鳥人計画



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初公開日(参考)1989年05月
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長編小説

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鳥人計画 (角川文庫)

2003年08月01日 鳥人計画 (角川文庫)

「鳥人」として名を馳せ、日本ジャンプ界を担うエース・楡井が毒殺された。捜査が難航する中、警察に届いた一通の手紙。それは楡井のコーチ・峰岸が犯人であることを告げる「密告状」だった。警察に逮捕された峰岸は、留置場の中で推理する。「計画は完璧だった。警察は完全に欺いたつもりだったのに。俺を密告したのは誰なんだ?」警察の捜査と峰岸の推理が進むうちに、恐るべき「計画」の存在が浮かび上がる…。精緻極まる伏線、二転三転する物語。犯人が「密告者=探偵」を推理する、東野ミステリの傑作。 (「BOOK」データベースより)




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鳥人計画の総合評価:7.29/10点レビュー 70件。Bランク


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全8件 1~8 1/1ページ
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

主人公らしき人がいない

今回は、デビュー作から読んで初めて、かなり早い段階から犯人を明かしている。
それ以降は、どうやって殺した?アリバイは?動機は?というポイントを解明していく初めてのパターン
だんだんと新事実、新たな重要人物などが出て来て、完結に向かう、、、と思われたが
方法や動機が解き明かされたあとに、、、(以下ネタバレに)

▼以下、ネタバレ感想

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mustang
PCGQIQ4X
No.7:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

天才を見事に描いてはいるのだが…

今回の謎は大きく分けて三つある。
まずは通常のミステリに倣い、楡井殺害に関する謎。どうやって楡井に毒を飲ませたのか?犯行の動機は?
二番目は峰岸を犯人だと告発する者の正体。これは犯人側峰岸が探る謎だ。どうして告発者は自分が犯人である事を見破ったのか?
そして最後は題名にもあるように、本編のモチーフであるスキージャンプに関する謎。日星自動車の杉江翔は一体どのようなトレーニングをして飛躍的にジャンプ能力を伸ばしているのか?

東野氏のミステリの優れたところはこういったモチーフが非常に魅力的な謎を伴っているところにある。今まで色んなスポーツを物語に扱ってきた東野氏だが、本格的にそれをミステリに融合させたのは『魔球』だったように思う。須田武志が最後に放った魔球の正体とはなんだったのか?これが一連の殺人事件と平行して語られる。
『魔球』は今にして思えば、本作へ先鞭を付ける足がかり的な作品だったのかもしれない。今回はジャンプを高感度カメラによる連続飛形モデルの加速度経時変化の力学解析、それを基にした水平方向、鉛直方向の加速度推移グラフといった科学的データを実際に提示して謎の解明を行う。魔球は一種特異体質とも云うべきその人しか出来ない球の握り方という具体的ながらも科学的根拠不明瞭なところに留まっていたのに対し、今回はかなり実践的な領域まで踏み込んでいるのが大きい。だからといって『魔球』が決してその真相について肩透かしを食らうような物ではなく、本作を読んだあとではこちらの方がより具体的に謎解きを行っていると云っているだけだ。

今回読んだのは角川文庫版で、どうやら新潮文庫版から一部改訂されたらしい。どの部分が改訂されたのかは読み比べてみないと解らないが、恐らくこの科学的分析は原版でもあったのだろうと思われる。
また平成の世になり、スポーツ工学の進歩は目覚しい物がある。マンガ『Dream』でも変化球に対するメカニズム―シームと呼ばれる縫い目の握り方による回転のかけ方の違い、それによる空気抵抗の流れ、抵抗力により減速していく際に生じる球の不規則性、etc―が具体的に書かれるくらいだ。恐らく『魔球』発表当時はまだそこまで変化球に関する考察・分析が具体的に成されていなかった事は容易に推察できる(なんせ昭和63年の作品だ)。
おっと横道に逸れてしまった。本題に戻ろう。

日星自動車のチームが導入した方法というのは「サイバード・システム」と呼ばれるシミュレーション装置。これは擬似ジャンプ台で、5mの長さの板にローラーが付いてあり、これが角度を自在に変えられるようになっている。被験者はローラースキーを履いてクレーンで吊られた状態でこの上に乗り、そのまま滑空する。ジャンプ台はその速度・時間に合わせて角度を変え、あたかも本物のスキージャンプ台のようになり、踏み切りまでできるという物だ。
しかし、この装置の目玉はそんなところにない。理想形とされるジャンパーの飛形をインプットし、被験者に信号を送ることで矯正し、理想のジャンプを形成する事が出来るのだ。しかしその矯正方法に問題がある。理想飛形と異なる姿勢が発生すると被験者に不協和音が奏でられ、不快感をもたらす。被験者はこれを聞きたくないために矯正せざるを得ない。しかしその不協和音は人間の無意識の領域に記憶され、ラジオの音波の雑音で突発的行動を起こす副作用がある、とまあ、これが東野圭吾氏が考えた「鳥人計画」なのである。
電気系の大学を卒業し、電機メーカーに就職した東野氏の特色が非常に色濃く出た発想、テーマではないか。

そして本作発表から20年を経た21世紀の現代、このような訓練方法は採用されているのだろうか?このような大掛かりな装置が果たしてあるのだろうか?
私は意外に在ってもおかしくないと考える。
私はこれを読んだ時に映画『ロッキー4』を思い浮かべた。ソ連のサイボーグボクサー、イワン・ドラゴだ。彼もまた当時の科学の粋を結集して“作られた”ボクサーだ。東野氏の造語に倣って云えば、“サイボクサー”だ。育てる選手の身体に無数に付けられた電気コード、これはまさにこの映画で行われたドラゴのトレーニング風景そのものである。恐らく東野氏はこの映画をヒントにこのストーリーを考えたに違いない。『ロッキー4』の公開が85年、つまり昭和60年であるから、一応符合する。またこの映画では筋肉増強剤も併用されていた。

