時生 トキオ
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初版刊行(参考)
種別
長編
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315回
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あらすじ
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評判
時生 トキオの評価:
7.42/10点 レビュー 19件。 A ランク
時生 トキオの総合評価:
8.28/10点 レビュー 278件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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本作は、序章で現在の物語を、そして大半がSF要素のある活劇物語を描く構成となっています。
主人公は宮本拓海。妻と共に病室の廊下で息子の病態を見守っています。息子は、伴性遺伝の難病で長く生きられない病気を持って産まれ、案の定、まだ若くして病床で臥せっている状態です。
時生(トキオ)と名づけられたその息子を見守るうち、拓海は妻に語りかけます。俺は昔、こいつに会ったことがあるんだ――。
そんな不思議な語りから始まり、拓海がまだ23歳のとき、出会った不思議な少年との長い物語が描写されていきます。
冒頭はいかにも東野圭吾っぽい物語の始まりと思いました。ところが徐々に読み進めるうち東野っぽさのない、荒削りな物語だなという印象を持ちました。
登場する人物たちはそれぞれ個性があり高ポイントでした。ろくに就活しようとせず、恋人の収入にたかり、いつか自分は大きなことを成し遂げると考える拓海。読んでいるうち、なんてバカな奴なんだと呆れますが、反面、金のために詐欺をする仕事に我慢できない正義感や、持ち前の愚かしさがトキオのリアリスティックな考えと反し、いいコンビだと思いました。
物語の謎は、突然消えた恋人の行方を追うことと、拓海の出自が徐々に明らかになることです。恋人の行方を探すうちに怪しげな男たちに捕まってしまったりと、かなりボリュームがありました。
なかなか話が進展しない部分が目立ち、そこがマイナスポイントでした。ミステリ要素がなかったことも物足りなかったです。途中で謎解きめいたものがありますが、子供騙しのようなものでした。
新人作家の作品なら☆7にしたところですが、東野圭吾という看板を鑑み、☆6と少し厳しく評価しました。
終盤、母親からの手紙を読んだ拓海にぶつけた時生の熱い言葉にはグッと来るものがありました。そこが一番感動しました。魂の込もったメッセージだったと思います。
最後のとあるアクシデントについては、少し内容が異なりますが『フォルトゥナの瞳』に似たオチでした。
少し厳しめなレビューをしましたが、心に残る名作なことにちがいありません。