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自己紹介
ミステリが好きになったきっかけ
好きな作品の傾向
オススメしたい作家や小説

レビュー数
119
最近のレビュー
3pt

仮面山荘殺人事件の感想

  () 【ネタバレあり】

富裕層が集う別荘地帯に樫間高之は向かっていた。亡き恋人・森崎朋美の両親の別荘である。久々の再会に喜び、また、朋美の死を悼む男女八人。そこに逃亡中の銀行強盗が侵入した。強盗の監視下、何とか外部との接触を試みるも、ことごとく失敗に終わる。それも強盗以外の者が妨害しているらしい。内の者への疑惑が強まるなか、ついに一人殺された。状況から見て犯人は強盗ではない。さらに朋美の死も殺人の可能性が浮かびだし、皆疑心暗鬼にかられる。はたして犯人は誰なのか―・・・個人的に東野圭吾氏はあまり相性がよくないようです。舞台設定は面白そうで、読んでみたくなります。強盗の監視下という緊迫した状況。さらに密室殺人。しかも犯人は強盗ではない。この舞台設定は面白そうですし、ページ数もほど良いです。しかし、登場人物に魅力がないのか、メインの仕掛けがわかりやすいからなのか。可もなく不可もなく、あまり印象に残らない作品だと感じます。仕掛けが三つとしたら、一つは本人他作品、もう一つは別作家作品で既に見た覚えがあります。目新しいのは強盗の存在ですが、あまり緊張感がなく、展開も読めてしまいます。ラストは個人的には、あまり好きではありません。内容もページ数も良くも悪くも無難で、軽くミステリを読むには良いのだと思います。

10pt

スキップの感想

  () 【ネタバレあり】

昭和四十年代初め、一ノ瀬真理子は十七歳、花の女子校二年生だった。ある雨の夕方、真理子は家の八畳間で一人レコードをかけ目を閉じた。目覚めた世界は二十五年後。一ノ瀬真理子は桜木真理子となり、自分と同じ歳、十七歳の娘がいた。受験、都会での生活、異性との付き合い、そうしたこれから送るはずだった青春の日々。恋愛、結婚、出産、育児というこれから送るはずだった幸せな日々。そうした日々は非情にも、持ち得た記憶も経験もないまま、過ぎ去ったという。一体どうなってしまったのか。世界に独りぼっちだ。しかし、悩み立ち止まっている暇はない。桜木真理子は高校三年生を受け持つ国語教師だったのだ。真理子は自尊心を持って「今」を生きる―・・・とても綺麗な物語です。真理子の紡ぐ言葉や情景はとても清々しく綺麗です。時間ミステリといっても、ミステリ要素は薄いです。確かにミステリな設定ですが、メインは非情な時の悪戯に遭った真理子の生き方だと思います。前半は昭和四十年代から平成へと跳んだ真理子の戸惑いと今後の指針です。急な時代の進化はもちろん、十七歳の心に四十二歳の身体という切なさや桜木家での過ごし方など。後半は桜木真理子が高校教師であることから、舞台が家庭から高校へ移ります。真理子が送れず、今となっては混ざることもできない、青春あふれる高校生活です。しかし、真理子はそれを悲しむばかりではありません。ラストは完全にハッピーエンドとは言えませんが、それでも真理子は強く美しく、そして前向きです。このラストに至るまでの、要所要所の真理子の心情や生徒たちへ向ける言葉はとても美しいです。もちろん、この世界観が合わない人はいると思います。真理子は混乱し醜態をさらすことはあまりありません。そういった真理子の強さは彼女の綺麗さに繋がりますが、そこがリアリティにかけると思う人もいると思います。しかし、私は真理子の感性や言葉の美しさが好ましく思います。個人的にはとても綺麗で素敵な物語だと思います。

