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インド倶楽部の謎
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インド倶楽部の謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全34件 1~20 1/2ページ
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他の方のレビューを拝見しているとすっぱり好みが分かれている感じです。いつも思っていましたが、トリック重視の新本格志向の人は人間性や情緒には重きを置かない、逆に人間ドラマが好きな人はトリック重視には味気なさを感じる、と。この作品はどちらかというと後者の方ではないかと思います。個人的にはとても好みでした。 有栖川氏があとがきでまさにこのことを書いていらっしゃいますが、 「謎解きを興味の中心とし、物語が人工的になるのを忌避しない本格ミステリは、幅が狭くて窮屈な小説と言えそうだが、それでも多様な書き方読み方ができる」 「読者の書評コメントをみかける機会が多くなった。(中略)”ああ、この人は本格ミステリのタイプJとMだけを熱愛して、タイプAとCとRには戸惑い、それ以外は嫌っているな”などと思う。本格から少し踏み出していると”これはミステリではない”と言い切る人もいる」 それらを承知の上で「もっと多様な楽しみ方がある」「作品ごとに本格ミステリとしてのスタイルを変えることを意識している」と書かれています。 で、この作品について。 神戸にはインドクラブという在日インド人のための社団法人が実在していて、併設しているレンタルホールやレストランは誰でも利用できます。タイトルを見た時てっきりそこで殺人事件を起こすのかと思ったのですが、このインド倶楽部は架空のもので、インドに興味がある人たち数人が集まった異業種交流会のようなものという設定です。 話の中心となる「アガスティアの葉」、漠然と内容は知っていましたが、1990年代に日本でブームになったものです。1999年7月に人類が滅亡すると書かれたノストラダムスの大予言などオカルト・ブームの頃ですね。インド倶楽部で、その「アガスティアの葉」に従って前世や運命をみてくれる人物をインドから招聘し話を聞くのですが、後日メンバー2人が連続して殺されてしまうという始まりです。 自分は関西人なので神戸には土地勘があり、頭の中に地図を思い浮かべながら、動き回る火村とアリスのあとを追うのが楽しかったです。横溝正史生誕の地碑のトリビアなども出てきてちょっとした観光案内にもなっています。2人がおいしそうな飲茶やカレーを食べながらいつも通りのコミカルなやり取りをするのもよかったです。 また、野上刑事が奈良の十津川温泉のさらに奥地へ聞き込み捜査に出かけるのですが、交通機関好き、旅好きの作者が思わず顔を出したような描写に親しみを感じました(このあたりも新本格派には不評なのかもしれませんが)。 前世を信じない、捜査の参考になどできるわけがない警察や火村たちが、犯人の心理に立ってその心の動きと殺人の動機を探らねばならない、このあたりが異色の作品でした。こんな話をよく思いついたと思います。最初から最後までとても楽しめました。 | ||||
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・・・二つのダニットを見事に成立させましたね本作。それ故にあまりにも現実離れしすぎた真相であり、些かめまいを覚えたのも事実(作中の警察関係者らに同情を禁じ得ません)。 数多い火村シリーズ中でも、ここまでファンタジックだった作品は稀でしょう。何せ冷徹極める猟犬である火村英生が、作中数度パ二くっていますから…異例中の異例。 それでいて地に足が着いた小説として安心して読めるのは、現実の有栖川有栖が関西都市小説家としての側面があるからではないでしょうか? 個人的に大阪市生まれの大阪市育ちで、現在は兵庫県西宮市在住なんですが、当然のこと神戸の都市描写そのものが日常的風景(背景)に他ならないんですよ、関西の一ミステリファンとしては(京都は門外漢)。 あとがきも異例でしたよね。よく言えば目覚めた、悪く言えば開き直ったみたいな。 ヒンドゥ―教や仏教に由来する輪廻転生なる概念には、部分的に賛同します。昨日・今日・明日のうち今日が全てなる思想は、武士道の葉隠に通じるものがありますしね。 些かうやむやなラストも、作者が「これ以上哲学・宗教に陥ったらヤバイ」と判断した故の冷静な判断だったのではないでしょうか? ・・・嗚呼、面白かった、10数年ぶりの国名シリーズ。生業としてのミステリ、趣味としての文学。両立させるのは胃に穴が穿きかない仕事なんでしょうね、我らが現実の有栖川有栖 | ||||
