購入しました。 読み出すと、内容にグングン引かれて一気に読了してしまいました。あまり内容を書くとこれから読まれる方へのネタバレになってしまうので、内容は記載しませんが、「なるほど!これがミステリ小説なのか!」と唸らせる予想外の展開の話で、読後に満足感で満たされました。読みやすい文章で神戸のきれいな街が再現されており、とっても良かったです。 主にスピリチュアルが題材になっているので、小説好きの方だけでなく、そういった方面に興味ある方にもお薦めです! | ||||
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