5pt

球形の季節の感想

  () 【ネタバレあり】

東北地方の小さな町谷津。男子校二校、女子校二校の四つの高校が居並び、各々意識し合っていた。そんな垣根を越え、各校の生徒が集う部活動「地歴研」。彼らは谷津の歴史等を調査していた。ある日、四校同時にとある奇妙な噂が広がった。その噂のキーワードは「五月十七日」「エンドウさん」。彼らは噂の出所を突き止めようと、四校同時にアンケートを実施した。中々出所を突き止められないまま、噂の日、遠藤という少女が姿を消した。まさかの事態に生徒たちは恐れ慄くと同時に、何かが起こることに期待した。その後金平糖やカセットテープを使った奇妙なまじないが流行り、さらに新たな噂が広まった。一体何が起きているのか―・・・あらすじにはモダンホラーとありますが、ホラーというよりミステリアスな小説です。高校生たちの主観で語られますが、高校生らしい青春の爽やかさはあまりありません。執筆した時代的に、高校生に古さも感じます。しかし、高校生たちの将来や個性に対する焦燥感や不安。何かが起ころうとしていることへの恐れや罪悪感、そして期待感。そうした思いは共感できると思います。設定や導入はとても面白く、続きが気になります。しかし、ラストは少々消化不良です。本作は明確な回答はあまり合わないとは思います。それにしても、あと五十頁くらいほしいところです。そこが前半面白かっただけに残念です。推理要素、スピード感といったものはあまりなく、ラストも消化不良感があります。しかし、設定や世界観が合う人には面白いと思います。個人的には本当にあと五十頁分くらい伏線を消化してくれたら、より面白かったのにと思います。

5pt

黒い家の感想

  () 【ネタバレあり】

生命保険会社の査定主任を務める若槻慎二。彼は日々死に関する書類を見、様々な人種に対応していた。怒鳴りこみ、泣き落とし等々の荒事に麻痺していく中、一本の電話が来た。相手は自殺を考えている様子で、若槻はつい自身の体験談を持ち出し、自殺を止めるよう促した。数日後、見知らぬ客が苦情を入れ、わざわざ若槻を指名してきた。若槻が不可解ながらも苦情処理にあたろうと訪ねた先は「黒い家」。異様な家、異様な雰囲気、異様な臭気、そして異様な住人。住人が開けるよう勧めた襖の先には子どもの首つり遺体があった。自殺と認定されたが、若槻には他殺と思えてならない。そして、この事件を機に若槻の日常が侵食されていく―・・・皆さんが感想で書かれているように、人間が一番恐いと思い知らされる小説です。恐ろしいのはずる賢い人間でも、暴力的な人間でもありません。一見無力な、それでいて道徳心に欠けている人間の方がよほど恐い。規則正しく迫られると、それが日常の一部へとなり、日々意識せざるを得なくなります。静かに、しかし着実に日常が壊れていく恐怖が遺憾なく描かれています。ミステリよりホラーサスペンス色の濃い作品です。個人的には、すごく恐いという評判に期待しすぎたかなという感じです。早々に犯人の予想がつくため、そこに至るまでが少し冗長だと感じます。途中に挟まれる生命保険業界のトラブルや裏事情はリアルで面白いですが。また、私は人間の心理や行動、そして凄惨な遺体の内容より、虫の比喩が良い意味で非常に気持ち悪かったです。貴志作品のホラーの中でも、人間が恐い作品とSF的に恐い作品とがあると思います。人間が恐い作品が好きな方は本作や「悪の教典」。SF的に恐い作品が好きな方は「天使の囀り」や「クリムゾンの迷宮」。前者のタイプが好きな方はとても楽しめると思います。私は割と後者のタイプが好きなので、後者の例にあげた作品の方が面白かったです。しかし、若槻が「悪の教典」のハスミンほどハイスペックではないため、まだ多少は感情移入できます。「悪の教典」ほど好き嫌いはないと思います。期待のしすぎ、および個人的な好みで評価はあまり高くありませんが、新人とは思えないディティールだと思います。

5pt

MAZE[メイズ]の感想

  () 【ネタバレあり】

アジアの果ての荒野に、鉄条網のような植物に守られた白い矩形の建物が存在していた。いったい誰が何のために作ったのかはまったく不明なうえ、いったん中に入ると戻らない人間が数多くいるという。そのため、地元民には「存在しない場所」「有り得ぬ場所」と伝えられ、恐れられていた。時枝満は旧い知人・神原恵弥に、七日間を期限に白い建物、恵弥いわく「豆腐」の「人間消失のルール」を捜し出す安楽椅子探偵を依頼された。満に恵弥、それから軍人のスコットと地元民のセリムの四人は、「人間消失のルール」を導き出し、「豆腐」の謎を解き明かすことができるのか―・・・一見、神殿のようでいかなる宗教とも結びつかない「豆腐」。読み始めは人間消失の謎も「豆腐」の神秘的魅力の一つのように思えます。それが、「人間消失のルール」が見えてきて、異変を感じ始めると、その神秘的魅力は得体の知れない恐怖へと変わっていきます。淡々とした考察は深く考えると恐ろしく、段々ゾワゾワするというか、心臓がキュッとなるというか。そのため、ミステリというより、幻想的ホラーの色が強いと思います。本作は色濃い幻想的ホラーの中に、「現実的な問題」も絡めています。しかし、この「現実的な問題」や、それに伴う終盤の流れは好みがあると思います。終盤は急展開ですし、恐らくわざと曖昧にした箇所もまた、好みがあると思います。明確ではない方が余韻や考察箇所が残り良いこともあります。本作に関しては、個人的に説明不足でせっかく中盤恐く面白かったのに、少し尻すぼみしたなと感じます。しかし、面白くないわけでは決してありません。幻想的ホラーシーンはビックリというか、心底ゾッとする恐さがあります。本格ミステリを求めている方や推理を楽しみたい方向けではないかもしれません。幻想的ホラーの色が強くても構わない方は、全体的には面白く、ページ数も少ないのでオススメです。

