その地に着いた時から、地獄が始まった―。1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った衛藤。

もう、駄目だと思った。

富豪の一人娘が、別荘で不審な事故死を遂げる。

「六甲山に小さな別荘があるんだ。きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。

“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。

結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。

大学の夏休み、先輩の手伝いで福岡県の門司でたこ焼き屋台のバイトをしていた樽井翔太郎は、ひょんなことからセーラー服の美少女、花園絵里香をヤクザ二人組から助け出してしまう。

8歳で児童文学賞を受賞し天才少年と呼ばれた小松原淳は、なぜ富士の樹海に消えたのか?母親の依頼で淳の伝記を書くことになった作家志望の島崎は、膨大な資料を読み、関係者に取材して淳の人生に迫るが、やがて不気味な“異人”の影が彼の周辺に出没するようになり…。

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

妹の春佳から突然かかってきた電話。それは殺人の告白だった。

“頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。

あの強固な呪縛から、いつか解き放たれたかった。