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ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレー



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ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレーの評価: 6.25/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

序盤は『キングを探せ』を想起させるパズル小説

複数の人物が犯罪に加担するが途中で犯人側に不測の事態が発生する、、、。最近、キングを探せのレビューをした際、『疾風ロンド』に似ていると書きましたが、本作こそまさしく類似していました。
『ブルータスの心臓』では、3人の男が死体をリレー方式で運び、アリバイも担保するというもの。本作では第一章の終わりに、犯人にとっての不測の事態が起こります。こういう展開だとおもしろいなと予想しながら読んでいた私は、想像が当たり、思わずニヤリ。さすが東野圭吾、読者を驚かしてくれるなと思いました。
そして、主人公の疑心暗鬼。顔もわからない人物から狙われサスペンスに満ち、これは当たりだと思いました。

ではなぜ私が評価を☆6にしたか。
本作は、殺人リレーに加担することになる主人公の男、同じ職場に勤務する女性社員、事件を捜査する刑事の3人の視点で物語は進められます。なんといっても見ものは主人公の視点ですが、刑事の視点になると、どうも、話が冗長とでもいうのか、すでに読者の知っていることをなぞって事実がわかるのが退屈に感じられました。(これは、キングを探せを読んでいるときも思いました)これが倒叙物の欠点なのでしょうか。それでも刑事の視点に意味があると思い、結末まで読みましたが、やっぱり刑事視点の描写はいらなかったと思います。刑事の口調にも違和感がありました。刑事小説ではないので目は瞑りますが、若手とはいえ、刑事が自分のことを僕なんて言うのかなと。聞込みの前に私的な買物をする描写もどうかと思います。
それから登場人物が多い故に誰が誰だかわからなくなる点。あまり細かすぎる描写は不要ですが、人物の相関関係が複雑で理解しづらかったです。
そして結末の尻切れトンボ感。終盤駆け足になって、これで終わりなのと唖然としました。皮肉ある結末でしたが、では最後の、専務と宗方のやり取りは、なんだったのだろう。ひたすら上を目指し、逆玉の輿を狙い、関係を持っていた女性を捨てるという非情な男が、簡単に見捨てられるという、これまた皮肉なのだろうか。
第一章を読んだ時点での期待との落差があり、少し残念でした。

bamboo
NU17PFML
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレーの感想

エリートの転落劇を描いた物語。
会社の偉い人の末娘の婿養子候補、玉の輿狙いのエリート主人公、同じく婿養子候補でこれも玉の輿を狙う同僚、そしてその末娘の腹違いの兄。
更にこの男3人と関係を持ち子供が出来たと3人に迫る計算高い女。
3人の男が共謀して女を殺そうとする物語ですが、人間の内面にある醜く、黒い部分にスポットを当てる東野氏お得意のパターン。
それにしても、主要登場人物にろくな奴がいないというのは・・・
主人公が加害者な訳で、しかも動機が不純、共感できるか否かという次元では無いです。

アリバイ工作のため、殺す係、運ぶ係、遺棄する係と役割分担を行い大阪-名古屋ー東京を結ぶ完全犯罪リレーをスタートするが、運搬役が車の中に殺害役の遺体を発見してしまう。
プロット自体は、非常に面白く、一気に魅了されてしまうだけのものではありました。
正直私も前半戦はかなり引き込まれました。
ただ、完全犯罪、しかもそれがエリート達の仕組んだものであるなら、いとも簡単に加害者側が窮地に追い込まれる展開となるのは如何なものか。
個人的な意見になるが、エリートを「悪」とするなら、それは手強い「悪」でいて欲しい。
その方が後読感がいいので・・・
感情移入できない悪人が窮地に追い込まれ苦悩する姿を序盤から延々と描かれても・・・
残念ながら、ページが進むにつれて興味が薄れていってしまった。


▼以下、ネタバレ感想

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梁山泊
MTNH2G0O

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