球形の季節
- 学園ホラー (19)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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現在、ジャンルを問わず、日本のミステリ・エンタテインメントシーンで毎年精力的に作品を発表し、女流作家としての地位を確立した恩田陸氏。その最初期の作品が本書で、私にとって初恩田体験となった。 | ||||
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東北地方の小さな町谷津。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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amazon内容(「BOOK」データベースより)紹介より以下、 四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。 「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。 やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。 町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。 何かが起きていた。 退屈な日常、管理された学校、眠った町。 全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した! 新鋭の学園モダンホラー。 * 終わって、何かが始まる気配をみせながら読了。 やけに序盤で谷津という町に固執してるなと説明で感じつつ、 終わってみれば納得する。 でも、こんな終わり方でいいのか、消化不良で、と感じざるを得ない。 ううむ、どう評価つけていいものかわからないので中途半端な星の数。 主人公は誰か、「町」そのものなのか? そこに閉じ込められた若者たち。青春。 ホラーのようで、ファンタジー。 「六番目の小夜子」が脳裏をよぎる。 | ||||
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NHKドラマ「六番目の小夜子」再放送をきっかけに恩田陸作品を再読しています。この「球形の季節」は「小夜子」の2年後の1994年に発表された第2作です。 地方の高校を舞台にしていること、何人かの高校生たちが平行して主役扱いになっているところは「小夜子」とよく似ています。一番出番が多い女子高生みのりは、明るいキャラクターも似ていることから、ドラマでヒロインだった鈴木杏さんの顔が浮かんで仕方ありませんでした。 ただ「小夜子」がホラーのように見せて結局ホラーではなかったのと違って、こちらは完全にホラー・ジャンルに入る作品です。 第3章までは東北の地方都市、谷津がどんな町なのか、どんな人たちが住んでいるのか、2つずつある男子高と女子高の校風、そして主要登場人物の紹介が展開されます。必要な部分ではあるのですが、ここは少しくどい感じがします。が、第4章で「5月17日に如月山でエンドウさんが宇宙人にさらわれる」という噂が本当になるところから一気に緊迫感が高まり、引き込まれました。各高校からメンバーが集まった地理歴史文化研究会の仲間たちはその噂の元を辿ろうと調査を始めます。 昔から人が消えることが多かった谷津という町、特殊能力のあるらしい人たちがいて、その人たちは別の”場所”とこの世界を行き来しているようだ、金平糖をばらまいて、好きな子がそれを最初に踏んでくれたら相思相愛になれるというジンクス、如月山の頂上にあるケヤキの木の洞に願い事を吹き込んだテープを入れておくとそれは回収され、”正しい”願い事だけがかなえられるという伝説・・抑圧された不満や不幸、一見のどかに見える日常生活の裏に流れる不穏さ・・このあたりの雰囲気作りは、恩田さんは本当にうまいです。 高校生たちがそろそろ気づき始める将来への恐れや人生のむなしさが描かれいるあたりはまさに青春小説です。いつものように印象的な言葉が散りばめられ、読んでいてはっとさせられたり、その通りだと共感したり。 最後にはっきりしたオチがないのはいつも賛否両論になりますが、この作品ではどこか明るい諦めのようなものが感じられ、それは登場人物たちの人生はそれぞれただ淡々と続いていくだけだと暗示しているような気がしました。 個人的には、小説としてのまとまりは「六番目の小夜子」の方が高いと思います。けれど凄みという点ではこちらの方が上で、さらに「常野物語」などへの萌芽も感じられます。恩田さん作品の不可思議な雰囲気が好きな方にはおすすめです。 | ||||
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我慢して読み進めた。 描写が細切りなため全体像が理解しにくい。 結果に対する原因づけが弱い。 内容と作者が言いたいであろうことの繋がりが弱い。 全部読むとココいらなかっただろという箇所が出てくる。 | ||||
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恩田氏の作品といえば、私の印象では爽やかな印象がありました。サスペンス的要素が入っていても、残酷な殺人描写や性描写がない等、優しい印象でした。数例申し上げると、デビュー作『六番目の小夜子』や『夜のピクニック』などです。『ネバーランド』も面白かった。 しかし本作を読んで、この人は凄い人なのだと実感しました。本作はホラーなのです。 恩田色をじゅうぶん残しながらも、しっかり怖いのです。私は、ページを手繰る手が止まりませんでした。確かに裏表紙には「新鋭のモダンホラー」とありました。しかし、これまでの印象が強すぎて、殆ど信じていませんでした。ほんとにホラーかよ、と。読後の今、白旗を挙げますが、モダンホラーと呼ぶのにふさわしい作風と怖さでした。 ネタばれになりそうで申し訳ないのですが、本作のホラー要素の一つは、この世と並行して存在するもう一つの世界についてです。その世界については詳述されませんが、霊能力者のように簡単にアクセスできる人もいれば、大きな心的ショックを経てアクセスできる人に分けられるようです。そしてひとたびその世界に漬かると、仮に戻ってこれたとしても「人間」が変わってしまうという設定。 私は霊感なぞ全くありませんが、こうしたもう一つの世界には、興味が沸く一方で同時に恐怖を覚えます。本作ではこの異世界の恐怖がじわじわと味わえます。 シックスセンスの能力保持者とか異世界の話というと、モダンホラーの大家S.キングやD.R.クーンツが思い出されます。 しかしながら、舞台設定が学園という事もありますし、主人公がほんのり成長したような明るめの終わり方となっているところから、しっかりと爽やか系恩田節を味わうことができます。通して読んだ後に、やっぱり恩田氏らしい作品だと一人で納得してしまいました。 少し不満を申し上げると、はじめの第一章と第二章途中までは、何故か非常に読みづらく感じました。表現が固い?のか、多くの登場人物が出てくるため頭の整理がしづらいこともあるかもしれません(ただ、第二章以降は引きづりこまれるかの如く面白い!)。また、章タイトルが長いのだが、今一つその意味や意図が分からなかった(例:第三章は「長い間地元では遠巻きにされてきたという」とか)。その点は少し減点かもしれません。 纏めますと、本作は、恩田氏しか書けない爽やかでかつ怖いお話です。学園モノが好きな方、日本のモダンホラーに挑戦してみたい方、恩田氏のファンのかた等におすすめできる本です。面白かったです。 | ||||
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指摘されている方も何人かいらっしゃいますが、それ程の長編でもないのに、登場人物が無駄に多過ぎる。主人公と呼べる人物も居なく、その都度主役が変わる手法なのは分かるが、あまりにも登場人物が多く、結果的に全員の描写が曖昧になってしまい、誰一人魅力を感じない。全体的に、テーマの割にページ数が足りな過ぎといった印象。六番目の小夜子、常野物語シリーズは面白かったが、これは残念ながらもう一度読みたいとは思えなかった。 | ||||
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