パラドックス13



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初公開日(参考)2009年04月
分類

長編小説

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パラドックス13 (講談社文庫)

2014年05月15日 パラドックス13 (講談社文庫)

13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。世界が変れば善悪も変る。殺人すらも善となる。極限状態で見えてくる人間の真理とは。 (「BOOK」データベースより)




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パラドックス13の総合評価:7.03/10点レビュー 302件。Bランク


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全11件 1~11 1/1ページ
No.11:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

刑事、会社の重役とその部下、老夫婦、やくざ、女子高生、看護婦、主婦とその子供、ニートの若者。貴方はどのタイプ?

東野圭吾氏によるSFサスペンス長編。3月13日13時13分13秒に起きたP-13現象なる超常現象で世界中の人々が一部を除いて一瞬にして消失するパニック長編である。

まず驚いたのはP-13現象が起きた後の世界ではほとんど全ての人間が消失し、運転していた車がところどころで衝突し、事故の山を築き、飛んでいた飛行機もまた墜落している、まさに地獄絵図のような状況が繰り広げられることだ。
私は最初この情景描写を読んだ時にアメリカドラマの『フラッシュフォワード』を想起したが、その後度重なる巨大地震と集中豪雨で川が決壊し、地震と重なった起きた津波の描写で東日本大震災を想起した。
しかし本書は2009年4月に刊行された作品で東日本大震災は2年後の3.11なのだ。まさに本書で描かれた状況は当時の被災地の人間が体験したそれのように思えるのだ。
『天空の蜂』もまた3.11で起きた原発事故を予見するような内容だったが、それに加えて被災地の状況をも予見した作品として読むと驚愕に値する。

そしてほんの十数人を残して消え去った人々の世界を東野圭吾氏は持ち前の想像力とシミュレーション力で克明に描いていく。食糧危機にライフラインの根絶、あまり小説で描かれない登場人物たちのトイレ事情なども忘れずにきちんと書くところがこの作家が他の作家とは一線を画した存在であると云えよう。実にリアルである。

最も印象に残るのは度重なる危難の際に集団のリーダーとして皆を先導する久我誠哉の冷静な判断だ。

翻って腹違いの弟冬樹は感情に任せた判断をしては兄の誠哉に諌められる。しかし冬樹の判断こそが通常我々が陥る一般常識だ。

しかし有事の時はその常識が役に立たなくなる。

例えば1人の死にかけた人間が出れば、可能性がある限り、一命を取り留める措置を全力でするのが常時だが、未曽有の災害が起きた時では助かるか解らない1人のために全員を犠牲にするわけにはいかないから、見殺しにすることが求められる。

これまで自分が絶対だと信じていたものが、次々と壊れていくのを彼は感じていた。

これは冬樹の心情を表した作中の一文だが、実に正鵠を射ている。

もはや国家と云う拠り所が無くなった状態では今までの道徳や決まりごとが無意味となり、彼らが最大数で合致する価値観に添って物事が決められる世界になることを節目節目で語っていく。

ただ一方で冷静に判断を下していた誠哉も理性や論理だけでは全てが解決しないことを知らされる。

皆がインフルエンザに次々に感染していく中、冬樹はタミフルを飲ませるために嵐の中、病院に取りに行くという一か八かの賭けに出る。幸いにして満身創痍になりながらもその試みは成功するが、それは常に皆の安全を考えて消極的に行動する誠哉にはできない事だった。

つまり常に安全圏にいては何も変わらず、ただ死を待つだけであり、時にはリスクを抱えて行動しなければならない事、そして人間はその意志の強さで思いも寄らない成果を挙げることを誠哉は目の当たりにするのだ。

