妃は船を沈める
- 本格ミステリ (563)
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全3件 1~3 1/1ページ
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一部はまあそれなりに楽しめたのですが、二部は、言われてみればその通りなのかもしれないのですが、無理やり納得させられたような印象が残りました。 | ||||
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火村シリーズの中編連作。 | ||||
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久しぶりの作家アリスシリーズ | ||||
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毎度おなじみ火村とアリスが大阪を舞台に活躍するお話ですが、作りがちょっと凝っています。前半はある殺人事件と、英国の作家ウィリアム・W・ジェイコブス作、怪奇小説の古典名作である「猿の手」に関する解釈の話。そして幕間をはさんで、2年半後の後日談ともうひとつの殺人事件が描かれています。 この作品の中心は妃沙子という女性です。生保レディで稼いだお金を投資して莫大な財産を築き、40代だけれど30代半ばにしか見えず美しく、いつも若い男性たちを取り巻きとして集めている裕福な女性です。このように要約されると、年下男性からも愛されるカリスマ性のある美魔女が思い浮かぶのですが、「ある種の魚類を思わせる大きすぎる口」と言ってみたり、「家具はどれも高そうだが、さほど洗練された趣味でもない」とけなしてみたりで、だんだんと何かしらいびつなものが浮かび上がってきます。なにかにつけて「おお!」とおおげさな感嘆詞を使う不自然な話し方、それに実際、その若い男性たちの中でも特に気に入って養子縁組までした潤一は”ママ”にうんざりしている様子(その本当の理由は後でわかってきますが)。 若い男性たちは、彼女の取り巻きというよりは、言わば若さをお金で釣っているだけで、彼らにとってはただ得だから彼女のそばにいるにすぎないのでは?というように見えてしまいます。結婚せずにそうした生活をしていることについては、彼女自身に「自由でいたい、男女が結婚して縛りあうのは好きではない」と言わせています。 そんな彼女が後半では一転して、年上の夫を愛する貞淑な妻になって再登場します。以前はかわいい猿顔の年下男性を寵愛していた彼女が、一見”猫科の猛獣”のようなお金持ちで大柄な年上男性を熱愛する、このあたりの変化がどうも不自然で・・・どうしてなんだろうと考えてみたら、夫の描写が少なく、人物像があまりよく見えてこないからでは・・と思ってしまいました。夫とラブラブの様子を描写されても、年下男性キラーだったと書かれても、どうしてもちょっとイタイおばさんのようで、魔性の美魔女には見えてこないのです。もしかしたら作者は、意図的にその異様さを浮かび上がらせることで妃沙子のいびつさを表現し、ゆえにこのような事件を2つも引き起こす原因になったと言いたかったのだろうかと思ってしまいました。 前半では、「猿の手」の解釈の仕方をめぐって火村とアリスが論争しますが、これは有栖川氏と北村薫氏の間で実際にあったことだそうです。この怪奇短編小説は既読だったので、こんな解釈の仕方もできるのか、と驚き、楽しめました。 また、後半では事件の背景になったのは大阪府北部の地震です。この本は2008年の作ですが、自分が読んだのが2018年の7月で、偶然6月に大阪北部地震が起きたばかりでした。アリスが大阪市内で揺れを感じるシーンや、「ブロック塀が壊れたりして5人も死者が出ている」「大阪北部で地震が発生するとしたら、有馬ー高槻断層帯や京都西山断層帯が震源になることが予測されていた。しかしこの度の地震はそれらとはまた別の未知なる活断層が動いたために起きたらしい。」と書かれているあたりがまるで予言のようで、大阪北部在住の自分にはとても小説の中の話とは思えず、ぎくりとさせられました。 前半の事件の真相は意外なもので、後半では犯人探しが二転三転しますが、最後には納得のいく説明になり、どちらもよかったと思います。中心になる妃沙子像をどう感じるかで小説の印象が変わってくると思いますが、全体としてはかなり好きな作品でした。相変わらず、火村とアリス、それに大阪府警の鮫山と森下のかけあいもおもしろいです。 | ||||
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二つの話をつなげていますが、あまり必要性を感じません。しかし、キャラクターの存在感、テンポのよい流れ、事件解決のロジック、さすがです。安心して読めます。 | ||||
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どうも私は火村シリーズの作品には(江神シリーズの作品に比べ)評が辛くなりがちなのだが、本書についてはレビュータイトルどおりイマイチに思う。 読みやすいが、物語としての起伏が(江神シリーズに比べ)乏しく面白みに欠ける。ジェイコブの「猿の手」の引用は面白かったが、しかしこれは文字通り引用で、本書そのものの面白みではない。 前半の「猿の左手」は、メイントリックはまずまず満足できるもの。しかし、それを火村が看破するのがジェイコブの「猿の手」の解釈談義からというのは、かなりこじつけくさい。 後半の「残酷な揺り籠」については、巻末解説でも述べられているとおり、誰が犯人かについての興味は乏しい。犯行はどのようにして行われたか、そして火村がそれをどのように推理するかが焦点となるが、結論はイマイチ。 火村の推理(犯人はなぜ窓ガラスを割ったか)は唯一無二の解釈というほどのものではなく、他にもこじつけようと思えば何とでも出来そうなものだが(それこそ地震で割れたとか)、にも関わらず犯人がそれで降参するというのも何だかなぁ。 作者がまえがきで本書の執筆の経緯をいろいろ書き並べており、結構気に入っているようだが、単に自己満足なだけではないかと思う。 | ||||
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一応長編作品という体裁だが、前半と後半で別々の事件が起こり、それらに同一人物が絡むという連作といった方が良いような構成。事件や殺人トリック自体は比較的地味な展開だが、有名過去著作のネタを絡めたりと趣向を凝らしてあり、なかなか楽しめる。火村シリーズの最初の1冊にはやや地味だが、シリーズのファンなら納得の出来である。 | ||||
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火村、アリスシリーズの2つの短編がみごとに1つの長編かのようになっていました。 ほんとに見事ですね。やっぱりこのシリーズはいいですね。楽しめました。 | ||||
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