8pt

体育館の殺人の感想

  () 【ネタバレあり】

風ケ丘高校の旧体育館で放課後、放送部部長・朝島友樹が刺殺された。朝島が殺されたのは旧体育館の舞台上。舞台は幕が下ろされており、密室状態。警察は唯一一人の時間があった女子卓球部部長・佐川奈緒を犯人と決めつけた。部員・袴田柚乃は何とか佐川を救えないかと悩んだ。そんな中、柚乃は部室に住んでいると噂の、全教科満点を出した天才・裏染天馬の存在に行きついた。噂の部室を訪ねると、そこはアニメグッズの山だった。天馬は天才的頭脳を持つ、どうしようもない駄目人間だったのだ―・・・「体育館の殺人」という一見地味な題です。他の方も指摘しているとおり、実際は「体育“館の殺人”」であり、綾辻行人氏のパロディになっているようです。ライトノベルのような表紙。探偵役はアニメオタクでやる気ゼロの天才駄目人間。個性的な登場人物。諸所に挟まれるオタクネタ。その辺りがとても軽く、ライトノベルっぽいです。特に探偵役のやる気のなさはいかにもな感じがします。登場人物の「個性的」も、例えば綾辻行人氏の描く「個性的」とは大分違います。そのライトノベルっぽさは好き嫌いがあると思います。ミステリの敷居を低くした初心者向けととる人もいれば、オタクネタが煩わしいととる人もいると思います。しかし、推理自体は正統派というか、本格らしいです。「平成のクイーン」は言い過ぎかわかりませんが、展開の仕方は面白いです。探偵役が動機ではなく、あくまで証拠品、遺留品、現場、アリバイ等々から犯人を指摘する流れは良いです。割合フェアなのではないでしょうか。体育館は一見広く開放的な印象です。そこで密室を作るという発想、そして密室をどうやって作るかはとても面白かったです。犯人の動機は正直残念ですが、その後もうひと山あり、ただでは話は終わりません。才能を感じるデビュー作だと思います。平成生まれの作家による本格とはこうなるのかという意味でも楽しめます。

8pt

七年目の脅迫状の感想

  () 【ネタバレあり】

ある日、中央競馬場に一通の脅迫状が届いた。指定するレースの一番の馬を勝たせろ。要求が受け入れられなかった場合、馬伝染性貧血(伝貧)の感染馬が出るだろう。八百長レースなど受け入れられないと、中央競馬会は脅迫状を一蹴した。すると数日後、予告通りに伝貧馬が発生した。事態を重く見た中央競馬会の理事・江戸川は、保安課の八坂に調査を厳命した。八坂が感染馬の発生した北海道へ向かうと、そこには思いがけず見合い相手の堀佳奈子がいた。しかも佳奈子は八坂の行動を先回りしていた。迷った末、八坂は佳奈子と互いの情報を交換し、事件を追ううち、七年前の伝貧発生に辿りついた。はたして七年前に何があったのか―・・・岡嶋二人氏の競馬三部作の一つです。「焦げ茶色のパステル」「七年目の脅迫状」「あした天気にしておくれ」。全て競馬ミステリですが、メインは各々異なります。「焦げ茶色のパステル」は生産システム。「七年目の脅迫状」は保険システム。「あした天気にしておくれ」は馬券システム。そのため、競馬ミステリでも内容は異なり、マンネリ感もありません。競馬や保険の知識がなくても問題なく読めます。八坂と堀も終始冷静で、読者を苛立たせることなく、着実に真相に迫っていきます。まず、どうやって伝貧ウイルスを手に入れたのか。七年前の伝貧発生時に誰がどう関わり何をしたのか。今回の脅迫状の目的は何か。そして、犯人は誰か。一つひとつ、しっかり拾い、調べていくので読みやすいです。脅迫状の目的は予想外で面白いです。しかし、保険の存在が大きく、他二作に比べて馬の印象が薄いです。他二作の方が、「競馬ミステリを読んでいる」感があったと思います。しかし、これは好みの問題かもしれません。良質なミステリですし、ハッピーエンド好きな方にオススメです。

