生ける屍の死



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初公開日(参考)1996年02月
分類

長編小説

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生ける屍の死(上) (光文社文庫 や 26-3)

2018年06月12日 生ける屍の死(上) (光文社文庫 や 26-3)

アメリカはニューイングランド地方の田舎町、トゥームズヴィル。同地で霊園を経営するバーリイコーン一族では、家長のスマイリーが病床に臥しており、その遺産を巡って家中にただならぬ雰囲気が漂っていた。一方その頃、アメリカの各地で、不可解な死者の甦り現象が起きていたのだが―日本ミステリ史を代表する革新的な名作が、全面改稿により今鮮やかに甦る!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

生ける屍の死の総合評価:7.91/10点レビュー 85件。Aランク


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全13件 1~13 1/1ページ
No.13:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想


▼以下、ネタバレ感想

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なおひろ
R1UV05YV
No.12:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想


 アメリカ全土で起こる死者の甦り現象、生と死の境界が曖昧になり「死者」の定義が崩壊する中でパンク青年のグリンもまた屍の仲間入りをしてしまう。 なぜ自分は死ななければならなかったのか、死者が次々と甦る中で起きる連続殺人は何を意味するのか、あらゆる常識を覆した山口雅也氏の伝説的SFミステリ。

 設定は実にシンプル、死んだ人間が生き返ってしまうというただそれだけである。 しかしそれだけで動機、、証拠、あらゆる角度の事件の手掛かりが常識から逸脱してしまう。 そもそも死者が死んでいないような世界になった中で殺人を犯す意味は何なのか、逆説的な謎が立ちはだかる。 非現実的な世界に論理的な解決を、★は7つ。

りーり
9EDFH0HC
No.11:
(7pt)

トリックは斬新

うーんちょっと合わなかったかなぁという印象。深く、難しく、そして何よりも長すぎる印象。蘇る死者を使ったトリックは斬新で良かったのですが、聖書やら言われても知らんし。ちょっとついていくのに肩が凝ったので、次はもう少し気楽なミステリーが読みたいかなぁ。

タッキー
KURC2DIQ
No.10:8人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

死者が甦る世界における殺人の意味とは?

世評高い山口雅也氏のデビュー作。本ミステリで解き明かされる命題は「なぜ死者が甦る世界で、あえて殺人を犯す必然性とは何か?」という非常に難しい問題だ。
そしてその命題を解き明かすための材料として、本作では終始“死”に関する考察が語られる。
“死”とは一体何なのか?では“生”とは?「肉体の死」と「精神の死」。“死”についてあらゆる角度から、西洋医学、東洋思想、キリスト教、仏教初め、世界各地の宗教における死生観、はたまた死学的見地から山口氏は“死”について考察の翼を伸ばす。

前半部は登場人物の一人、死学博士のヴィンセント・ハースが開陳する薀蓄と生ける屍となったグリンとの問答を通じて、山口氏による“死”に関する論文発表の場となっている。
そしてこれらが、最初に掲げた命題への解答となる論拠として色づいてくる。

ここの解答に至るまで、物語のそこここに散りばめられた伏線が確かに寄与しているのは解る。中には単なる洒脱なやり取りだけとしか思わなかった部分がこのロジックを解き明かす糸口になっていたりしている。
しかし、これはけっこう哲学的、観念的な論理ではないだろうか?

