ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレー



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初公開日(参考)1993年08月
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長編小説

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ブルータスの心臓 新装版 (光文社文庫)

2020年09月09日 ブルータスの心臓 新装版 (光文社文庫)

最新ロボットの研究者であり野心家の末永拓也は、勤務先の創業者令嬢・星子との結婚を目論んでいた。だがある日、遊び相手の康子から妊娠を告白される。困惑する中、星子の兄・直樹から、康子殺害計画を持ちかけられる。直樹もまた康子と男女関係にあり、妊娠をネタに脅迫されていたのだ。綿密に計算された完全犯罪は、無事成功するかに思われたが、驚愕の事態が発生する。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.25pt

ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレーの総合評価:7.27/10点レビュー 59件。Bランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

序盤は『キングを探せ』を想起させるパズル小説

複数の人物が犯罪に加担するが途中で犯人側に不測の事態が発生する、、、。最近、キングを探せのレビューをした際、『疾風ロンド』に似ていると書きましたが、本作こそまさしく類似していました。
『ブルータスの心臓』では、3人の男が死体をリレー方式で運び、アリバイも担保するというもの。本作では第一章の終わりに、犯人にとっての不測の事態が起こります。こういう展開だとおもしろいなと予想しながら読んでいた私は、想像が当たり、思わずニヤリ。さすが東野圭吾、読者を驚かしてくれるなと思いました。
そして、主人公の疑心暗鬼。顔もわからない人物から狙われサスペンスに満ち、これは当たりだと思いました。

ではなぜ私が評価を☆6にしたか。
本作は、殺人リレーに加担することになる主人公の男、同じ職場に勤務する女性社員、事件を捜査する刑事の3人の視点で物語は進められます。なんといっても見ものは主人公の視点ですが、刑事の視点になると、どうも、話が冗長とでもいうのか、すでに読者の知っていることをなぞって事実がわかるのが退屈に感じられました。(これは、キングを探せを読んでいるときも思いました)これが倒叙物の欠点なのでしょうか。それでも刑事の視点に意味があると思い、結末まで読みましたが、やっぱり刑事視点の描写はいらなかったと思います。刑事の口調にも違和感がありました。刑事小説ではないので目は瞑りますが、若手とはいえ、刑事が自分のことを僕なんて言うのかなと。聞込みの前に私的な買物をする描写もどうかと思います。
それから登場人物が多い故に誰が誰だかわからなくなる点。あまり細かすぎる描写は不要ですが、人物の相関関係が複雑で理解しづらかったです。
そして結末の尻切れトンボ感。終盤駆け足になって、これで終わりなのと唖然としました。皮肉ある結末でしたが、では最後の、専務と宗方のやり取りは、なんだったのだろう。ひたすら上を目指し、逆玉の輿を狙い、関係を持っていた女性を捨てるという非情な男が、簡単に見捨てられるという、これまた皮肉なのだろうか。
第一章を読んだ時点での期待との落差があり、少し残念でした。

bamboo
NU17PFML
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

題名の意味が解りそうで解り難い

今回は犯罪者側から物語を描いた、いわゆる倒叙物である。
こういう倒叙物であれば、作品の主眼というのは完全犯罪を目論む側に不測の事態が起きて、果たして犯罪が成功するか否かに終始する。つまりこの作品で云えば死体移動中に事故が起きたり、共犯者がいなかったりと殺人リレーが成立か否かに焦点を当てて、スリルを描く事も出来るのだが、それを東野氏はそこをさらりと流す。
実に魅力ある設定を惜しげもなく使い捨てるとまで云ってもいいくらいだ。

で、東野氏が選んだストーリーとはなんと拓也が受取った死体が計画立案者である仁科直樹その人だったという仰天の展開。
そして物語は犯行を行った側と捜査する警察陣の両側面から推理する形で描かれる。
すなわち、「誰が仁科直樹を殺したのか?」

なんとも実に物語としてツイストが効いているではないか。
ここに東野圭吾という作家の非凡さが現れている。

さらにこのような展開をもたらす事で、物語は仁科直樹殺害犯人の捜索に加え、末永拓也の当初のターゲットである雨宮康子の殺害計画の再考も語られ、物語が重奏的に進行する。
こういった類いの趣向は以前にも『鳥人計画』でも見られたが、あの作品では犯人役である峰岸の犯行自体も謎であり、動機なども最後の方で判るのだが、今回は極めてシンプルに動機も犯行方法も第1章で全て詳らかにされるのが特徴だ。これだけ冒頭で手札を晒しつつ、先を読ませない展開で読者を引っ張っていくのだから、本当にこの作者はミステリ・マインドに溢れている。

そして本作の主人公となる末永拓也は完全なる左脳型思考の人間で、生まれ育ちの悪さをバネにして、一生懸命勉強し、独力で成り上がろうとする野心家だ。
人生の敗北者のような父親に育てられた彼は人間としての情よりも、理論を愛するようになり、とりわけミスをしないロボットにのめり込んでいる。だから彼は装飾品や絵画など芸術には一切の関心を抱かない。また自分の出世の道に邪魔になる者は、自ら排除するのも厭わない冷血漢である。
今までの東野作品では、どこか感情面で欠落した人間がいたが、本作もその型の人間である。ただ今までと違うのはこの人間が罪を暴く探偵側の人間でなく、犯行に加担する悪側の人間だというところで、共感は持てないにしろ、物語の主人公としては違和感なく受け入れる事が出来た。

