46番目の密室



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長編小説

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46番目の密室 (講談社文庫)

2009年08月12日 46番目の密室 (講談社文庫)

日本のディクスン・カーと称され、45に及ぶ密室トリックを発表してきた推理小説の大家、真壁聖一。クリスマス、北軽井沢にある彼の別荘に招待された客たちは、作家の無残な姿を目の当たりにする。彼は自らの46番目のトリックで殺されたのか―。有栖川作品の中核を成す傑作「火村シリーズ」第一作を新装化。 (「BOOK」データベースより)




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46番目の密室の総合評価:7.35/10点レビュー 60件。Cランク


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全9件 1~9 1/1ページ
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

46番目の密室の感想

臨床犯罪学者、火村英生の誕生作ということで読んでみました。やっぱり魅力ある探偵は何か暗い過去を背負い一癖も二癖もある大人がいいですよね。昨今の学園を舞台にした学生探偵に、何となく馴染めないのは歳のせいでしょうか。
いい意味でとても読みやすい作品でした。内容も表現もわかり易く、初心者向けかもしれません。火村英生と作家アリスの人となり、二人の関係性を確認して、次に進む…ためにぜひお読み下さい。
余談ですが、学生アリスシリーズは読破しています。このシリーズ、私が学生時代を過ごしたころの匂いが漂っていてとても好きです。作家アリスシリーズは数冊つまみ読みしましたが、また違ったテイストなんですね。少しずつ読んで行きます。

はつえ
L7BVQMDY
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

いつか書かれるであろう究極のミステリを求めて

作者と同姓同名の登場人物が登場する有栖川有栖氏のシリーズ作品は、その趣向の祖であるエラリー・クイーンと同じくクイーン信奉者で同趣向をシリーズキャラクターにしている法月綸太郎氏と異なり、探偵役は作者と同姓同名の人物ではなく、別の人物が務める。それはデビュー作『月光ゲーム』で登場した英都大学の学生有栖川有栖が登場する、いわゆる学生アリスシリーズでは推理小説研究会の部長江神二郎であり、もう1つが本書がその第1作となる推理作家有栖川有栖が登場するシリーズ、作家アリスシリーズの、臨床犯罪学者の火村英生である。このシリーズはそのまま探偵の名で呼ばれているようだ。

このシリーズは先に文庫書下ろしで出版された2作目の『ダリの繭』を先に読んでいたので、前後したが、これでようやくシリーズの最初から触れることが出来た。

1作目であることから有栖川有栖の自己紹介、火村英生の氏素性、そして2人が出逢ったエピソードなどが語られている。本当に久しぶりの有栖川作品だったので『ダリの繭』に書かれていたかどうかも定かではないが、このシリーズでは有栖川有栖が本名であること(因みに有栖川の姓は日本に1世帯だけ。このことを知っていたら本当にこの設定にしただろうかと訝しむが)、元印刷会社に勤めていたサラリーマンで脱サラして専業作家になったこと、火村英生の肩書、臨床犯罪学者という呼称は有栖川氏の造語であること、2人の出逢いは英都大学学生時代で講義中にミステリの賞への応募作への執筆をしていた有栖川の作品を偶々横に座っていた火村が勝手に読み始め、授業後もその後を続きが気になると云ってそのまま一緒に昼食を食べたのがきっかけであったことが語られている。
この時のアリスが学生アリスシリーズと同設定なのかはまだほとんど2つのシリーズ作品を読んでいない私には不明だが、学生アリスシリーズで江神と学生時代の火村が邂逅するシーンは今後あるのだろうかと期待をしてしまう設定ではある。

そんなシリーズ第1作は日本ミステリの巨匠の別荘に新人の推理作家と担当編集者が訪れ、一堂に会するという何とも既視感を覚える設定で、そして「日本のディクスン・カー」、「密室の巨匠」と称されたその作家の別荘で密室殺人が起こるという本格ミステリの王道を行くシチュエーション。さらにその場所は北軽井沢という寒冷地。嵐の山荘物の様相を呈しているが、流石にそこまでの孤絶感はなく、警察も事件に介入する。