本作に収められた密室殺人、ビデオを利用した殺人犯の追究など、黄金時代の本格ミステリの復活を想起させるガジェットに溢れているのだが、結局のところ、これらは何のトリックも含まれない。実は本当に単なるガジェットに終わってしまっているのだ。これが非常に残念である。
630ページのこの作品に込められた衒学満ち溢れたこの物語の、最後を締めくくるにはこの論理だけでは、いささかパワー不足で、カタルシスを得られなかった。

刊行当時の1989年に、死者が甦る世界を舞台に殺人事件を扱ったミステリというその特異性はかなり目新しい物だったのだろうが、西澤保彦、石持浅海らがいる今ではそういった特殊な条件下でのミステリというのはさほど珍しくなくなってしまっている。そして本作のこの設定に関して、そういう世界観なのだとすんなり入り込め、世の書評家が述べているような、どんな手腕を繰り出すのかという興味はそれほどなかったのも一因だろう。

ところで、本作には希代のミステリマニア(賞賛を含めて敢えてそう呼ばせてもらおう)山口雅也氏のエッセンスが凝縮されている。
まずグリンの仇名の由来にニヤリとした。ロスマクの『象牙色の嘲笑』から来ているというのがいい。代表作の『さむけ』とかではなく、云わばどちらかと云えばマイナーな作品を扱ったところにマニア魂を感じる。もちろんそれはこの作品が死をテーマに扱っている事に十分配慮したからこその選択というのも忘れてはならない。
そして『縞模様の霊柩車』ならぬピンクのポンティアックの霊柩車というところもロスマクへのオマージュを感じていいではないか。
さらに霊安室の名前《黄金の眠りの間(ゴールデン・スランバーズ)》はビートルズの名曲。
チラッと出てくるニュース・キャスター、ドン・ランサーはダン・ラザーのもじりだろう。
またびっくりしたのがグリンとチェシャがトゥームズビルに向かう車中でチェシャが読んでいた本が《探偵実話(トゥルー・ディテクティヴ)》だった事。これ、実はこの前に読んだレナードの『ホット・キッド』に出てくるライター、トニー・アントネッリが寄稿していた雑誌なのだ。なんだかこの作品を読むためにレナードの2008年の新作を読むことが運命付けられていたかのような錯覚を覚えた。
そして棺桶暴走列車や霊柩車同士のカーチェイスなど、カーの笑劇(ファルス)趣味を思わせる趣向もこの作家としては自覚的なのだろう。

とまあ、古典を読んできた私にとって、この作品を読むことは読書の至福を味わうひと時であったのだが、それがゆえに一層勿体無い感じがしてしまうのだ。


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Tetchy
WHOKS60S
No.9:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

非現実的な設定ながら説得力のある物語構成の、唯一無二かつ完成度の高い作品

タイトルや表紙から、勝手に硬そうな小説という先入観を持ってしまった作品ですが
「死んだ人間がゾンビになって生き返る世界で、主人公すら途中で死に、ゾンビ状態で殺人事件の謎を追う」
という、独創的かつ非現実的な内容のSFミステリであり、ユーモア要素も強めな作品で、少し長いですが読みやすかったです。

しかし設定こそ荒唐無稽ではありますが、その特殊な世界観を十二分に活かし、また説得力のある形で話が組み立てられ、単に面白い発想だっただけでは終わらない、純粋に本格ミステリとして、非常に完成度の高い作品という感想です。

そうなったのもひとえに、死者が蘇るという現実の常識ではありえないSF設定を用いながらも、「人の生と死」という、極めて現実的なテーマに対し作者が真正面から向き合い、多くの参考文献を用いて入念に物語を練った結果だと思います。
舞台はアメリカであるため、土葬を始めとして日本とは死者の埋葬方法や宗教観などさまざまな違いがあるという点が話の大きなポイントとなっており、作中で語られるその面だけ見ても興味深く、勉強になったと感じる作品でした。
よくある「無駄な」衒学趣味ではなく、物語上、必然性がある知識は純粋に知的好奇心が満たされる上に、物語の深みも増すと感じますね。

キャラクターや展開はコメディチックな部分が多いものの、話のテーマと本筋自体は極めて真面目なストーリーであり、特にラストには少しホロリとさせられました。
可能であれば、欧米のミステリファンにも読んでもらって感想が聞きたいと感じる一冊です。


▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.8:
(8pt)

