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ニコラス刑事さんのページ


自己紹介
子供のころから本が好きです。数字よりも活字(笑)。小さいころ読んで自分の胸にインパクトがあったのは『15少年漂流記』などで、本や映画をこよなく愛する心は永遠の少年です。
ミステリが好きになったきっかけ
これはやはりシャーロック・ホームズを読んでからです。そしてクリスティーの『そして誰もいなくなった』を読んで衝撃を受けたのを今でも忘れられません。
好きな作品の傾向
好きな傾向のものは『9マイルは遠すぎる』や『空飛ぶ馬』など些細な事柄を論理的に積み重ねて推理し真相に至る、そういった作品が好みです。好みでないのは時刻表トリックのものとかですね。でも『点と線』はまた別物ですね。ミステリーの醍醐味はやはり嵐の山荘ものですね。不可能犯罪を解き明かす名探偵、自分も物語の中に入り込んでパズルを解く、楽しい時間です。
オススメしたい作家や小説
他の人にお勧めして、どう捉えられるか曖昧ですが泡坂妻夫氏の『花嫁の叫び』はとても好きな作品です。
もし、未読の方がおられたら是非読んでみて欲しいと思います。

レビュー数
324
最近のレビュー
9pt
8pt
8pt

宮部みゆきワールド

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あの杉村三郎を主人公とした短編集。東京北区の北東部に私立探偵事務所を構えた彼のもとにやって来る依頼人たち。四つの短編が収められた本書はどれも宮部みゆきらしい物語が展開する。やって来る依頼者の相談事は日常の謎的なアプローチだけれど、調べ始めるとこれがけっこう重かったりするのがどうも違和感を感じてしまう。これはどうしてかというと、彼の周りにいる人たちは皆人情味たっぷりで落語の世界の住人のような善人ばかりであり、杉村三郎という人間と彼らとの関わり合いが微笑ましく描かれているから。だけど持ち込まれる相談事の奥には殺人という凶悪な事実があり、その陰と陽の落差が大きくて読んでいるこちらはちょっと気分が沈んだりするのだ。杉村三郎というキャラクターから言えば殺人などのないコージーミステリーでいいのではないかと思う。彼のキャラクターとしては、人が人を殺すという出来事などのない、普通の暮らしの中で起きるちょっとした謎めいた現象を解き明かすという探偵の方が向いていると思うのだが。とはいっても相談事を調べていくと意外な真実に行き当たるというパターンではあるがそこは宮部みゆき。物語を作る才能がしっかりと発揮され、どれも展開の妙と意外性が楽しめる。つまりはいつ読んでも宮部みゆきは安心して読めるということ。

8pt

刑事の日常

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後妻業を読んでからこの作家にハマった。つまりはこの人の文章が自分にはぴったりくると言うこと。大げさでなく地味でもなくどちらかというと簡潔ともいえる書き方で物語が進むのだけれど日常が上手く書かれていて読み進むのが楽しい。どの作品でもそうだけれど登場人物が酒や食い物に金を使うことには頓着しないところがあって、ある意味こちらにはそこが小気味よくてストレスの解消になるところもある。女に関してもそうで自分には出来ない生き方が読んでいて痛快と感じるのがこの人の作品の本筋だろうと思う。一課ではなく薬対課の二人の刑事の遠張りという何気ない日常から始まるこの物語はある意味淡々と進む。しかし、オマケのような拳銃発見という事態から思わぬ方向に二人の刑事も振り回される事になる。和歌山の刑事もキャラ的には面白く三人での特捜捜査も和歌山の刑事の云う通り捨てられた三人であるのは間違いないだろう。そんな三人がじわじわと足を踏み外していく様が読んでいてとても分かり易い。下っ端刑事の心情と思惑がストレートにこちらに響く。書き方の妙とセリフの面白さ。やくざ社会や企業の裏の顔と言ったところはこの人の独壇場ともいえるほど的確で物語に馴染む描き方だ。何冊か読んだけれど例の刑事コンビとは違う二人の刑事の物語だが好き嫌いでいえばこっちの方が自分は好きだと言える。ラストもまぁそんなところだろうと納得して読み終えた。この人の作品をもっともっと読みたいと思うが意外と高齢の方なので新作が出るのか分からないが期待はしたいと思う。

7pt

そっちの話しかい!