まず推理作家の面々がベテラン推理作家の家に集まる設定から想起されるのは私が読んでいる中では綾辻氏の『迷路館の殺人』だ。あれは家の中が迷路になっており、その中で創作活動を行って師匠であるベテラン推理作家が最も優れた作品と認めた者に遺産の半分を相続するという特殊な状況であったが、本書はそこまで特別な状況ではなく、恒例のクリスマス・パーティーに招かれた若手推理作家と担当編集者がそこで起きた密室殺人事件に巻き込まれる、と実にオーソドックスだ。

まずやはりこの推理作家の巨匠という設定は、本格ミステリをこよなく愛する有栖川氏にとって自身ミステリの知識と興趣をふんだんに盛り込むために用意されたような趣で、作者の夢と理想が散りばめられている。

現在日本のミステリは英訳の他にも各国の言葉に翻訳されて紹介されて好評を得ているが、本書が発表された1992年当時は勿論そんな状況は願うべくもなかった。しかしここに出てくる真壁氏の諸作は英訳されて英米に出版され「日本のディクスン・カー」の称号を頂いており、その名を証明するかのように23の長編全てが密室物と32の短編中22編が密室物とこれまで45本の密室ミステリを書いているという設定だ。
まず世界において「ディクスン・カー」と称されるほど、世界のミステリ界でカーの名が今なお喧伝されているかはかなり微妙でここはまさに有栖川氏の古典ミステリ好きが起こした勇み足のように思えて、思わず苦笑してしまう。

そしてその密室の巨匠が次の作品を持って最後の密室ミステリにすると宣言してから密室殺人が実際に自身の別荘で起きる。それこそは彼が最後の密室ミステリとすると述べていた最後のトリックなのか、つまり「46番目の密室」なのかというのが本書の設定であり、また題名の意味でもある。

そしてその事件を皮切りに表面上は普通に接している彼らの間に男女関係の縺れが実は隠されていたことが判明し、次第にドロドロとした雰囲気を伴ってくる。

まず独身のまま命を絶つことになった別荘の主で推理小説の巨匠真壁聖一の女性遍歴が彼ら彼女らの関係にある翳を落としていると云えよう。

推理作家の高橋風子と男女の関係だったこと、そしてブラック書院の担当編集安永彩子を単なるお気に入りの担当者以上の好意、もしくは関係があったかもしれないこと、そして後輩作家の石町と安永が交際していることを知らされて、嫉妬心が芽生えたこと、石町は実は安永と真壁の関係をそれとなく知っていたかもしれないこと、更に担当編集者の杉井の元妻との間にも男女の関係があり、それが原因で杉井は元妻と離婚したこと、と彼を中心に男女関係の縺れが露見していく。

それに加えて妹の佐智子が多額の負債を抱えた実業家と付き合っており、真壁の資産を目当てにしていたかもしれないこと、そして真壁の遺産はその娘の真帆に相続されることが決まっていることなど金に纏わる諍いの種も次第に解ってくる。

つまり全ては別荘の主、真壁聖一に対して有栖川と火村を除く全ての関係者が何らかの問題を抱えていたことが判明していく。密室の巨匠、日本本格推理小説の先駆は人格的にはなんとも問題のある人物だったのだ。

そしてそれはそのまま真相に繋がる。

私がここで面白いと思ったのはこれはいわゆる雪の足跡トリックの変奏曲であることだ。

セロテープとテグスによって掛けられる掛け金のトリックについては昔山村美紗氏が数多く考案され、もはや化石とみなされている「糸と針金のトリック」と揶揄される機械的なトリックであることは有栖川自身も自覚的で、作中でも「お前がそんなトリックを小説で使えば四方八方から石が飛んでくるんだろうが、」と火村の口から云わせている。
しかし私はこれこそ古今東西の本格ミステリを読んできた有栖川氏のミステリ愛ゆえのトリックだと感じる。彼は廃れゆく、この「糸と針金のトリック」を敢えて復活させたかったのだと。だからこそ探偵役の火村に上のように云わせてでも、敢えて採用したのだと思うのだ。

だからこそだろうか、本書にはまだ若かりし頃の本格ミステリに対して無限の可能性を信じて止まない有栖川氏の本格ミステリへの理想と夢が随所に込められているように思える。

まずやはり冒頭の真壁聖一の存在。世界に認められた日本本格ミステリの巨匠というのは日本の本格ミステリが世界にいつか通じるだろうと信じ、そんな未来を夢見ていた有栖川氏の理想の存在、いや自身が目指すべき目標であるように思える。先にも書いたがそれは現在実現しており、アメリカのエドガー賞に日本のミステリがノミネートされるまでになっている。