パズルのような

死んでも甦るという設定が面白い。

わたろう
0BCEGGR4
No.7:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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評価されているほどでは・・・

読み終えるまで大分かかってしまった。
最後、グリンとチェシャのツーショットで終わらせたのは良いが、それで何がしかの感情を呼び起こすには二人の関係性の書き込みが少ないと感じた。
7点。

かいん
AGLSXFF0
No.6:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

生ける屍の死の感想

舞台はアメリカ、登場人物も一人だけ登場する日本人を除いてはアメリカ人の一族が中心となる。
普段あまり翻訳ものを読まない(ここ3年ほどで、「星を継ぐもの」しか読んでいない)ため、日本人作家にも関わらず上記の設定から、はじめはなかなか人物を覚え切れなかったりと、読了までには時間がかかってしまった。
だが、死者が蘇るという、ホラー映画のような設定にも関わらず、悲壮感はなく、むしろ清々しい気持ちで読み終えることができた。
主人公である死せるパンク探偵グリンのキャラクターも好感が持てた。
皆さんの評価が高い理由もよく分かった。

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師匠
ZKU30DY3
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

生ける屍の死の感想

殺されても甦る死者が溢れるパラレルワールドを舞台にした傑作!面白すぎです!

ジャム
RXFFIEA1
No.4:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

生ける屍の死の感想

もっと固い感じの作品なのかと思っていたのですが、基本的にはコメディタッチで軽い雰囲気です。
舞台はアメリカ。
日本人とは少々かけ離れた死に対する考え方や薀蓄が展開されますが、軽い語りがそれを退屈させない効果をもたらしている。
ただ、余りに多い横文字の登場人物の把握に苦しみ、また翻訳調の文体にも苦しみと、その世界に入り込むまでのハードルはかなり高目かも。

「死者が蘇る」という荒唐無稽な現象を前提とした舞台設定。
論理が尊重される推理小説において、それを根底から覆さんとする、リアリティのない言わば超常現象ありきで語られる作品。
これを単なるホラーにもSFにも転ぶ事なく読ませるには、生半可な内容では納得してもらえないところだが、この作品は、このナンセンスな現象を、恐怖を煽るためではなく、何とロジックを成立させるための道具として見事に当て嵌めてしまっている。
宗教がらみで多分に哲学チックな殺人動機など、日本人には中々理解しづらいところはあるのですが、「どう回収するつもりなんだろう」という読中の疑問を想定以上の手法で解決してくれた作者のうまさは、そんな事など忘れさせてくれました。
軽いノリから一転、エンディング近くなってからの、切ない雰囲気もいい感じでした。

正直「異端」です。
しかし、スルー出来ない作品の一つなのではないかと。

梁山泊
MTNH2G0O
No.3:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想

死者が蘇る世界の中での殺人事件。
この特殊設定の中での本格ミステリはとても楽しめたが、
それよりも死についての考え方がとても興味津々に読めました。

日本の火葬と違い、アメリカはエンバーミングを施し土葬します。
なので海外ではゾンビと呼ばれる姿が残った死体があるわけで、
お国柄の違いやそれに接する人々の死の扱いについても改めて考えさせられました。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

生ける屍の死の感想

死者が蘇る世界で起こるとんでもないミステリ。
生きている人と死んでいる人が普通に会話します。

本の名前はよく耳にするので
世界観を楽しむぐらいの気持ちで手に取ったら、
ガチガチの本格ミステリで良い意味で裏切られました。

分厚い本に敬遠してましたが思い切って読んで正解。
めちゃめちゃ面白かったです。

jom
GUZPXBJJ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

死者が甦る

死者が甦るという突拍子もない設定ながら「本格」と評する人が多いことに、納得の内容です。
舞台がアメリカの田舎とのことで、始めは慣れるまで読みにくく感じましたが、受け入れてしまえば、他の文化を知ることもできて良かったと思います。

BLUE SEAL
C9273OIT
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