こうして誰もいなくなった
- 海賊 (66)
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火村もアリスも出てこないノン・シリーズの短編集です。 最初の5作まで軽くてこじゃれたものが続き正直インパクトが弱かったのですが、同じくノン・シリーズで先に出ている「壁抜け男の謎」と同様、さまざまな媒体の依頼で書かれているのでそうなるのだと思います。 たとえば「名探偵Q氏のオフ」はJT(日本たばこ産業)のウェブサイトに載ったもので、そう思いながら読むとタバコが小道具になっているのは納得。他にもラジオ・ドラマ脚本として書いたもの、新聞に掲載されたものなどいろいろです。いつもの通りあとがきで有栖川氏ご自身か解説されているのでそれを見ながら読むと、だからこういう作品になったのかというのがよくわかります。 特に気に入ったのは、 「怪獣の夢」ある男性が昔見た怪獣の夢を2つ思い出すのですが、その部分だけでもファンタジー小説になりそうな鮮やかさで引き込まれました。彼の計算ずくの立身出世物語もまた興味深いです。 「劇的な幕切れ」ネットで知り合った美しい女性と一緒に自殺するつもりだったのに・・タイトル通り意外な幕切れでした。 「未来人F」怪人二十面相のパロディです。ネタばれしそうなので書きにくいですが、作者と作中人物の関係がユニークです。 「本と謎の日々」有栖川氏が本屋勤務だった頃の体験を生かした本屋業あるあるがちりばめられていておもしろかったです。本屋勤めの人はこんなことを考えているんだ、お客さんもいろんな人がいるんだなと思いました。 「謎のアナウンス」あちこちのスーパーで黄色い服の迷子のまったく同じアナウンスが流れることに気がついた男性。それにはどんな意味があるのか?思わず苦笑させられる一編でした。 そしてタイトル作の「こうして誰もいなくなった」、おなじみアガサ・クリスティ作へのオマージュです。クリスティよりだいぶユーモラスな雰囲気ですがおもしろかったです。140ページの長さがある中編です。読み終わった後で気になって原本を再読してしまいました。 いまひとつのものもありましたが、それを補っておもしろい作品が多かったので十分値打ちがありました。買ってよかったです。 | ||||
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2019年に出た単行本の文庫化。 2011-19年に書かれた中短編15話が収められている。 正統なミステリではなく、メタっぽいもの、SF、不思議な話、奇妙な味といった感じの作品が並んでいる。 有栖川作品を読みこんできた読者には、とても楽しい一冊と思う。 「本と謎の日々」が印象に残る。本屋で起こるちょっとした謎が、店長によって鮮やかに解決されていく。 「こうして誰もいなくなった」も強烈だ。『そして誰もいなくなった』を巧みになぞりつつ、まったく違った「読み方」を提示してみせる。 | ||||
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有栖川の非シリーズもの中短編14作を集めたアンソロジー。 表題作はもちろんクリスティの有名すぎる作品をオマージュ、というより、基本構成はそのままにえ~~~っというひねりを足したという感じか。新本格の有栖川が書けばこうなるよなあ、という予想通りの展開で読んでいて楽しい。いいですね。 それ以外の収録作はジャンルも雰囲気もかなりバラバラ。わざとなんでしょう。 個人的には冒頭の1作が、ちょっとしたお楽しみ作品みたいな感じで好み。 逆にそれ以外は個人的にはまあまあこんなものかという感じ。有栖川は基本的に全部読む方針なので、こういうのも読んでおきましょうかというのが感想です。 | ||||
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有栖川有栖が、会社を退職して専業作家となってから30年を記念して発行された短編集です。 表題の「こうして誰もいなくなった」は中編ですが、軽い読み味で、短編集に収めても違和感はありません。 384p以降に「あとがき」があり、それぞれの作品についての作者の思いが綴られています。勿論、全て読み通してから読むのが王道です。 良く出来た短編もありましたが、何だか、はぐらかされた感じを受ける作品もありました。その意味では玉石混交です。短編推理小説集として成り立たせるためには、このような過去の作品を書き集める必要があったのでしょうか。 「こうして誰もいなくなった」のラストはそう来ましたか、という感じです。 途中、様々な作品で使用された「トリック」も良く出来ているものから、無理があるものまでまちまちです。推理小説に必然性という要望を持ち込むのはまずいのかもしれませんが、書かれた「トリック」がどこまで有効だったのか、と思うと違和感が残りました。 もっとも、それらに触れることは全てネタバレになりますので、それについては何も書けませんが。 全般的に少し不思議な状況下におかれた設定の作品が多く、推理小説的な香りよりもそれが勝っていたように思います。ベストセラー作家ですし、様々なタイプの短編を生み出してきたことが分かるという意味もあるのでしょう。 アンソロジーの良さは、違うスタイルの作品に接しながら意外な展開や異なる味わいを得られることにあるのかもしれません。 小説というのは読み手によって感想はまちまちになると思います。次は是非、書きおろしの企画作品で勝負してください。 | ||||
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正直に言いますと、中盤までサクサク読み進めることができなくて、途中で諦めそうになってました。その時は作品の配置順が良くないんじゃないかと思ったのですが、ここに収録されていなくても良さそうな短編が幾つかあるかもしれません。途中で諦める人を出してしまってはもったいない。これから読む方には、面白そうなものから順番を気にせずに読んで頂きたい。 結局のところ、最後まで読み切ることができて良かったです。タイトルにもなっている「こうして誰もいなくなった」や「未来人F」、「まぶしい名前」あたりが好きです。誤解の無いようにうまく表現する自信がないのですが、良い意味でB級作品風。どこかで読んだようなトリック・ギミックで楽しませてくれます。 | ||||
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