また第2の、橋本が密室で殺される事件など作者はすぐそのトリックを明かしてしまう潔さには驚いた。まるでそこに主眼がないかのようだ。私でもトリックがすぐに解っただけに、謎を持続するには弱いだろうと作者自身も思ったのだろう。
逆に云えば物語に更なる謎を付け加える要素として使ったことで逆に謎が深まった事は確かだ。

今回はなんとしても東野マジックに引っかからないようにプロローグについて常に注意を払ってきたのだが、それでも無駄に終わってしまった。しかしこの展開はさすがに読めない。
やはり東野作品とは犯人探しや動機探しを行う物ではなくて、作者が周到に隠したバックストーリーを作者が1枚1枚、ヴェールを剥がすように読者に知らされる経過を楽しむものなのだろう。

さて本作のタイトルとなっている「ブルータス」とは末永が開発した産業用ロボットの名前である。人間でも難しい精密な動きをするこのロボットは末永の技術の粋を尽くして作った最高のロボットである。しかしだから本作のタイトルとして相応しいかというとそうでもない。
特になぜ「心臓」なのか?やはり今回も東野は題名に無頓着だったのかなと苦笑してしまった。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

事件の動機が弱いものの

最下層ともいうべき境遇から必死で這い上がり、大企業のオーナーの娘と結婚するという“逆玉の輿”を目指したロボット開発者の栄光と挫折の物語。主人公の“鼻持ちのならなさ”が抜群で、その意味ではよく書けている。周辺の人物や警察も、やや類型的なところはあるが、巧みな人物描写で読ませる。さらに、犯罪トリックや捜査陣の追及も論理的である。
それでも何か物足りなさを感じ、評価を下げさせたのは、根本的な殺人の動機が弱いこと。さらに「完全犯罪」という割には偶然に頼ったところが見受けられ……ちょっと残念だった。
しかし、軽めのミステリーとしての合格ラインには到達した作品だと言える。

iisan
927253Y1
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレーの感想

エリートの転落劇を描いた物語。
会社の偉い人の末娘の婿養子候補、玉の輿狙いのエリート主人公、同じく婿養子候補でこれも玉の輿を狙う同僚、そしてその末娘の腹違いの兄。
更にこの男3人と関係を持ち子供が出来たと3人に迫る計算高い女。
3人の男が共謀して女を殺そうとする物語ですが、人間の内面にある醜く、黒い部分にスポットを当てる東野氏お得意のパターン。
それにしても、主要登場人物にろくな奴がいないというのは・・・
主人公が加害者な訳で、しかも動機が不純、共感できるか否かという次元では無いです。

アリバイ工作のため、殺す係、運ぶ係、遺棄する係と役割分担を行い大阪-名古屋ー東京を結ぶ完全犯罪リレーをスタートするが、運搬役が車の中に殺害役の遺体を発見してしまう。
プロット自体は、非常に面白く、一気に魅了されてしまうだけのものではありました。
正直私も前半戦はかなり引き込まれました。
ただ、完全犯罪、しかもそれがエリート達の仕組んだものであるなら、いとも簡単に加害者側が窮地に追い込まれる展開となるのは如何なものか。
個人的な意見になるが、エリートを「悪」とするなら、それは手強い「悪」でいて欲しい。
その方が後読感がいいので・・・
感情移入できない悪人が窮地に追い込まれ苦悩する姿を序盤から延々と描かれても・・・
残念ながら、ページが進むにつれて興味が薄れていってしまった。


▼以下、ネタバレ感想

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梁山泊
MTNH2G0O
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.55:
(2pt)

ひょっとすると東野圭吾の古い作品は

最後一気に駆け抜けすぎて尻切れトンボになる作品が多い?道中はともかく、最後がちょっと期待外れ。
ブルータスの心臓 新装版 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:ブルータスの心臓 新装版 (光文社文庫)より
4334790852
No.54:
(5pt)

「ブルータス。お前もか!」の如き鮮やかなエンディング

「ブルータス。お前もか!」の如き鮮やかなエンディング。巧い。感服します。強く薦めます。
ブルータスの心臓 新装版 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:ブルータスの心臓 新装版 (光文社文庫)より
4334790852
No.53:
(4pt)

先が読めない内容

なかなか展開が読めず、最後はこうつながってくるのか、というさすがの一冊。
ロボットとの関係性の立場による差も面白い。
ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)より
433471739X
No.52:
(3pt)

やめられない止まらない

途中で置くことなく、一気に読んでしまいました。読みやすい文体、次々に展開していくプロット。
ただ終わりがあまりにも呆気なくて、読み終わった後は放り出されたような気持ちが残りました。『白夜行』の読後感の似ているような。
それから読んでいる中で最も興醒めしてしまったのは、タイトルにも使われている『ブルータス』が登場したシーンです。なぜブルータスなどという名前がつけられたのか?名付け親の無知もしくは矛盾が感じられました。
ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)より
433471739X
No.51:
(3pt)

グサッドロッ

最後が怖かった。血なまぐさい………
ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:ブルータスの心臓―完全犯罪殺人リレー (光文社文庫)より
433471739X



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