(短編集)

空飛ぶ馬



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初公開日(参考)1989年03月
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空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

1994年03月01日 空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。 (「BOOK」データベースより)




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空飛ぶ馬の総合評価:7.26/10点レビュー 57件。Bランク


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全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

”日常の謎”というジャンルそのものがあまり好きでないと言ってしまえばそれまでなのですが

女子大生の「私」が日常で遭遇する他愛ない謎を、落語家の円紫師匠が見事に解決していく、所謂”日常の謎”ジャンルの先駆け的存在の連作短編シリーズの第一弾。
女子大生の私小説的な形式で話が進み、ミステリというよりも純文学のような雰囲気が漂います。
また直接物語の本筋とは絡まない、落語や文学の薀蓄や衒学的記述が目立つ作品です。

いろんな理由で人を選ぶ作品だと思いますが、私は合わなかった人間です。
まさに上で挙げたようなこの作品の特徴であり、好きな人はそこが好きであろう魅力の部分が私にとっては好みではなかったからです。

女子大生の他愛ない日常も、落語や文学の薀蓄も正直興味が沸きません。
その点でまず、私のような読む本がミステリに偏りすぎているような人間には、面白くないミステリでした。

また、当時は「殺人事件だけがミステリではない、それどころか犯罪ですらない他愛ない日常に潜んだ謎の解決もミステリになる」という、日本のミステリにおける所謂”日常の謎”ジャンルの先駆けでもあることが名作と評価されている一因だと思いますが、それだけに逆に言えば今読んでそこまで特別の斬新さ、出来の良さは感じませんでした。

さらに身も蓋もないことを言ってしまえば、私はこの作品に限らずそもそも”日常の謎”というミステリジャンル自体があまり好きではありません。
やはりミステリは人がぶっ殺されて、いろんな人間のまさに”人生”がかかった物語だからこそ、登場人物も読者も真剣になれて面白いと感じ、”日常の謎”作品に出てくるような他愛ない謎はどうしても「どうでもいい」と感じてしまいます。
”日常の謎”というジャンルはまさにその、誰かの人生がかかっているわけでもない「どうでもいい」謎に純粋な知的好奇心で挑むことが魅力なのだろうと思うので、魅力そのものを否定してしまう私のような人間とはそもそもの感性が合わないのでしょう。

マリオネットK
UIU36MHZ
No.9:
(6pt)

ほっこり

温かいミステリーでした。紅茶に信じられない量の砂糖を入れる人がいたり、車のシートカバーが盗まれたりと、平凡な日常にありそうな謎を軽やかに解決してしまうところに面白さがありました。落語や文学が好きな主人公と落語家の探偵役で構成されていて、洒落た会話が奥深さを感じさせてくれます。

落語には詳しくないのでその設定の分かりづらさが、少し読みにくく感じてしまいました。

陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.8:
(6pt)

空飛ぶ馬の感想

日常のちょっとした謎をテーマにした作品。
そういう意味で、米澤穂信さんの古典部シリーズに似た作品といえるのだが、この作品の場合、謎の向こうには「人間というのも捨てたもんじゃないでしょう」的なものが潜んでいますかね。
そういう意味では、古典部シリーズと比較すると「大人版」という感じがします。
主人公は女子大生なのですが、純情潔白で文学好き、そして落語好きという、少し変わった・・・というと言いすぎかもしれないがちょっと珍しいタイプ。
おかげで青春小説という感じもしませんね。同級生と一緒にいてもどこか冷めているというか、体温を感じないというか・・・
正直苦手なタイプだったかもしれないですね。

ミステリ的な驚きは感じられないですかね。そういうところを狙った作品ではないのかもしれませんが・・・
大衆文学より寧ろ純文学に近いかもと感じました。
ミステリ読みには評価が難しい作品ですね。

梁山泊
MTNH2G0O
No.7:
(8pt)

地味ですが

深いものがありました。

わたろう
0BCEGGR4
No.6:
(9pt)

空飛ぶ馬の感想

「私」と探偵役の噺家春桜亭円紫師匠シリーズ第一作。扉の宮部みゆき氏推奨の言葉がすべてを語ってくれている。導きに使われる「落語」の使い方もお見事。丁寧に描かれる心情や背景、一語一語噛みしめながら読む。「この一文を逃したばっかりに、最後まで謎が解けなかったぁ」的な物が好きなので、まんまとハマってしまった。次作も期待!。

青と碧
2I6G5F32
No.5:
(8pt)