8pt

焦茶色のパステルの感想

  () 【ネタバレあり】

東北の牧場で、牧場長と競馬評論家・大友隆一、サラブレットの母子モンパレットとパステルの二人と二頭が撃ち殺された。数日前、隆一が訪ねた農大講師も殺され、警察は隆一を疑った。しかし、隆一の妻・香苗には納得いかなかった。香苗は競馬の知識はないが、隆一の性格はよく知っていた。隆一は冷たい人間だが、人を殺せる人間ではない。競馬新聞社に勤める親友・芙美子と共に、隆一の行動を辿った。すると、どうやら隆一はパステルについて調べていたらしい。はたして隆一はパステルの何に疑問を持ち、調べ、そして殺されたのか。事件は思いがけず、競馬会を揺るがす恐るべき秘密へと繋がっていく―・・・岡嶋二人氏のデビュー作であり、氏の競馬三部作の一つです。デビュー作にも関わらずかなり完成度が高いです。競馬知識がなくとも、わかりやすく、かつ、くどうないように説明されていて苦になりません。その辺りは、香苗に競馬知識がないという設定が上手く活きています。競馬ミステリといっても、舞台はいろいろです。本作は競馬の生産業界が主な舞台となります。競馬生産業界の特殊で、ときに不条理で非情な面が見えます。それに対する一般人と競馬関係者の認識の温度差は興味深いです。○○ミステリとあっても、脇道に逸れるミステリもありますが、本作は終始競馬について書かれており、それにも関わらず飽きさせません。本作の謎は複数あり、どんでん返しもあります。それらが一見競馬と無関係でも、最後にはしっかり競馬に繋がるのは見事です。ただ、個人的には「明日天気にしておくれ」の方が好きです。好みの問題かと思いますが、純粋に「明日天気にしておくれ」の方が読んでいて続きが気になったなと思います。しかし、本作も十分面白く、良質です。競馬三部作残りの一作も楽しみです。

8pt

極限推理コロシアムの感想

  ()

駒形祥一は目覚めると見知らぬ部屋にいた。そこは窓が一切なく、妙に蒸し暑い館の一室。自身と見知らぬ六名分のネームプレートが付けられた部屋とPC室、そして広場。案の定七名の男女は誰一人顔見知りではなく、訳が分からない状況に険悪な雰囲気が漂った。そんな中、PC室のパトランプが点滅し、唐突に「主催者」が告げた。「夏と冬、二つの館が存在し、同条件下でそれぞれ殺人事件が起きる。自身の館ともう一方の館の殺人事件の犯人を当て、生き残った勝者には賞金を差し上げよう。ただし、相手の館が先に二つの館の殺人事件の犯人を当てた場合、敗者に待つのは死である。」つまり、自身の館の殺人事件を推理するだけではなく、相手の館と交渉し、出し抜かなければならない。はたして駒形は犯人を当て、生き残ることができるのか―・・・いわゆるデス・ゲームものですが、設定が少し工夫されていて面白いです。デス・ゲームにもう一つの館を容易することで、上手く囚人のジレンマを取り入れています。自身の館は館で、正直誰かが死ななければ推理し難い一方で、その被害者は自分になるかもしれない。みんなで推理したいが、誰かが犯人かと思うと、誰を信用していいのかわからない。しかし、相手の館を考えると、協力して出し抜く必要がある。いかに自身の側の情報を伝えず、相手の情報を得るか。一日一人のペースで死んでいきますが、相手の館では誰が死に誰が生き残っているのかわかりません。この情報は犯人候補を絞るには非常に重要であり、どのタイミングで嘘をつくかが鍵となります。個人的にはひとひねりされた設定で、犯人も予想外だったので、面白かったです。しかし、他の方の感想を読むに、なかなか手厳しい評価を受けています。そして、そうした評価はある程度的を射ていると思います。正直、せっかくの設定を活かしきれていない感はあります。相手の館の情報があまりになく、せっかくもう一方でもデス・ゲームが起きているのに勿体ない気がします。また、登場人物に感情移入できない、緊張感が足りないという意見も見られます。デス・ゲームでは多少の疑心暗鬼や空気を乱す存在はわかりますが、それにしてもまるで協調性がありません。ある程度団結して相手の館を出し抜く必要があるにも関わらず。主人公は団結する必要性を自覚しながら、推理はしてもそちらには積極的に動かないので、登場人物の背景や心理がまるで掴めず、死んでもどうとも思えません。本作の設定ならば、もっと相手の館との交渉における心理戦の模様や、犯人がいるかもしれない面子での団結という矛盾への葛藤が書き込まれれば、より緊張感が生まれ面白くなったのではないかと思います。私は犯人が予想外だったのですが、トリックを見破れたらかなり面白味が半減すると思います。正直、大して推理したわけではなく、消去法と運の要素も大きい印象です。それでも、私個人としては面白かったです。そして勿体ない作品だとも思います。メフィスト賞受賞作と期待しすぎなければ、楽しめるのではないでしょうか。粗削り感があるのも、デビュー作と知り納得できます。最後はTo be continuedとあるので、ぜひ同設定のデス・ゲームを書いてほしいと思います。