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インド愛好家のメンバーたちが、ゲストに招待したアガスティア・リーダー。やがて、その夜の死亡予告に合うような殺人事件が起きる…。 国名シリーズはともかくとして、アガスティアの葉、サークル内での人間関係、輪廻転生…等々掴みは面白い。 しかし、肝心の事件は小粒だし犯行動機・真犯人もさほど意外性も無いというか説得力も弱い。最後にもうひとヒネリあるかと思ったのだが…。 それでも有栖川氏の文章は優しく読み易いし、二人の会話も楽しく安心して読める定番シリーズではある。 | ||||
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読み応えがあります。 | ||||
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普段、ミステリなど含めて小説のジャンルはまったく読まないのですが、本書の出だしを少し覗いたところ、読みやすい文章とアガスティアの葉などの題材に惹かれて購入しました。 読み出すと、内容にグングン引かれて一気に読了してしまいました。あまり内容を書くとこれから読まれる方へのネタバレになってしまうので、内容は記載しませんが、「なるほど!これがミステリ小説なのか!」と唸らせる予想外の展開の話で、読後に満足感で満たされました。読みやすい文章で神戸のきれいな街が再現されており、とっても良かったです。 主にスピリチュアルが題材になっているので、小説好きの方だけでなく、そういった方面に興味ある方にもお薦めです! | ||||
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異国情緒あふれる神戸を舞台に、探偵作家の有栖川と火村が飯屋で飯を食いながら、 ダべりまくりながら、オシドリ漫談をしながら、殺人事件を解決していくミステリー推理小説。 この殺人事件のベースにある「アガスティアの葉」の前世予言と、実際の殺人事件のからみが絶妙で、 最後まで飽きることなく読めました。 この作品を読むと、神戸へ行きたくなります。 | ||||
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ミステリーからミステリー風味の普通の小説になっている。 女王国の城、乱鴉の島あたりから感じていたが、 ”本格”さから離れていくのが今作では更に加速した。 後書きで作者は本格ミステリの様々なタイプを試していると記しているが、 巧妙なトリック、全編を通じた伏線(トリックのヒントの開示)、犯人との心理戦が無いものを ”本格”とは思えない。 私が有栖川作品に求めていたのは他の追随を許さない本格さだったので、残念。 あと、犯行や登場人物像の形成に不要な地理説明が多すぎる。 地元民は喜ぶかもしれないが、そうでない者にはどうでもよい。 道中の細かい電車乗換案内や地形描写、歴史描写は 作者の取材の勉強成果の披露=単なる自己満足にしか思えない。 今作の2割くらいは読み飛ばした。 過去作品が最高に面白かっただけに残念。 代わりの作家を探しているが、あのレベルの本格ミステリ作家は中々いない。。 | ||||
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第四章「糸を手繰る」の『佐分利心療クリニック』って、 佐分利信からでしょうか? それはともかく、これだけ 多くのレビューがあって、168ページ下段13行目で、 「佐分利」が「佐利」になっているのを、誰一人指摘無しとは……。 | ||||
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よかったです。 ネタバレになるかな… トリック中心ではなく、動機に重きを置いていてなかなか新鮮でした。 私はどちらかというとトリックを楽しみたい派ですが( どんでん返しや、読者に挑戦が大好き )とてもすんなり楽しんで読めました。 相変わらず登場人物が生きているように書かれているところが好みです。駅で買ったペットボトルだったり、トイレだったり、ご飯だったり。 登場人物が表題について話していたりと、会話を読むのがとても楽しくなりますね。 ボリュームも、久々に2段になってるページ構成( なんていうのかしら? )でたっぷりあり、2日間読書を楽しめました。 難点を一つ挙げるなら、私が関西の地理に詳しくないこと。 関西に住んでいる方ならもっと楽しめるのかな。そこが火村シリーズの良いところでもあるけど。 | ||||
