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(短編集)

空飛ぶ馬



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空飛ぶ馬の評価: 7.20/10点 レビュー 10件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.20pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(4pt)

”日常の謎”というジャンルそのものがあまり好きでないと言ってしまえばそれまでなのですが

女子大生の「私」が日常で遭遇する他愛ない謎を、落語家の円紫師匠が見事に解決していく、所謂”日常の謎”ジャンルの先駆け的存在の連作短編シリーズの第一弾。
女子大生の私小説的な形式で話が進み、ミステリというよりも純文学のような雰囲気が漂います。
また直接物語の本筋とは絡まない、落語や文学の薀蓄や衒学的記述が目立つ作品です。

いろんな理由で人を選ぶ作品だと思いますが、私は合わなかった人間です。
まさに上で挙げたようなこの作品の特徴であり、好きな人はそこが好きであろう魅力の部分が私にとっては好みではなかったからです。

女子大生の他愛ない日常も、落語や文学の薀蓄も正直興味が沸きません。
その点でまず、私のような読む本がミステリに偏りすぎているような人間には、面白くないミステリでした。

また、当時は「殺人事件だけがミステリではない、それどころか犯罪ですらない他愛ない日常に潜んだ謎の解決もミステリになる」という、日本のミステリにおける所謂”日常の謎”ジャンルの先駆けでもあることが名作と評価されている一因だと思いますが、それだけに逆に言えば今読んでそこまで特別の斬新さ、出来の良さは感じませんでした。

さらに身も蓋もないことを言ってしまえば、私はこの作品に限らずそもそも”日常の謎”というミステリジャンル自体があまり好きではありません。
やはりミステリは人がぶっ殺されて、いろんな人間のまさに”人生”がかかった物語だからこそ、登場人物も読者も真剣になれて面白いと感じ、”日常の謎”作品に出てくるような他愛ない謎はどうしても「どうでもいい」と感じてしまいます。
”日常の謎”というジャンルはまさにその、誰かの人生がかかっているわけでもない「どうでもいい」謎に純粋な知的好奇心で挑むことが魅力なのだろうと思うので、魅力そのものを否定してしまう私のような人間とはそもそもの感性が合わないのでしょう。

マリオネットK
UIU36MHZ
No.2:
(6pt)

ほっこり

温かいミステリーでした。紅茶に信じられない量の砂糖を入れる人がいたり、車のシートカバーが盗まれたりと、平凡な日常にありそうな謎を軽やかに解決してしまうところに面白さがありました。落語や文学が好きな主人公と落語家の探偵役で構成されていて、洒落た会話が奥深さを感じさせてくれます。

落語には詳しくないのでその設定の分かりづらさが、少し読みにくく感じてしまいました。

陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.1:
(6pt)

空飛ぶ馬の感想

日常のちょっとした謎をテーマにした作品。
そういう意味で、米澤穂信さんの古典部シリーズに似た作品といえるのだが、この作品の場合、謎の向こうには「人間というのも捨てたもんじゃないでしょう」的なものが潜んでいますかね。
そういう意味では、古典部シリーズと比較すると「大人版」という感じがします。
主人公は女子大生なのですが、純情潔白で文学好き、そして落語好きという、少し変わった・・・というと言いすぎかもしれないがちょっと珍しいタイプ。
おかげで青春小説という感じもしませんね。同級生と一緒にいてもどこか冷めているというか、体温を感じないというか・・・
正直苦手なタイプだったかもしれないですね。

ミステリ的な驚きは感じられないですかね。そういうところを狙った作品ではないのかもしれませんが・・・
大衆文学より寧ろ純文学に近いかもと感じました。
ミステリ読みには評価が難しい作品ですね。

梁山泊
MTNH2G0O

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