本作にて作者が云うように、一流のスポーツ選手というのは完璧無比なる強さを求める。それが故にドーピングなんかに手を出すのだが、彼ら・彼女らは確かに「バレなければやってもいい」、「みんなやっている事だ」といった割り切りがあるのだろう。競争心が歪んだ形で欲望に変異していくのだ。それはもはやスポーツが一個人の理想の追求や求道精神だけに納まらない莫大な利益を生む一大産業となっているからだ。
フローレンス・ジョイナーが早死にしたのも、当時“バレなかった”ドーピングの副作用によるものだろう。それでも人は強さを求める。そのために自分の身体がどうなろうが、構わないのだ。

世の中、要領のいい奴はいる。私などコツコツやるタイプだから、労力をかけずに上手くやる人間や、人の結果をそのまま転用して自分の成果とする人間に対して確かに悔しい思いがする。「何なんだ、あいつは」と確かに思う。
しかし殺意とこれとは別だ。それは私が犯人のようにある物事に人生を賭けていないかもしれないが、それでも他人は他人、俺は俺だと云い聞かせる自分がいるように思う。そこがどうしても共感できなかった。犯人が恐れたのは自分の人生の意味の喪失であり、片やこの私は普通、人生に意味などない、自分に迷いや悩みが生じたときこそ、人は人生に意味を求めるという観点に立っているから、これは当然の結果だろう。この共感の度合いこそが作品に抱く思いの強さに比例するから、本作はしたがって星7ツなのだ。

また唯一本作において推理に参加できる告発者の謎(実はこれも2つあるが前者の方)だが、これが解けなかったのが残念。うっかり読み通してしまい、最後の方で十分読み返すことが出来なかった。これは素直に悔しい。

最後に本作にて語られる楡井の人物像について。この不世出のジャンプの天才が天性の陽気さを放つ人物として語られる。周りにかけられるプレッシャーをそれとも気付かず笑い飛ばす、一種天然ともいえる陽気さ、そして常に話している内容は論理的でなく、イメージ先行型で、周囲の人は理解が出来ない。しかしここにこそ私は東野氏の上手さを感じた。
元巨人の長嶋茂雄氏が高橋由伸氏が入団したての頃、バッティングの指導をしたエピソードを思い出した。長嶋氏の指導は身振りを交えて次のようなコメントしたという。
「バッと来た球をバッと打つんだ」
そして高橋氏はそれが解ると云ったらしい。
天才には詳しい説明など要らないのだ。天性の感覚で感知するイメージを伝えるだけで天才同士は通じるのだ。そしてその感覚は私も解る。いや私が天才だといっているわけではない。あるレベルにいる物が体験するゾーンという物がどんなものにも存在する。それは決して説明のできる物ではない。感じるものなのだ。

そんな部分も含めてこの本はかなり色んな要素が込められている。
しかし惜しむらくはそれでもなお、こちらの意にそぐわなかった事。それはほんのちょっとの違いなんだけど。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.6:
(3pt)

鳥人計画の感想

こないだ読んだ小説のあとがきにこの本の事が書いてあったので
読んでみた。
内容を全く知らなかったが、ちょうど冬季五輪をやっているときで
楽しく読まさせていただきました。
おもしろい構成を狙ったのでしょうが
今の時代では残念。
東野圭吾を全部読もうと思う人以外は
読まなくても良い内容です。
発表された頃に読んでいれば評価は変わっていたでしょう。

jethro tull
1MWR4UH4
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

鳥人計画の感想

解説にもあるように、物語が始まって数ページで殺されてしまう被害者を除くとキャラの立った登場人物がいない。
序盤で犯人が明らかにされる倒叙型の様相を呈するも、その犯人にしても目立ったキャラでもないわけで、やはりというか中盤にあっさり逮捕されてしまう。
密告者は誰だとか動機は何だという問題は残るものの、作者を考えるとそれで残りを費やして終わるわけないはずで、まだ何かがあるはずと容易に想像できる。


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梁山泊
MTNH2G0O
No.4:
(4pt)

鳥人計画の感想

スキージャンプ中に殺人事件が起こった話で、2時間サスペンスドラマの雰囲気は否めない。
名作の多い東野作品の中の読まなくていい本の一つです。

フレディ
3M4Y9ZHL
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

鳥人計画の感想

あまりミステリーっぽくないタイトルと帯の煽りでしたが、中身は普通に毒殺ミステリーでした。
途中から犯人視点になります。
筆者得意の科学的な要素が散りばめられた、スポーツもののお話です。個人的には若干SFチックだなあと思いましたが、トリックには関係しないのでSF要素が苦手な人も大丈夫だと思います。
読んだ後、色々考えさせられる少し悲しい終わりでした。

西村
GF2YS3YD
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

鳥人計画の感想

まぁまぁ読めた。
自分の犯行を密告した探偵探し。最後の最後まで一筋縄ではいかない所が面白かったです。

Umosuke
R5IJL8HR
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

スポーツ科学の話

平凡な感じは否めないが、謎が散りばめていて、なかなか楽しめた。
個人的にスポーツにあまり関心がないので、
スポーツ科学のくだりははじめて知ることも多く、
そういう視点でも良かったと思う。
だが、読んだ後に物悲しい気持ちになる話。

風の森
8BZ4CWPR
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