ねじの回転
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で全体像が呑み込めるまで随分と時間がかかる。遠野物語は似た構成でもそれぞれのエピソードが面白く、読み進むうちに壮大な物語が浮かび上がってきたのに比べるべくもない。ただ最終章の会議のやりとりぐらいから興味深くなってきたので下巻に期待したい | ||||
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ジャンルとしては近未来タイムトラベルものSFでしょうか。私は物理が苦手なのでよくわかりませんが、理論的に突っ込めばたぶんいろいろ穴が出てくると思います。が、そんなことはどうでもよくなるくらいスリリングでおもしろかったです。 タイトルはヘンリ・ジェイムス作「ねじの回転」と何か関係があるのでしょうか。また、副題の「February Moment」はハービー・ハンコックのジャズ曲からつけたものだそうです。恩田さんはサックスを吹かれるそうですが、腕前もなかなかのものだとか。 2・26事件は小説や映画などで取り上げられることが多いですが、ふと思ったのは忠臣蔵との共通点でした。顔が凍りつきそうに寒い夜、雪景色の中自分たちの信じるものに従って粛々と決死の行動に出る人間たち、雪の白とそこに飛び散る血の赤、死の美学とその哀切さに、何か日本人の心を惹きつけるものがあるような気がします。 宮部みゆきさんも2・26をテーマにした「蒲生邸事件」を書いていますが、読み比べるのもおもしろいと思います。三島由紀夫もいくつか小説を発表していますね。 近未来、過去にさかのぼって時代を改変する技術が発見されてから、人類は嬉々として忌まわしい過去に改変を加え新しい歴史を作ってきました。が、しばらくしておかしな病気が蔓延。今も実在していますが少数の人間が発症する早老病で、人間が一生かけて行う細胞の世代交代が短時間で終わり一気に老け込んでしまいます。改変の波及効果が大きい場所にそれが大発生していることがわかり、その負荷が人体に影響しているのではないかと考えられました。 新陳代謝のスピードを一定に保つという薬が開発され、臨床試験で効果が実証されたため驚くべきスピードで認可、世界中の人間がその薬を毎日飲み続けています。けれど飲めるのは先進国の人間に限られ、しかも全員が飲めるわけではない。世界人口は減り続け、この先20年で文明を維持できるだけの人数は残らないかもしれないという危機的な状況に。 そこで国連は特別チームを編成、HDISと呼ばれるこの病気が発生する以前に時間を戻すことを決定します。こちらは2002年発表の作品ですが、なんだか現在のコロナ禍と共通するものがありますね。 その時間ポイントに選ばれたのが2・26事件でした。日本人マツモトを含む国連チームは陸軍軍人から3名の協力者を選び事実を説明し、時間改変に協力するように説得します。 彼ら安藤大尉、栗原中尉、石橋莞爾大佐の3名は実在の人物です。それぞれの風貌や性格はここに描かれているものに近かったようです。安藤は誠実で人望があり、栗原は女性的な美貌ですが革命思想を公言してはばからない急進派、石原は強い自我とカリスマ性を持つ上官。 それにしても未来から人がやってきて、自分が将来どうなるか、そして死ぬこともわかってしまい、それを承知で特定の時間域の中で役目を果たしてほしいというのは・・なかなか受け入れられるものではないと思います。実際ここでは知り得たことを利用して自分が望む方へ歴史を動かそうとする者も出てきます。結局どの歴史が正しいかというのも人や立場によって見方が違ってくるでしょうからそれも無理はないと思います。 たとえば国連チームのボス、ジョンは言います。「負けたことのないアメリカが「世界の警察」を自負し、後のベトナムや中東での過ちを繰り返さないために、アメリカは自分たちの思想や常識を超えた相手ととことん対決するのがどういうことか、日本と本土決戦をして懲りるべきなんだ」。 「本土決戦などとんでもない。沖縄や広島長崎だけでも何十万人も亡くなっているのに」と反論したマツモトに対して、ジョンは「それはただの感傷だ」と一蹴、「どちらにせよ日本はアメリカの属国のようなもの、日本はアメリカの1州になった方がいい」と言い放ちます。 過去の日本軍人たち、そしてさまざまな国籍からなる国連チームのメンバー。それぞれの思惑が交差し、事態は思わぬ方向へ。人類は、歴史は?結局どういうことになるのか?読み出したら止まらなくなり一気読みで徹夜になってしまい、翌日は大変でした(笑)。 複雑な構成に頭がこんがらがるところもありますが、おもしろいと同時にいろいろと考えさせられる作品でした。 | ||||
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下巻では、時間旅行の弊害としての奇病が、コロナウィルスを想起させてタイムリーな面白さを感じたので、評価アップ。しかしながら、上巻で感じた根本的な疑問は残ったままだ。 世界各地で、歴史に介入し、収集が付かなくなったと言う設定だが、それを正す役割を、該当の時代の人物に負わせるのは、どう考えても無理ではないか。タイムマシンの存在しない時代の人間が、未来からやって来たと言う人物を、信頼するわけがないと思うのだ。 そんな事気にせず、時間SFを楽しむべきと、わかっていても、国連の職員がナショナリティで、変な介入を行うのを読んでしまうと、そんな能天気には楽しめない。こんな感想を持ってしまうのは、私だけ? | ||||
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タイムマシンが発明された近未来。国連の管理下に置かれた時間遡行装置によって、悲劇的な未来を回避するため、歴史介入が試みられ、日本では「二二六事件」に介入する事になった、と言う話。 私は無学なので、「二二六事件」の歴史的評価は良くわからず、このストーリーが妥当なのかどうか、疑問が残った。そして、歴史を変えるために、当時の人物が数名選ばれて、齟齬を来す事のないよう行動するのだが、彼らがなぜ未来人を信用し、協力しようと思うのか。設定の強引さが、気になってならない。 上巻では、この不思議な設定に納得がいかず、首をひねるばかりで、余り面白さが伝わらなかった。私の読解力の問題かも知れないが、時間SFを素直に楽しめず残念。 | ||||
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「二・二六事件」に題材をとった歴史改変SFだ。宮部みゆきも「蒲生邸物語」で同じく二・二六事件を舞台にしていて、かぶるのかなあとちょっと不安になったが、いやいやこれは恩田陸独特の世界観があって、読みごたえがあった。むしろこちらの方が断然面白い。未来からやってきた国連の人間たちが、実際の事件をもう一度なぞっていくはずなのに、誤差がいろいろと出てきて、おいおいこれで大丈夫なのか、歴史がぐちゃぐちゃになるぞと読者を不安がらせるところも上手い。先を読みたくて、すぐに下を読むこと請け合い。 | ||||
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