白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

十三歳で遊女となるべく売られた少女。“緋桜”と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。

東京・葛西のトランクルームから、女性の全裸腐乱死体が発見された。

怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。

誰も知らなかった湯川(ガリレオ)の秘密 南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

放課後の旧体育館で、放送部部長が何者かに刺殺された。

全焼したアパートから1体の焼死体が発見され、放火殺人事件として捜査が開始された。

忌み山で続発する無気味な謎の現象、正体不明の山魔、奇っ怪な一軒家からの人間消失。

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

家庭では暮らせない子どもたちの養護施設「七海学園」で起きるささやかな事件――繊細な短編群が大きな物語を創り上げる、第18回鮎川哲也賞受賞作。

第５７回江戸川乱歩賞受賞作　　　　　　　呪いで人が殺せるか。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

エジプト・ギザの大ピラミッドを原寸大で再現したピラミッドで起こる怪事。

その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。

奈良の山奥、波美地方の“水魑様”を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。

江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。

伝説の名船長・柚木静一郎は最後の航海を迎えていた。横浜への帰路を襲った海賊の罠。

数えるから、足りなくなる。それは、はかなくも美しい、もうしとつの「皿屋敷」。

瀬戸内海の兜離の浦沖に浮かぶ鳥坏島。鵺敷神社の祭壇“大鳥様の間”で巫女、朱音は神事“鳥人の儀”を執り行う。

奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。

神々櫛村。谺呀治家と神櫛家、二つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。

死霊、生霊、鬼などが人々の身近で跋扈した平安時代、妖しのものを相手に陰陽師安倍清明が親友の源博雅と挑むこの世ならぬ難事件

大学を休学し、伯父の古書店に居候する菅生芳光は、ある女性から、死んだ父親が書いた五つの「結末のない物語」を探して欲しい、という依頼を受ける。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

ベストセラー『虐殺器官』の著者による“最後”のオリジナル作品。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

戦国の頃、三千両の黄金を携えた若武者が、七人の近習を従えてこの村に落ちのびた。

瀬戸内海に浮ぶ獄門島-南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。

あと二日で、四人死ぬ―― ミステリ界を席巻した『屍人荘の殺人』シリーズ待望の第二弾! その日、“魔眼の匣"を九人が訪れた。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。

衝撃だった。ここまで悲惨な状況だとは思ってもみなかった。

画家を志す忍は、ある日スーパーで偽札の使用を疑われる。10分前に「自分」が同じ番号のお札を使い、買物をしたというのだ。

1941年12月8日、日本海軍機動部隊は真珠湾を奇襲。

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。

村上和久は孫に腎臓を移植しようとするが、検査の結果、適さないことが分かる。

“犯罪被害者家族の集い”に参加した女性2人の惨殺死体が、東中野の教会で発見された。

カトマンドゥの裏街でカメラマン・深町は古いコダックを手に入れる。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。

史上初！ 最終候補にダブルエントリーされ、「こっちを読みたい！」という声が続出した話題作。

江戸時代のこと――。

「知りたいですか」。郷土史家を名乗る男は囁く。

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。

暗号名ソリッド・スネーク。

「一気に最後まで読んでしまった! これぞリアルの中のファンタジー!」真島ヒロ氏もこう絶賛した傑作長編。

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。