10pt

孤島パズルの感想

  () 【ネタバレあり】

英都大学推理研究会にアリスが入部して一年。推理研に初の女子部員、有馬マリアが入部した。マリアの亡き祖父は大そうなパズル好きで、孤島・嘉敷島に宝を隠したらしく、推理研は大いに盛り上がった。その夏、江神さんとアリスはマリアの誘いを受け、宝探しに島へ向かった。島には十三名の男女が集まり、各々世俗と離れ、思い思いに過ごしていた。その夜、折悪しく台風が接近し、暴風雨の音に紛れて殺人が行われた。無線機は壊され、船も三日は来ない絶海の孤島で、更に事件は続く。果たして犯人は誰なのか―・・・学生アリスシリーズ第二弾です。フーダニット、ハウダニット、更に宝探し(暗号)と、ミステリ要素盛り沢山です。正直、多くの人がトリックはわからなくても犯人は予想できると思います。しかし、前作に比べ犯人の動機は重く、ストーリーもより洗練されている印象です。途中の謎や伏線等々は上手く回収され、かつトリックやストーリーに組み込まれています。いかにも本格らしく、また割とフェアだと思います。江神さんが論理的に謎を解き明かし、アリスを通して読者に割合わかりやすく説明してくれます。その過程で江神さんの人となりもうかがえます。江神さんは探偵役ながらも、むやみに人の罪を暴こうとはしません。しかし、真相を理解した上で放置はできないという苦悩がしのばれます。江神さんについては解説で光原百合氏がファンレターを綴っています。かなり熱烈なので、それはそれで一読すると面白いと思います。アリスとマリア、二人の距離感は若者らしく青臭くて良いです。凄惨な事件の中に青春の爽やかさを少し漂わせます。前作に比べ非常に洗練され、面白いです。捉えどころのない江神さんの謎、アリスとマリアの今後を含め、次作が楽しみです。