そして次第に誠哉の論理的思考はエスカレートしていく。
極限状態の中、もはや生存者が彼らだけとなった事実を突き付けられた後、誠哉は残された人類だけで繁栄する方法を披露する。それは皆がアダムとイヴとなって子孫を増やしていくという選択だった。流石に好きでもない相手とセックスは出来ないと女性陣は皆、強い拒絶反応を示し、それが仲間たちの団結に亀裂を生じさせてしまう。
皆がそれぞれの考えで生き方、死に方を選ぶようになるのだ。つまり論理的思考が全てではなく、理屈では割り切れない物が人間にはあるのだ。

論理的思考型人間の久我誠哉と感情的行動型人間の弟冬樹の2人を対照的に描くことで物語に起伏を、そして読者の思考に揺さぶってページを繰る手を止めさせない東野氏の筆致に改めて感心した。

『プラチナデータ』の時も思ったが東野氏のSF物は結末が正直に云ってカタルシスに欠ける結末が多い。

本書でもP-13現象によって図らずも並行世界に取り残された面々は再び起こるP-13現象で救われるわけではない。いや並行世界で死んだ者は揺り戻しによって再び亡くなり、生き長らえた者たちのみ死を免れるのだ。このドライさが何とも云えない苦さを後味として残す。

本書のキーワードは一同のリーダー格である久我誠哉が苦難に見舞われた時に呪文のように唱えるのが「天は自ら助くる者を助く」だ。

これがもしクーンツ作品ならばP-13現象というパラドックス現象を逆手にとって彼らの苦難を全てリセットされたかのように全員生還する、もしくは生まれ変わりになって新しい人生を歩むと云った何らかの救いを設けるのだが、東野氏は敢えてそんな安易な道を選ばず、生と死のシビアな二者択一のカードを切り、犠牲者を容赦なく切り捨てる。

これをどう捉えるかは読者次第なのだが、私はやはりパラドックスを成り立たせた上のハッピーエンドが欲しかった。確かに本書の結末もハッピーエンドではあるのだが、あまりにもドライすぎると感じるのは私の甘さだろうか。

ただ本書は単にSF的興味やクライシス小説として読むには勿体ない。大災害が発生した時に生存するためにいかに行動し、どのような選択をしてくかを示した一種の指南書にもなり得るからだ。
絶望的状況に見舞われた老若男女たちがそれまでの人生の中で培った価値観によってどのような選択をしていくかもまた読み処だ。それぞれが己の人生観に添った選択をするため、それぞれに一理ある。
刑事、会社の重役とその部下、老夫婦、やくざ、女子高生、看護婦、主婦とその子供、ニートの若者とメンバーは実にヴァラエティに富んでいる。
そのどれに自分を重ねるか。そんな風に自分と照らし合わせて読むのもまた一興だろう。


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Tetchy
WHOKS60S
No.10:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

SFパニック小説

東野圭吾作品としては初となるであろうSFパニック小説。
13人の老若男女が自然災害に立ち向かい生き残りをかけてゆくサバイバル生活に息を呑む暇がない。
ページ数の割にはあっと言う間に完読でき、最後には安堵できる。
ラストをもう少し厚くすれば更に完璧であった。
東野さん、新しい分野に挑戦しました、的な本。

yoshiki56
9CQVKKZH
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

パラドックス13の感想

単純にパニックものとして楽しめた
(あるていど、予想できる展開ではあったが)

mick
M6JVTZ3L
No.8:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

パラドックス13の感想

まず題名に惹かれる。

第1章ですぐに、13時13分に発生するブラックホールによる時間の跳びが発生する、その時になにか大事故がおこればどのような影響が生じるかわからいから何もするなという首相官邸の会議風景からのスタートで SFなんだと理解し、東野圭吾がSFかぁとある意味驚くとともに、期待が募る。

と同時になにか不自然で、早々に文中の科学者の説明が、「何が起こるかわかない」としている時点で、少なくとも本格SFではあるまじき科学的な根拠を放棄して物語がスタートする。

場面が変わり気づけば人が誰も世界世界に取り残された主人公がその世界で生き残った人達と共になぜか壊滅していく東京でサバイバルしながら・・・という映画でよくあるストーリーになるのだが、なぜ彼らだけが生き残ったかという謎もそうそうで予想がつき、期待はそのなかで生じる人間模様。