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話題になっている本ではあるけれど、ネットのレビューとか一切見ないで予備知識なしで読みました。文庫本上・下の二冊になっていて、読み始めると上巻は面白かったんです。階段の上から掃除機のコードを足に絡ませて転落したように見える家政婦の死体。館に入るには窓を割って入るしかない状態。その家政婦は詮索好きでいろいろと人の秘密を知っていた様子。出てくる人物は誰もが思わせぶりなモノローグで怪しさに満ちている。そして館の主の殺人事件が起きる。雰囲気といいバラエティに富んだ登場人物たちといい読みながらのワクワク感はどんどん膨らんでいく。しかし、下巻になるとそのカササギ殺人事件を書いた作者が死亡する。自殺か事故かそれとも・・・・・・。といった展開で作者の死と作品の中の犯人捜しの双方を読者は追っていくことになるという趣向。ミステリのネタはいろいろとバラ撒かれており手が込んでいる。しかし、ネタそのものが本国ならともかく日本の読者ではちょっと付いていけないと思う。人名のことやらなんやら英語に詳しくないこっちにはそんなことはピンと来なかった。ミステリとしてのお遊びが言語の違うこちらにはダイレクトに響かないのがもどかしいとなるんですよね。作者の人となりも周りの人物が云うように好人物とはいいがたい人間のように作られているのもどうなのかと思う。そんな人物では自殺なのか事件なのか熱を持って調べるのもおっくうになる感じで、下巻では一言一句目を凝らして読み進むということがしんどくなってきた。つまりは上巻のまま物語が進みミステリとしての醍醐味を味わいたかった。仕掛けそのものはミステリファンには受ける趣向だろうけれど、個人的にはちょっと違っていて残念な感じが大きい。

9pt

アウトロー小説の面白さ

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建設コンサルタントを仕事とする二宮にはサバキを依頼する相手として極道の桑原は顔見知りだった。シリーズ一作目はこのような二人の関係だけれど二作目、三作目、となると二宮が桑原に引っ張り廻されるようになる。この一作目でもその下地が出ていてなんだかんだと引きずり回される二宮の様子がオカシイ。だが二宮も堅気とはいえ博打は好きだし酒や上手い食い物には目が無い。そして金にも執着する。一作目として人物の造形がキチンとし、二人が動き回る行動原理もハッキリしている。後はどんなドラマを描くのかとなるが、そこに産廃という現代にとって無視できないゴミ問題を絡ませてきた作者。関西弁のノリの良さ。二人のセリフのバカバカしいやり取り。大阪を舞台にしたドタバタ劇だけれど内容はリアルで、世間に名の通った企業でもひとつ裏側から見れば、というありきたりの設定もこの作者にかかればずいぶんと納得させられる話になる。絡まる人間の欲が物語の面白さにつながるのだけれど、この物語に善も悪も無くただ金を巡る駆け引きで最後に誰が勝つのかというハリウッド映画的な面白さがこの本のすべて。大阪中を走り周り殴り殴られ金の匂いを追っていく二人の行動が痛快なエンターテインメントだ。二人のコンビの絶妙さがこの物語を面白くし、読んでいて飽きさせないポイントになっている。

9pt

北の怖さが伝わるお話

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二宮が疫病神と嫌う桑原にいつものパターンで引き込まれて北朝鮮まで行くことになる話の導入部も無理が無く相変わらず物語の展開が上手い人だと思う。最後に次の資料を参考にしましたと北朝鮮関係の本がズラリと示されているようにこの作家は徹底した掘り下げ方をする。しかし、物語そのものは金の奪い合いでありシノギのためには相手を出し抜くことしか方法がない。云ってみればそんなドタバタ話しだけれどこれが面白い。北朝鮮での二人の行動もデティールがしっかりしているから否が応でも緊迫感が増す。主人公の二人も調子よく無傷でスイスイ危機をかいくぐって行くというような都合の良い軽さはない。二宮などはヤクザに捕まりボコボコにされることは何度もある。しかし、機転を利かせてそこを抜け出すのがつまりは金だ。金を武器に人を動かし情報を集める、そんなシンプルな方法で裏側に潜む奴らに迫る二人。刑事の中川や死んだ親父の昔の彼女などが重要な話を聞かせたりと、少し都合が良いがその辺は誰かが話さないと物語が先に進まないのでやむを得ない。北朝鮮であったり産廃であったり詐欺師や乗っ取りの話しで出てくる金融や整理屋などの裏社会の話しもこの作家は詳しく調べて書いているのでより物語に深みが出る。そんな中イケイケヤクザの桑原と引っ張り回される二宮の笑える生き方と金への執着心。舞台となるのはいろんな業界の裏の部分だけれど、この作家の筆の確かさはどれもスカッとしたエンターテインメントにしてしまう。さて次はどれを読もうかとニヤニヤしている。

