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生ける屍の死



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生ける屍の死の評価: 8.00/10点 レビュー 13件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全8件 1~8 1/1ページ
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想


▼以下、ネタバレ感想

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なおひろ
R1UV05YV
No.7:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想


 アメリカ全土で起こる死者の甦り現象、生と死の境界が曖昧になり「死者」の定義が崩壊する中でパンク青年のグリンもまた屍の仲間入りをしてしまう。 なぜ自分は死ななければならなかったのか、死者が次々と甦る中で起きる連続殺人は何を意味するのか、あらゆる常識を覆した山口雅也氏の伝説的SFミステリ。

 設定は実にシンプル、死んだ人間が生き返ってしまうというただそれだけである。 しかしそれだけで動機、、証拠、あらゆる角度の事件の手掛かりが常識から逸脱してしまう。 そもそも死者が死んでいないような世界になった中で殺人を犯す意味は何なのか、逆説的な謎が立ちはだかる。 非現実的な世界に論理的な解決を、★は7つ。

りーり
9EDFH0HC
No.6:
(7pt)

トリックは斬新

うーんちょっと合わなかったかなぁという印象。深く、難しく、そして何よりも長すぎる印象。蘇る死者を使ったトリックは斬新で良かったのですが、聖書やら言われても知らんし。ちょっとついていくのに肩が凝ったので、次はもう少し気楽なミステリーが読みたいかなぁ。

タッキー
KURC2DIQ
No.5:8人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

死者が甦る世界における殺人の意味とは?

世評高い山口雅也氏のデビュー作。本ミステリで解き明かされる命題は「なぜ死者が甦る世界で、あえて殺人を犯す必然性とは何か?」という非常に難しい問題だ。
そしてその命題を解き明かすための材料として、本作では終始“死”に関する考察が語られる。
“死”とは一体何なのか?では“生”とは?「肉体の死」と「精神の死」。“死”についてあらゆる角度から、西洋医学、東洋思想、キリスト教、仏教初め、世界各地の宗教における死生観、はたまた死学的見地から山口氏は“死”について考察の翼を伸ばす。

前半部は登場人物の一人、死学博士のヴィンセント・ハースが開陳する薀蓄と生ける屍となったグリンとの問答を通じて、山口氏による“死”に関する論文発表の場となっている。
そしてこれらが、最初に掲げた命題への解答となる論拠として色づいてくる。

ここの解答に至るまで、物語のそこここに散りばめられた伏線が確かに寄与しているのは解る。中には単なる洒脱なやり取りだけとしか思わなかった部分がこのロジックを解き明かす糸口になっていたりしている。
しかし、これはけっこう哲学的、観念的な論理ではないだろうか?

本作に収められた密室殺人、ビデオを利用した殺人犯の追究など、黄金時代の本格ミステリの復活を想起させるガジェットに溢れているのだが、結局のところ、これらは何のトリックも含まれない。実は本当に単なるガジェットに終わってしまっているのだ。これが非常に残念である。
630ページのこの作品に込められた衒学満ち溢れたこの物語の、最後を締めくくるにはこの論理だけでは、いささかパワー不足で、カタルシスを得られなかった。

刊行当時の1989年に、死者が甦る世界を舞台に殺人事件を扱ったミステリというその特異性はかなり目新しい物だったのだろうが、西澤保彦、石持浅海らがいる今ではそういった特殊な条件下でのミステリというのはさほど珍しくなくなってしまっている。そして本作のこの設定に関して、そういう世界観なのだとすんなり入り込め、世の書評家が述べているような、どんな手腕を繰り出すのかという興味はそれほどなかったのも一因だろう。

ところで、本作には希代のミステリマニア(賞賛を含めて敢えてそう呼ばせてもらおう)山口雅也氏のエッセンスが凝縮されている。
まずグリンの仇名の由来にニヤリとした。ロスマクの『象牙色の嘲笑』から来ているというのがいい。代表作の『さむけ』とかではなく、云わばどちらかと云えばマイナーな作品を扱ったところにマニア魂を感じる。もちろんそれはこの作品が死をテーマに扱っている事に十分配慮したからこその選択というのも忘れてはならない。
そして『縞模様の霊柩車』ならぬピンクのポンティアックの霊柩車というところもロスマクへのオマージュを感じていいではないか。
さらに霊安室の名前《黄金の眠りの間(ゴールデン・スランバーズ)》はビートルズの名曲。
チラッと出てくるニュース・キャスター、ドン・ランサーはダン・ラザーのもじりだろう。
またびっくりしたのがグリンとチェシャがトゥームズビルに向かう車中でチェシャが読んでいた本が《探偵実話(トゥルー・ディテクティヴ)》だった事。これ、実はこの前に読んだレナードの『ホット・キッド』に出てくるライター、トニー・アントネッリが寄稿していた雑誌なのだ。なんだかこの作品を読むためにレナードの2008年の新作を読むことが運命付けられていたかのような錯覚を覚えた。
そして棺桶暴走列車や霊柩車同士のカーチェイスなど、カーの笑劇(ファルス)趣味を思わせる趣向もこの作家としては自覚的なのだろう。

とまあ、古典を読んできた私にとって、この作品を読むことは読書の至福を味わうひと時であったのだが、それがゆえに一層勿体無い感じがしてしまうのだ。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.4:
(8pt)

パズルのような

死んでも甦るという設定が面白い。

わたろう
0BCEGGR4
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (3件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

評価されているほどでは・・・

読み終えるまで大分かかってしまった。
最後、グリンとチェシャのツーショットで終わらせたのは良いが、それで何がしかの感情を呼び起こすには二人の関係性の書き込みが少ないと感じた。
7点。

かいん
AGLSXFF0
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

生ける屍の死の感想

舞台はアメリカ、登場人物も一人だけ登場する日本人を除いてはアメリカ人の一族が中心となる。
普段あまり翻訳ものを読まない(ここ3年ほどで、「星を継ぐもの」しか読んでいない)ため、日本人作家にも関わらず上記の設定から、はじめはなかなか人物を覚え切れなかったりと、読了までには時間がかかってしまった。
だが、死者が蘇るという、ホラー映画のような設定にも関わらず、悲壮感はなく、むしろ清々しい気持ちで読み終えることができた。
主人公である死せるパンク探偵グリンのキャラクターも好感が持てた。
皆さんの評価が高い理由もよく分かった。

▼以下、ネタバレ感想

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師匠
ZKU30DY3
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

生ける屍の死の感想

死者が蘇る世界の中での殺人事件。
この特殊設定の中での本格ミステリはとても楽しめたが、
それよりも死についての考え方がとても興味津々に読めました。

日本の火葬と違い、アメリカはエンバーミングを施し土葬します。
なので海外ではゾンビと呼ばれる姿が残った死体があるわけで、
お国柄の違いやそれに接する人々の死の扱いについても改めて考えさせられました。

▼以下、ネタバレ感想

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egut
T4OQ1KM0

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