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結論から言えば過去作に比べると決め手にかけます。 前世、というテーマからストーリーが進み、警察では理解できない展開で物語が進むのは良かったです。 作中で火村准教授が言っていますがこの事件の本質は何か、を探らないといけない動機探しが重要点です。 一気読みできるくらい面白かったのは確かですが過去作に比べるとやはり弱いです。 先生にはそろそろ殺意の理由の物語に筆を走らせてほしいと思います。 狩人の悪夢は大変良かったです。 | ||||
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鎖国の時代、外人であることは、いるはずのない人がいるという認識でした。 別世界の人、「異人」でした。 ペリーが写真に見るようなただの偉丈夫ではなく、外人ならではの姿形を誇張して描かれたのも(数百年前の当時)読者ウケを狙ったものでしょう。 さて、インド人のコーナー(館)で起きた事件ですが、いきなり占いなどと、実にインドな話でした。ゲームセンターを行けばインド代表が火を吹いたり、テレポートする格闘ゲームがあり、今もなお、その格闘ゲームがゲームセンターの一角を飾る中で育った私には、真っ当な肩書と占いに、もう先が読めるものがありました。推理が占いなら、まして評価の方も占いでよろしいでしょう。 もはや日本全国に異人がいる中、くれぐれも本作が狭い中の小さな小さな異人への道具に政治利用されることのないよう、切にお祈り申し上げます。 | ||||
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3寄りの4ですね。 物語そのものは面白いのではありますが いかんせん、結末部分に不満は残るところです。 まあ、いわゆる犯罪というのは不可解なことが理由だったりする場合は ままあるのですが、これに関しては奇怪ですからね。 参加者の過去、未来を予言するリーディングの儀式を終えた後に 事件は起こることになるのです。 それを招致した人と、メンバーの一人が何者かによって 殺されてしまうのです。 何やらそこには、メンバーの一人が経験した ある出来事が関わっているようですが… 結構その出来事は物語を盛り上げてくれます。 が、犯行理由はハァ?になること請け合いです。 いろいろひどい。 このシリーズは好きですが 期待はずれの感が否めませんでした。 | ||||
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このシリーズはタイトルを聞いただけでワクワクしてきますが、インドという国は本格ミステリーにはピッタリだと勝手に想像してしまいました。男女7人がある絆で集まるインド倶楽部、その参加メンバーが殺害され、火村&有栖コンビがその謎に向かう期待通りの展開。 好みの問題もありますが、ガチガチの本格物というより、事件の捜査は警察がメインで、火村&有栖は「輪廻転生」について関係者と語り合うという印象が強く残りました。しかし最後は、伏線もしっかり回収し、火村が論理的に犯人を指摘します。事件の構図としては弱めも、「アガスティアの葉」や「前世」を上手くミステリーに絡めて、いつもながらこんなミステリーもありと思わせてくれます。 | ||||
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前世の記憶という事に違和感を感じる人は多いのかもしれないが、ありうると思った。 何かの本で読んだが、繰り返しイメージしながら聞かされた話は、偽なのにありありとした記憶として定着してしまうことがあるそうだ。 嘘の記憶を植え付ける事は、比較的容易だそうだ。 例会で何度も接触している彼らの中で、だんだん前世の物語が大きな意味を持ってくるのも十分ありえるし、 作中人物が誰にも理解されないと思いながらもそのような動機で犯行に及ぶことも十分にありえると思う。 論理的で面白かった。 | ||||
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他の方たちも書いているのですが、どうしても動機に納得出来ない、というか、肩透かしを食ったような不完全燃焼感が残ってしまったというのが正直な感想です。 途中までは「予告された死」の謎、被害者の得体のしれない不気味さに慄き、二人の会話の妙を楽しみ、野上さんの活躍をワクワクしながら見守り…とてんこもりの内容で一気に読み進めたのですが。 ただ、失礼ながら私は熱心なミステリファンというわけではなく(1度も犯人当てに正解したことがない)、先生の書く文章が紡ぎ出す世界が好きで読んでいるという次第なので、ミステリとしての完成度がどうなのかを論じることは出来ないし、そのつもりもありません。大らかで優しく、どことなく抒情的で、少しばかり毒を含んでいる…そんな世界を存分に味わうことが出来たので、その点では満足しています。 あとがきにあるように、色々なタイプのミステリを意識して書きわけておられるというのであれば、次回はまた違ったテイストの作品を読むことが出来るのでしょう。最新作を読めたばかりで贅沢な望みだと思いますが、早くも次回作を期待してしまいます。 それにしても、火村先生がスマホ! このシリーズに出会ったときは、まだ携帯電話も普及し始めたばかりだったのに、時が経つのは早いなーと変なところでしみじみしてしまいました。 | ||||