空飛ぶ馬の感想

「私」は19歳の女子大生。
文学部所属で読書を愛する典型的な文学少女である。
落語も好きで、機会があれば見に行っていた。
梅雨のある日、「私」はたまたま早起きし登校するも、講義はあいにく休講。
思わず欠伸をした瞬間、タイミング悪く、近世文学概論の加茂先生に見られてしまう。
少し気まずく思いつつも、加茂先生に誘われ、彼の研究室でコーヒーをいただくことに。
そこで「私」は雑誌「卒業生と語る」の聞き手役を打診される。
卒業生は「私」が追い掛けている噺家春桜亭円紫。
勿論「私」は引き受け、無事雑誌用の座談会を終えた。
その後「私」、加茂先生、円紫師匠の3人で打ち上げをすることに。
ほどよく酔いもまわる中、加茂先生が幼少期の謎「織部の霊」について話し出す。
さっぱりわからない「私」。
しかし、円紫師匠には真相がわかった様子。
北村薫氏デビュー作にして、「私」と円紫師匠シリーズ第一作目。
「私」を取り巻く日常の謎を、「私」の成長と共に解いていく―・・・。

「私」の19歳から20歳にかけての成長を全5編の日常ミステリと共に見守る構成です。
5編はそれぞれ異なる独立した日常の謎である一方、梅雨から冬にかけての一連の流れもあります。
何気ない話の中にしっかり伏線があるといえばありますが、少し想像力も必要かと思います。
日常を「私」の視点で辿りますが、彼女は物事への感想や気付きを、文学作品の引用で表現することが多いです。
探偵役も噺家なので、落語の引用も多々あります。
引用の多さが鼻につくような文体ではないのですが、私自身の教養不足から、想像や共感がしにくいときがあります。
また、「私」は1980年代の昭和の女子大生なので、時代の違いを感じる箇所が多々あります。
女性の社会進出の過渡期なのか、現代より「女のあり方」についての認識や理解が複雑な様子がうかがえます。
「私」は社会に大人と認められる20歳を目前とした19歳の少女です。
知識は豊富でも経験は少なく、初心なところがあります。
大人は子どもと違い、甘くもなければ汚いところも多々あります。
しかし、そればかりでもありません。
5編はそれぞれ異なる色があり、酸いも甘いもあります。
「私」は5編を通じてそれらを噛みしめ成長していきます。
ミステリとしても「私」の成長記としても面白く、「私」の成長を円紫さんと見守りたい一冊です。

▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB
No.4:
(7pt)

空飛ぶ馬の感想

北村薫さん初読了。登場人物の会話が「文系版森博嗣」な印象を受けました。「砂糖合戦」は噂どおりの快作でした。

水生
89I2I7TQ
No.3:
(9pt)

空飛ぶ馬の感想

日常にあるふとした出来事を鮮やかに短編ミステリにしたてあげた北村薫のデビュー作。その後の彼の活躍を知ると、デビュー作にしてこの完成度の高さはさすがと唸ってしまう。その後もシリーズ化されている。小説に日常にはないショッキングな事件を求める場合はまったくお勧めできない。ショートショートが好きで、ほっこりしたい人にはオススメ

poor
AMYMI068
No.2:
(7pt)

空飛ぶ馬の感想

 元祖(?)日常の謎の物語。日常の謎は地味だという印象が抱かれがちですが、本書はそんなことはなく、不可解な出来事に対するヒロインの真摯な好奇心、そして円紫師匠の鮮やかな推理が物語を彩り、本格の醍醐味を見せてくれる一品です

 収録されている5作品の中の私的ベスト1はやっぱり「砂糖合戦」です。序盤から円紫師匠の推理が展開され、すっかりと物語にのめりこんでしまいましたし、真相もチェスタトンのブラウン神父シリーズを思わせるような、あっと膝を打ってしまうすばらしいものでした。

聖水卿
EM682PQJ
No.1:
(8pt)

日常に潜む謎の短編集

普段何気なく生活している中に潜む謎。しかしそれを目にしたときに、謎として捉えるかどうかで探偵になれるかが決まるみたいです。
きっと謎はたくさん散りばめられているけれど、この主人公のようにそこに気がつく人は少ない気がしませんか?
すべてを読んだ後に、ちょっとお腹いっぱいになった気がします。
日常の謎ばかり追い続けるのも疲れてしまう、ということなのかも知れません。
とはいえ、ミステリというジャンルの中で、死体やら殺人やら、と言った単語が一切出てこないこのシリーズ。
どうしてもグロテスクな表現が苦手な私にはぴったりです。

花筏
12TTSXT9
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