次に真壁氏が次の密室物を最後にまだ見ぬ「天上の推理小説」を書くと云った件だ。
これこそ有栖川氏自身の未来への宣言ではないだろうか。
「新本格」という目新しい呼称で十把一絡げに括られているまだ駆け出しの本格推理小説家ではあるが、いつかはかつて書かれてことのない物語を書いてみせる、といった若者の主張のように思える。そして今なお精力的に本格ミステリを著しては発表し、年末のランキングに作品が名を連ねている現状から見ても、この時抱いた有栖川氏の、高みへと目指す心意気はいささかも衰えていないように思える。
巷間に流布する既存のミステリとは異なる次元に存在する天上の推理小説。有栖川氏の定義する天上の推理小説をいつか読みたいものだ。

そして最後はやはり犯人だけが見た、真壁氏が遺した最後の密室「46番目の密室」だ。
犯人は云う。それは「まるで世界が、世界を守るためによってたかって一人の人間を抹殺するかのようなもの」だと。
これもまた有栖川氏が抱く、いつか書くべき最後の密室ミステリなのではないか。そんなミステリを読んでみたいと彼は思い、そして出来れば自分で書いてみたいと思っているのではないだろうか。

と、このようにデビューしてまだ3年の時に書いたこの作家アリスシリーズには本格ミステリ作家となった有栖川氏の歓びとミステリ愛と、そして野心が込められている、実に初々しくも若々しい作品なのだ。

▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.7:
(5pt)

インパクト薄し


 タイトルから期待できるほどの密室物ではありません。 推理作家が集うパーティということでミステリ談議に花が咲きますが、結末は作家たちの深いミステリ造詣とタイトルの期待値からは大きく乖離するものになってしまいました。

 色々と風呂敷を広げた割にミスリード的な役割を果たすこともなく収束してしまった感じ。有栖氏作と言うことで詰まることなく読み終えられたのは評価点ですが展開が坦夷すぎでした。★は5つ

りーり
9EDFH0HC
No.6:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

作中に出ている「Locked Room Murders 」って本が滅茶苦茶気になります

「日本のジョン・ディクスン・カー」とも呼ばれ45作もの密室作品を発表してきた大推理作家が密室で殺害されるというストーリー。

そのタイトル、あらすじに恥じず、作中では終始密室談義が行われ、中でも作中に登場する1000以上の密室トリックを網羅したという実在する書物『Locked Room Murders』には興味を惹かれなかった推理小説ファンはいないでしょう。

……しかし肝心のこの事件の密室トリックは特別面白くも珍しくも無いものなので期待すると肩透かしを食らうかと思います。
総合的に評価して、この作品自体は悪くもないけど良くも無い、ごく普通の推理小説ですね。

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

46番目の密室の感想


▼以下、ネタバレ感想

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カミーテル
MCFS6K6O
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

46番目の密室の感想

作家アリスシリーズの第一作。
ドタバタ冒険活劇となりがちな学生アリスシリーズと比べると大人のミステリという感じがしますが、その分相当に地味です。
派手な演出もなくロジックのみで読者に挑むという作者の姿勢はある意味立派、王道という感じ。
ただ、余程新鮮で面白みのあるトリックを持ってこないと、読者を驚かせるには至らないでしょうね。
個人的に叙述トリック作品が好きだという訳ではないのですが、やっぱり今読むと若干物足りなさを感じますね。

タイトルにある46番目の密室は結局謎のままですよね。
作品内で披露される密室殺人は特に目新しい感じはないですし、火村、アリスによる密室談義が繰り広げられる訳でもないですし、タイトルに惹かれたのであれば肩透かしを喰らうかも知れませんね。

梁山泊
MTNH2G0O
No.3:
(5pt)

46番目の密室の感想

うーん(;´Д`)あまり心には来なかった。

みい
XL0AKYF3
No.2:
(4pt)

46番目の密室の感想

うーん。
久しぶりに正統派を感じる推理小説を読みました。可もなく不可もなく。

ゆー
98N04ZLM
No.1:
(2pt)

残念ながら

タイトルからして、斬新な密室トリックを期待してしまうのだが、有名な古典作品にて見覚えのあるトリックだったのが残念。

Ariroba78
5M53WTS6
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