白馬山荘殺人事件



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初公開日(参考)1986年08月
分類

長編小説

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白馬山荘殺人事件 新装版 (光文社文庫)

2020年06月10日 白馬山荘殺人事件 新装版 (光文社文庫)

「マリア様が、家に帰るのはいつか」?謎のメッセージを残して兄は自殺した。妹のナオコは友人のマコトと信州白馬の『まざあ・ぐうす』を訪れ、兄の死の真相を探ることに。英国風のペンションに集う、事件に居合わせた人びと――。彼らは何を求めてここに集まるのか? 兄はなぜ死んだのか 密室トリックの謎とマザー・グースの暗号を解け! 読みやすく文字を大きくしリニューアルした長編第一弾。東野圭吾初期の傑作をお見逃しなく!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.17pt

白馬山荘殺人事件の総合評価:7.39/10点レビュー 51件。Cランク


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全6件 1~6 1/1ページ
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オーソドックスな密室トリックものの良さと限界

東野圭吾の初期の長編ミステリー。孤立した山荘での密室殺人とマザー・グースに隠された暗号という、オーソドックスなジャンルに挑戦した、若さと意欲を感じさせる謎解きミステリーである。
白馬にあるペンション「まざあ・ぐうす」で死んだ兄の自殺扱いに疑問を抱いた女子大生・ナオコは、親友であるマコトと二人で真相解明に乗り出した。山の中の孤立したペンションには毎年、同じようなメンバーが集まり、オーナーやスタッフも含めて全員で仲間意識を高めていると知り、兄が死んだのと同じ時期に「まざあ・ぐうす」を訪れる。ペンションの各部屋にはマザー・グースにちなんだ名前がつけられ、それぞれの名前の由来を示す額が掛けられていた。兄が熱心に額を調べ、そこに隠された暗号を解明しようとしていたと知ったナオコとマコトは自分たちでも暗号を解こうとする。そんな中、新たな殺人事件が発生し、二人はいよいよ兄が殺害されたことを確信するようになった・・・。
密室で死んでいた兄の事件の謎を解く密室トリックと、マザー・グースの額に隠された暗号を解くという、ダブルの謎解きに挑んだ意欲的なミステリーである。密室トリックの方は論理的で腑に落ちるのだが、マザー・グーズの暗号はあまりにも飛躍が大きくてすんなりとは納得しずらく、違和感が残るのが残念。
ファンを選ばないオーソドックスな謎解きものなので、ミステリーファンならどなたにもオススメできる佳作である。

iisan
927253Y1
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

主人公コンビの設定が何よりのサスペンス

推理小説としての部分だけを見れば、東野作品の中では可もなく不可もなくといったレベルなのだが、主人公カップル?の設定が何より驚かされた
どうせなら、後半まで読者をだまし続けてたら、さらなるサプライズが生まれたと思った(綾辻行人の「どんどん橋落ちた」みたいに)
ただ、推理小説の内容としては、あまり馴染みのないマザーグースを題材にしているせいか、ストンと胸に落ちる感じはしなかった。
あと、デビュー2作では、ちょっと青臭いエロスを感じさせる部分(動機とか、エピソードとか)があったので、この高校生カップル?にも、少し青いエロスをスパイスとして加味していたら、もっとワクワクする小説になっていただろう
ちょっと後半は詰め込み過ぎ感があるのと、今まで出て来てなかった要素が、こういうことがあった、、、という形で明かされたり、アンフェアな部分もあったが、何より、読み物として、人々の関わり方が生き生きして、殺人や推理などなかったとしても、人間ドラマとして、そこそこ軽く読めるような小説なんじゃないかな

mustang
PCGQIQ4X
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

白馬山荘殺人事件の感想

古い作品ですが、読みやすく
時代も思い出せてよかった。
全体はたいしたことが無く
淡々と話が進んだ感じ。
最後は楽しめました
東野の良さがこのころより
発揮されていることがわかった

jethro tull
1MWR4UH4
No.3:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

意外と骨太

それぞれの人にそれぞれの事情。
約340ページに纏められた本書はその題名から駅の売店で売られている読み捨て感覚のノベルスの1つに過ぎないと高を括っていたが、いやはや色んな謎が重層的に織り込まれたなかなか味わい深い作品だった。

密室殺人の謎、「マザー・グース」の暗号の謎、遠隔殺人トリック、2年前の事故死の謎に加え、ペンション「まざあ・ぐうす」の前の所有者である英国未亡人の自殺の謎と盛り沢山である。
またそれぞれの謎についても1つの真相に留まらず、そのまた隠れた真相と二重構造になっているのもかなり贅沢だ。デビューした作家が必ず通るカッパ・ノベルスでの、所謂『量産物』的作品と位置づけるには勿体無いくらいの満腹感がある。

東野氏は本作で当初叙述トリックを試みようとした節がある。よくあるパターンのトリックなのだが、しかしそれは早々に種明しされる(なんと始まって30ページ弱のところで)。通常ならばこの手法を用いるのにそんなに早い段階で明かさないのだが、恐らく書いている途中(もしくは一旦書きあがった途中)にこのトリックが作品のバランスを欠くものだと判断したようだ。
私は逆にこの判断を尊重する。本作を読むに別に最後の方で明かすことは困難ではなかっただろう。ちょっとしたサプライズとして取っておくことは可能だっただろうが、やはり最後のエピローグまで読むと、この段階で明かすことが賢明だったように思える。この辺の思い切りのよさが単なる「推理」作家に満足していないとの認識を得た。