9pt

直木賞受賞作ということで

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直木賞受賞作ということで手にしたが大阪を舞台にしたハードボイルド小説といった感じ。つまりフィリップ・マーロウのお話を大阪を舞台にしたらこうなるって意味。セリフは当然大阪弁なので何となくユーモラスで読んでいて面白い。桑原と二宮のやり取りなどはニヤニヤしてしまう。文章も簡潔というかくどい描写はなく展開がスピーディで面白い。展開と言えば先が読めないのも特徴で話が進むほどもつれてくる。いろいろな出来事と人物が入り乱れるのだが、二人の行動がそれを一本の線にしていくところがミステリの謎解きの部分に当たり読みだしたら止まらない。先に『後妻業』を読んでテーマになるところを詳しく調べてあったり、話の展開が上手く面白いなという印象の作家だった。出てくるいろいろなエピソードも上っ面だけの知識だけで書いてはいないので物語世界をガッチリとしたものにしている。『悪名』の八尾の朝吉と清次のコンビに似た二人の行動を追っていく物語だが、二人が動くのは金のためであり生き様はとてもシンブルだ。酒と上手い食い物、それらに金を使うのには金額など頓着しない。こういったところも読み手のストレスを発散させるところがあって面白い。どうもこの作家にハマったようなのでこのシリーズを読んでみようと思った。

8pt

期待を込めて読む

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『そしてミランダを殺す』のあのワクワク、ドキドキ、ハラハラが染みついている私はどうしても期待してしまう。まぁ、悪くはないんです。著者らしさは十分に出ています。物語の組み立て方などミステリファンの心をガッチリと掴んだお膳立てで書かれています。出てくる人物も誰を信用してその視線で読んでよいのか迷います。文章も『そしてミランダを殺す』のように物語に入り込みやすく、それでいて下品でなく洗練された胸に沁み込む文章です。余談ですが、フランスでもっとも人気のあるミステリ作家と言われているギヨーム・ミュッソの『ブルックリンの少女』をいま読んでいますが、物語は面白そうですがどうも文章がつまらないというか、浅い感じであまり楽しみながら読み進むという感じじゃないんです。この人に比べればピーター・スワンソンの文章は段違いに素敵です。良く情景が分かるし人物の息遣いまで感じ取れます。ただ、迷わせて結局それか、と感じさせる内容のお話では『そしてミランダを殺す』以上にはなり得なかったと言えます。コチラが大きくハードルを上げているので、そうなるのでしょうが残念です。でも、楽しめるのは間違いありません。過去の出来事で心に傷を負っている女性とシリアルキラーのような男との対決。ありがちな構図にちょっと捻りを加えた物語ですが、ミステリファンを飽きさせることなく最後まで引っ張り読ませるのは流石です。

8pt

有名な本ではあります

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単行本上・下巻に別れた圧倒的ボリーュムの本。ある場所で出会った少年二人と一人の少女。 そして17年後ふたたび出会う三人。一人は刑事、もう一人は弁護士、そして少女は看護師になっていた。そんなところから物語は始まる。17年前と現在を交互に見せながら展開する物語はしかし暗い。この三人はどうしようもなくネガティブだ。そこが読んでいてイライラする。ハッキリ言ってこんな話は読みたくない。親が子供への虐待や育児放棄は今やすっかりおなじみだ。子どもの心に深く傷をつける。それは分かる。理解できる。父親に殴られたことから窃盗症となり万引きが止められないという人物のニュースも見た。他人には到底踏み込めない心の深い奥底にはどんな感情が渦巻いているのか分からない。でも17年も経っている。刑事や弁護士に看護師になっているだろう。その間に過去はどうあれ社会の中でいろんなことを見て経験して身に付けて来たものがあるはずだ。心の奥底にあるものに蓋をして生きて来たというけれど、ちょっと違うのじゃないかと思う。孤児同然の暮らしで虐げられた子供はみんな他人を寄せ付けない性格となりチンピラや半グレからヤクザになるとでも言うのだろうか。まったくこの三人の思考や行動にはついていけない。そういう物語だと思っていても読んでいてイライラが募る。奈緒子の死には憤りを感じる。梁平、お前は刑事だろう。最低な奴だ。過去なんでどうだっていい!現代で起きる二件の殺人事件。そして17年前の山での秘密。すべてが明らかになるまでの暗くウジウジした話。大勢の登場人物をキメ細かく描き丁寧に描写するその筆力で物語世界に取り込まれる。だが疲れる物語だ。こんなうっとおしい物語は勘弁して欲しい。土橋という医師にもイラつく。優希が私には構わないでオーラ全開でバリアーを張っていることに対して何の手立ても講じない。学識と経験を積んだ医師だろう。山に行くことに関して普段とは違う様子で議論を吹きかけている姿にも何も感じないぼんくら医師だ。これはつまり作者の考える方向に沿った喋りや行動をするように動かされている人物だからだ。作者が動かす操り人形感がスケスケなのがイライラを募るわけだ。仔への虐待やネグレクトへの啓蒙の書として書きたかったのだろうか。しかしウンザリする内容のこの物語は個人的には読みたくない。精神衛生上良くない。ストレスが溜まるだけだ。


読書数
418
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