主人公の兄がリーダーシップをとって生存の為に突き進むのだが、彼は頭が切れるのは当たり前で、清廉潔白で意志が強く将来を見据える展望も持つ、とはいえ人の意見を聞き入れらえる度量を持つ理想のリーダー像で、前半は順調に生存メンバーを引っ張って話しが進む。

のだが面白いのは後半以降。

なぜか彼の正しさがメンバー通じなくなってくる。それは、なにも彼が強硬なことを言ったわけでも、独裁的になるわけでもない。全くブレがない。

では何が?というと、周りの人間が変化するのである。要は彼に慣れてきて、個人的主張や感情をぶつけ始めるのである。とはいえ、彼も強くてブレない

その掛け合いはさすが東野圭吾といいたくなる人間模様のあぶりだしで、人間の描写やスピード感は言うに及ばず、その表現力は秀逸である。

とはいえ、彼にも不得手な分野があるんだなぁというのが率直な感想で、無理してSFチックにした感は否めない作品であった。

とも
4ND5R58B
No.7:
(3pt)

パラドックス13の感想

東野圭吾さんにはこのテーマは向いてなかったのでしょう。
途中の道徳談義はわざわざくどくど書くことかな?と思わせるし、レベルも中学校の学級会みたいです。一部、読むのが苦痛でした。

世界設定や謎がダメなのではなくて、未曾有の天災に見舞われた人物のリアクションのリアリティのなさが問題かもしれません。
東野圭吾さんには期待しているので、今後も他の作品を読もうと思います。

ラストは少しホロとさせてよかったです。


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absinthe
BZLMTCHK
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

パラドックス13の感想

いつもの事ながら。この作者の作品は読みやすい。一気に読んでしまいました。ただし

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サイ
ESRN4BQH
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Good!

読みやすく、世界観もよい作品。人の価値観の違いがよくわかる。

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たろう
8S15XOHI
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(7pt)

面白いサバイバル小説

13秒間の時空の歪みで、別世界の東京に移動してしまった13人のサバイバル物語。ミステリーというより、小集団が生き延びるために何を成したか、人はどう行動するのかを描いた群像小説だ。
建物や植物は残されているのに人間や動物が消えてしまった東京で出会った、年齢も職業も性別も様々な13人。大地震や破壊的な豪雨が襲う廃虚の東京で、ばらばらだった人々が共通の目標のために協力関係を築き力を合わせて生き延びようとする。だが、先が見えない状況に人々の心は乱れ、さまざまな軋轢が生じてくる。生き延びるために優先すべきは、エゴか、共助か、倫理か、本能か?
なぜパラレルワールドが出現したのかとか、元にもどれる方法はあるのかとか、SF的な読み方をするより、無人島もの、難破船もの、山岳遭難もの的な読み方をした方が楽しめる。パニック映画の原作としても使えるだろう。

iisan
927253Y1
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

パラドックス13の感想

単純におもしろいな~と思ってあっという間に読めました。
ストーリーはあっさりです。
背景描写がわかりやすくて、映画化できるんじゃないかな~って思いました。


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ぺこりん12
M5MH63SF
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

パラドックス13の感想

久しぶり東野圭吾読みました。
漂流教室やリピート系の時空間をさ迷うような感じで…とても鳥肌がたちました。
大好きです。
ぜひとも映画化していただきたいと思います。

マグル
ZH9M7YFR
No.1:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

パラドックス13の感想

レビューを読むと賛否両論あるようですが私的にはおもしろく一気に読めてしまいました。確かに最後はあっさりな感じでしたが、この話は特に最後の持ってきかたが難しいと思うので、まぁありかと思いました。究極の状況に陥ったときの人間模様がさまざまな角度から描かれており、その都度考えさせられました。

ぴよくみ
4WLMRKM9
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