しかしとは云いつつ、本作のメインの2つの謎―密室殺人と暗号―は結構複雑。
まず密室殺人。過去2作の密室殺人から判断できるように、東野氏の密室殺人は密室が何段階にも分けられて構成されていることに特徴を感じる。最初は開いていた扉が次には閉まっていた、ここが逆に読者を更なる難問へと導くのである。
だからその解明も結構複雑だ。詰め将棋が解かれる様を見ているようである。
しかし、逆にこれが所謂“ファイナル・ストライクー最後の一撃”効果を大いに減じているのは確か。読者はロジックを理解するのに腐心して、カタルシスを感じないのである。
それは「マザー・グース」の暗号にしてもそうである。いやいや、かなり難しい。英文と訳文2つを駆使して、しかもそれぞれの詩の構成を参考にして分解・再構成をしなければならないとくれば、いやもうこれは一種、数学の難問と取り組むのと変わらない趣きがある。

先ほど述べたように、カッパ・ノベルスと云えば出張や旅行の車内で暇つぶしに読むといった感じの蔵書であるから、この作品だと暇つぶしどころか、かなりの頭脳労働を強いられる事だろう。おっとこれは本作の出来には関係のない余計な詮索だった。本筋に戻ろう。

東野氏の作品は物語にコクがあるのも事実で、本作もそれぞれの宿泊客は元よりペンションのオーナーにシェフ、従業員の男女にも深みのあるバックストーリーが用意されている。これが今回のプロットを重層的に構成させるのに大いに貢献しているのだが、このストーリー性とロジックに偏ったトリックとがいささか上手く溶け合っていないように感じる。前2作はまだ良かったが、3作目の今回は特に強く感じた。宿泊客がそんな複雑な仕掛けをするかなぁというのが私の感想である。確かにそれを裏打ちするエピソードも用意されてはいたのだが、1年に一度訪れる現場では準備に苦労するという気持ちは否めない。
しかし、まだ東野ワールド創世記である。現時点このクオリティだから、今後更に大いに期待できるのは間違いない。ああ、次はどんな話を用意してくれるのだろうか。

最後にちょっと蛇足めいた感想を。他の人の書評にもあったが東野氏の過去の作品には昔の時代を感じさせる表現が時々出てくる。今回もあるにはあったが、1つだけ。
数千万円相当の宝石を評して、プロ野球のトップ選手の年棒とあるが、今の数億円プレーヤー頻出の世の中では失笑を免れない表現である。これは次回重版時に削除したらよいかと思うが、どうだろうか?

Tetchy
WHOKS60S
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

「雪の山荘」+「マザーグース」

東野圭吾氏の最初期の作品です。
この時代から長編にしてはコンパクトな分量で読みやすさは抜群な作風は健在です。
その多くはないページ数の中で、雪の山荘での密室殺人という定番の本格ミステリシチュエーションに加え、暗号解読・宝探し要素も加わるなど中々豪華な内容になっています。

ただ全ての要素が正直中途半端といった感じで、密室トリックも暗号解読も既存の作品のアイディアのあまり上手くは無い流用という印象でした。
また見出しの通り、「雪の山荘」+「マザーグース」などという題材は抜群にワクワクさせてくれるものだったのに、自分の好みのクローズドサークルでも見立て殺人でもなかったというのが、個人的にはガッカリでした。

登場人物もみんなあまりキャラが立っていないわりに、マイナスイメージだけははっきり伝わってくる感じでなんかちょっと嫌でしたね。
総合して、駆け出し時代の作品としては及第点という感想でしょうか。



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マリオネットK
UIU36MHZ
No.1:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

白馬山荘殺人事件の感想

一年前の冬、兄・公一が死んだ。
死因は毒薬。
場所は密室。
遺書はなく、不可解な点はあったが、警察は自殺として処理した。
しかし、妹・ナオコは納得出来なかった。
公一は死の直前、ナオコにメッセージを遺した。
「マリア様はいつ帰るのか?」
これから死のうという人間が、はたしてこんなメッセージを遺すだろうか。
ナオコは親友・マコトと共に、公一が死んだペンション『まざあぐうす』を訪ねた。
くしくも宿泊客は一年前と同じくだった。
各室にはマザーグースの歌が飾られていた。
マザーグースの歌に秘められた謎。
ペンションに隠された過去。
一昨年の不可解な事故。
公一はいったい何に興味を抱き、何を知ったのか。
調べる程謎が生じ、全てが怪しく思えた。
そんな中、新たな死者がー・・・

雪の山荘・密室・暗号と古典的ミステリの要素満載です。
古典的ながらもひとひねり工夫されています。
伏線もしっかり回収されています。
東野圭吾氏の作品は綺麗にまとまりすぎて通俗的な印象を受けるものもあります。
本作はまとまっているものの、二重三重の真実は残酷さがあり、良い意味で後味の悪さもあり、良かったです。

しかし、きもち強引と感じる箇所、くどく感じる箇所があります。
マザーグースが本作の鍵ですが、マザーグースに馴染めない方もいると思います。
マザーグース自体が奇妙で、かつ、英文も関わります。
そのため暗号解読は難しく、だれる方もいると思います。

私は古典的ミステリの要素を押さえつつ、ひとひねりされていたため、面白かったです。
犯人の予測はそれほど難しくはありませんが、真相は一つではありません。
そのため、どんでん返しとまでは言いませんが、真相解明かと思いきや、更なる真相が浮かび、飽きることなく読めます。
ミステリ初心者も中堅者も楽しめる作品だと思います。

▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB
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