読書数
119
最近の読書で 8pt 以上の小説

A 7.14pt 7.38pt 4.21pt

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。

A 7.00pt 7.36pt 3.69pt

放課後の旧体育館で、放送部部長が何者かに刺殺された。

C 8.00pt 6.00pt 4.14pt

中央競馬会に脅迫状が届いた。「10月2日、中山第10レースの1番の馬を勝たせよ。

B 7.86pt 6.63pt 4.07pt

競馬評論家・大友隆一が東北の牧場で銃殺された。ともに撃たれたのは、牧場長とサラブレッドの母子・モンパレットとパステル。

D 6.33pt 5.36pt 2.73pt

夏の館と冬の館に強制的に集められた男女に「主催者」は命じる。「今から起きる殺人事件の犯人を当てよ」。

A 7.13pt 7.51pt 4.15pt

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。

A 10.00pt 7.78pt 3.08pt

湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。

B 7.00pt 6.03pt 3.48pt

都下郊外の大型商業施設において重大死傷事故が発生した。

A 8.14pt 7.23pt 3.96pt

門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。

A 6.97pt 7.12pt 3.73pt

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館―通称「斜め屋敷」。

B 7.10pt 6.67pt 4.03pt

六つの箱に分けられた男。七つの首が順繰りにすげ替えられた連続殺人。

B 7.67pt 6.94pt 4.17pt

太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。

B 7.78pt 7.13pt 4.30pt

珍しい古書に関係する、特別な相談――謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。

B 8.25pt 6.98pt 3.96pt

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。

B 7.43pt 7.03pt 4.23pt

鎌倉の片隅にひっそりと佇むビブリア古書堂。その美しい女店主が帰ってきた。

B 7.50pt 6.29pt 3.11pt

千年岳スキー場では、奇妙なタイムスリップ現象が噂されていた。そこへ、オーストラリアの日本語学校のグループが訪れる。

C 8.00pt 6.67pt 4.50pt

25の謎であなたに挑戦する、鬼才岡嶋二人の傑作推理短編集。

A 7.68pt 7.69pt 4.12pt

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

B 7.06pt 6.82pt 3.85pt

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。

B 7.50pt 6.93pt 4.20pt

多くの人が出入りするテレビ局から、白昼、売り出し中の歌手が誘拐された。

S 7.60pt 7.85pt 4.03pt

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

A 9.00pt 7.70pt 4.59pt

一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。

A 10.00pt 6.90pt 4.17pt

17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。

C 6.17pt 5.79pt 3.79pt

「マリア様が、家に帰るのはいつか」?謎のメッセージを残して兄は自殺した。

B 7.25pt 7.40pt 4.11pt

小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。

A 7.14pt 7.49pt 3.64pt

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

A 7.48pt 7.16pt 3.74pt

季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。

A 7.54pt 7.22pt 4.17pt

完全に封印され「密室」状況となった館で起こった一族六人殺しの真犯人は、いったい誰だったのか。

S 8.00pt 7.51pt 4.02pt

怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。

C 7.13pt 6.37pt 3.55pt

「普通じゃないのよ、この家は」十字屋敷の主人・頼子がバルコニーから転落死して四十九日。

B 7.00pt 6.25pt 3.80pt

相性診断によって男女を引き合わせるコンピュータ結婚相談所。

C 8.00pt 5.78pt 4.38pt

前作『六の宮の姫君』で着手した卒業論文を書き上げ、巣立ちの時を迎えたヒロインは、出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。

B 7.33pt 7.06pt 4.23pt

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。

B 7.33pt 6.62pt 4.13pt

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

B 7.09pt 6.43pt 3.65pt

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

B 8.00pt 7.18pt 3.84pt

ご存じだろうか。“魔が差す”という瞬間は、たぶんどんな人にも一度や二度は訪れるものなのだ。

B 7.50pt 6.65pt 3.76pt

妙な振る舞いをする女の子、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの大事件……文章修業を始めた駒子が近況報告のように綴る物語は、謎めいた雰囲気に満ちている。

B 7.14pt 6.65pt 3.96pt

轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。

B 7.33pt 6.40pt 4.40pt

「坊っちゃん」の裏に浮かぶもう一つの物語。東京に帰った「坊っちゃん」は、山嵐に赤シャツの自殺を知らされ、再び松山へ。

B 7.63pt 6.79pt 3.83pt

刑務所で作られた椅子に奇妙な文章が彫られていた。

A 7.67pt 7.70pt 4.08pt

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

S 7.93pt 7.66pt 4.56pt

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。

B 6.50pt 6.50pt 4.13pt

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。

B 7.55pt 6.87pt 3.95pt

表紙に惹かれて手にした『ななつのこ』にぞっこん惚れ込んだ駒子は、ファンレターを書こうと思い立つ。

C 6.10pt 6.32pt 2.98pt

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。

A 8.00pt 7.45pt 4.52pt

競馬界を舞台にしたミステリーの最高傑作。北海道で3億2千万円のサラブレッド「セシア」が盗まれた。

A 7.22pt 7.26pt 3.81pt

「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。

A 8.15pt 7.51pt 3.61pt

もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。

B 6.67pt 6.13pt 3.88pt

森の狭間に建つ白亜の洋館。美しく謎 めいた兄弟・実矢(みや)と麻堵(まど)の周囲で相次ぐ奇怪な「死」。

A 7.71pt 7.13pt 4.10pt

あの殺人ゲームが帰ってきた。ネット上で繰り広げられる奇妙な推理合戦。

A 7.44pt 7.20pt 3.94pt

末期ガンに冒された男が、病床で綴った手記を遺して生涯を終えた。そこには八年前、息子をさらわれた時の記憶が書かれていた。

A 8.16pt 7.81pt 4.36pt

200万円でゲームブックの原作を、謎の企業イプシロン・プロジェクトに売却した上杉彰彦。

B 6.70pt 7.16pt 3.79pt

1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。

A 7.98pt 7.51pt 4.23pt

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。

B 6.09pt 6.55pt 3.98pt

名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して―。