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高校生のときから10年以上著者のファンで、 もちろんすべての本を持っているし、 サイン会に行ったのも数回ではありません。 だからこそ、国名シリーズがリアルタイムで読めるなんて! と感激しながら読みはじめました。 面白いです。 止まらないし、引き込まれます。 これは純粋にオカルト的な面白さや、 先生の著作に通じるプラスアルファの知見によるのと、 自分が火村とアリスのファンだからというのがあると思います。 だからこそ、 被害者が亡くなった日付の謎と、 最終的な犯人の動機には、どうしても納得できませんでした。 こんなに心をドキドキさせて、え・・・?そんなことなの?? とぽーんと投げ出された気持ちです。 火村とアリスのファンなら、面白いです。 でも、この本を先生の本を読んだことのない人には絶対に勧めません。 あとがきに書かれていたように、 これは数あるミステリの中の、「X」タイプなのかもしれません。 でも、大ファンだからこそ次回作を期待しています。 ずっと読み続けます。 | ||||
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まず、国名シリーズ長編と言う事でとても期待しすぎていたせいか、犯人はインド倶楽部の誰かだと分かっていて、一番出番や発言の印象が薄い人が犯人で、自白してくると言う結果に驚き、呆れました。 過去に脅される夫婦が犯人では意外性が無いですが、前世を信じ切っている設定に吐き気がし、作品中有栖も怒りを感じる「ストーカーや虐待で死んだ子供・若い人達に、前世が悪い事したから仕方が無いというなら」、やり残した事、別れ別れになった愛する人はどう思うか。それでは今生で良い行いをして来世をよくする時間も無い、救いが無いと思い、なんでこんなテーマにしたのかはなはだ疑問です。 今回面白かったのは野上刑事の温泉まで調べに行く時間、彼の人生感、家族への思い、不器用ながら火村の才覚を認めている自分をさらす当たりでした。 散々長く引っ張って証拠も無いのにいつも通り「もしこうだったら犯行は可能か?」と言う火村先生の解決法は面白いですが、亡くなった私立探偵が見つけてきた「輩」達が話しているうちに自己暗示に掛かっていくようで、ミステリー枠でこんなの有りか?と不満です。 買う前に立ち読みで、犯行自白するところを読んでから購入をお勧めします。 | ||||
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個人的には、読後こみ上げてくる何とも言えない絶妙な気持ち悪さが好きです。 | ||||
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好きな作家さんの好きなシリーズということで発売日に購入し、旅先で読了。 さすがの読みやすさで、ボリュームの割には長さを感じさせません。 あとはインド倶楽部のメンバーの思考にどこまで共感(理解)できるかの読者側のスタンスで評価が分かれるのかなと思われます。 | ||||
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久々の国名シリーズで期待していただけに、本格推理としても、火村とアリスの物語としても中途半端な印象を受けました。 際だった謎は提示されず、どちらかといえば動機探しが中心、キモは「前世」ということでしたが 如何せん「前世」の描写が少ないために名前も覚えないし、思い入れもないまま物語が終わってしまった。 往年の島田先生ならば「前世」の内容だけで作中作を書いちゃうと思うのだが、有栖川先生はそこまで大掛かりにしたくなかったのかな? 細かいネタは面白いし、キャラクターも魅力的 何より野上さんの活躍や心情、考察が楽しめるのがよかったと思います。 | ||||
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