オルファクトグラム



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初公開日(参考)2000年01月
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長編小説

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オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)

2005年02月15日 オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)

姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔は、その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことに…。まったく違う世界に戸惑いながらも、失踪したバンド仲間を、嗅覚を頼りに捜し求めてゆく。新たな能力を駆使することで、姉の仇を討てるのか?新感覚の大長編異次元ミステリー。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.80pt

オルファクトグラムの総合評価:8.69/10点レビュー 45件。Aランク


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全5件 1~5 1/1ページ
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

作り上げた世界の凄さ

蜘蛛にかまれてスパイダーマンになった。まあそんなようなお話です。しかし、これが凄いのです。( ´艸`)
そんな特殊な世界をキッチリ取材し文献をあさって構築した主人公の世界。これだけでも読み物として十分満足できるほどの面白さです。
空想の世界ですが全くのほころびがありません。匂いを視覚で知覚するという彼の世界が分かりやすく読みやすく書かれています。
相当なボリュームの本ですが大部分が彼の置かれた世界について学術的な面を入れて描かれています。
オイオイ、殺人犯の追跡は、と思わずにいられないところもありますが途中飽きるということはけっしてありません。
流石にセリフなどは時代を感じさせますが、今これを手にして読んでもその面白さは色あせていません。
少し気になるところを書くと、岡嶋二人のころから感じていたことですが人物造形がマンガ的だということです。
そして対する人とか組織などを描くときその捉え方が画一的というかステレオタイプに書かれているのがちょっと気に入りません。
この本でいえばテレビ局の人間とかマスコミの人間をありきたりの表現で描いていることです。チープな表現といっても良いでしょう。
読書が好きな人は色んな本を読みます。記者(といっても新聞、週刊誌、テレビのニュース班などいろいろですが)を主人公にしたお話の場合
残酷な事件の被害者の家族とか遺族に話を聞きに行きます。より事件の悲惨さや遺族の悲しさを読者に伝えるためには欠かせない取材です。
記者が主人公の時はこの辺はキッチリと書きます。野次馬気分で取材などするわけではないと記者の使命についてやその時の心情を入れながら描きます。
ところが他の話しの中にマスコミが出てくると、悲しみに暮れる家族にマイクを突き付けてとか、ネタが欲しいだけとか番組を面白く作りたいだけだとか
マスコミの人種といったものを貶めるだけのような書き方をする場合が多々あります。それは違うだろうと思うわけです。
この本でも警察やテレビ局の人間などをそんな風に表しながら書いているところがちょっと気になります。
それらを除けば非常に思いを込めた著者の熱が伝わる異色のミステリとして楽しめます。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.4:
(9pt)

この創造力に脱帽

めっちゃ面白かったです。ミステリーとしてすごい訳でもなく、特段意外性のある結末でもなかったのですか、嗅覚を利用して犯人を追い詰めていくという過程が新鮮で、最後まで飽きさせない展開でよかったです。こんな誰も経験したことのないことを自分か経験してきたかのように、すごくもっともらしく、リアリティ溢れる表現でストーリーを作る井上夢人に脱帽!

タッキー
KURC2DIQ
No.3:
(6pt)

オルファクトグラムの感想

殺人事件現場で凶悪犯から襲撃を受け、意識を取り戻すと犬並みの嗅覚を得ていた主人公。
その嗅覚を利用して、友人更に姉を殺害した犯人を探すという物語。
嗅覚を幾何学的なイメージで視覚的に捉えるという発想がユニークであり、設定の時点で大きなアドバンテージを得ている作品だと思う。
しかし、手放しで面白かったと評価できるわけでないのは、指摘されている方もいるが、まさにその通り。
かなりの長編であり、しかも犯人は相当に異常で凶悪にも関わらず、ラストに向けての、さぁ事件が解決する、犯人を追い詰めたという緊張感がなかったからだと思う。
物語が進むにつれ、主人公はいろいろな人物と出逢う。
友人、TV局の人間、大学教授、そして警察官。
その度に、主人公の特殊能力の説明があるのだ。これはさすがに冗長過ぎると言わざるをえない。
その分、異常な犯行を繰り返す犯人の動機すら端折られているように、主人公の能力以外への描写が浅いと感じました。

梁山泊
MTNH2G0O
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オルファクトグラムの感想

主人公は大怪我をした事をきっかけに、嗅覚が視覚的に見える体質になってしまう。その能力は犬以上の物であり、その力を使って姉を殺した犯人を捜し始める、と言うお話です。
作者はこのアイデアを成立させる為にSF的な設定のサスペンスにした様ですが、とにかく能力の説明に全体の大半を費やしてしまい、同じ話が何度も繰り返される事になります。割と軽い語り口でページ数にしては読み易いですが、もう少し省けるのでは無いでしょうか。相当時間をかけて取材、資料読みしたのでしょう。全部入れたかったのかも知れません。
ミステリーとしては単純でいまいちですが、サスペンス要素は結構緊張感があります。なにより、作者の情熱というか執念、そしてこの設定を書き切る圧倒的才能を感じました。

なおひろ
R1UV05YV
No.1:
(8pt)

オルファクトグラムの感想

匂いが見えるようになったミノルが姉を殺した犯人を追うというなかなか独創的なアイデアが面白い。
かなりボリュームがあるが、読みやすいのでまったく苦にならない。もう少し削って文庫1冊にできたかもしれないという意味で☆8です。

BOY
IM7XWAPW
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未読の方はご注意ください

No.40:
(5pt)

古い本なのにきれいでした

二段組の小説でとても分厚いのでまだ読み終えていませんが、きれいな本で満足しています。そして早く届きましたので驚きました。
オルファクトグラム (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:オルファクトグラム (講談社ノベルス)より
4061822233
No.39:
(4pt)

巧いなぁ

意図的にゆっくり話を進め、主人公があたらしい登場人物に出会うたび実験と説明を繰り返す
上巻の長さの原因ではあるが、これによって読者はじっくりと嗅覚の視覚化を刷り込まれる。あたかも新生児が視覚を獲得するように
下巻まで一気に読みたくなるでしょうからまとめて購入をおすすめします
オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)より
4062749858
No.38:
(5pt)

スニッファーの誕生秘話⁈

全く独立に制作された作品だと思いますが、ウクライナのTVドラマのスニッファーの誕生譚として繋がったら面白いなぁ、などと妄想しつつ楽しみました。スニッファーは日本でもリメイクされて放映されたとか by Google
この二作を原案にした映像作品があったら楽しいのになぁ〜
オルファクトグラム〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:オルファクトグラム〈下〉 (講談社文庫)より
4062750074
No.37:
(5pt)

面白かった

魔法使いの弟子たちが面白く、続いて購入。期待以上の面白さでした。
分厚い本の上下巻なので1週間ぐらいかかるかなと思っていましたが、徹夜で2冊とも完読。
いやー、面白かった。
オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)より
4062749858
No.36:
(5pt)

著者の取材に基づいた考証が良い味を出してるSFっぽいミステリー

結論で言うと、とても面白いです。そして読みやすい。ファンタジックなテーマはミステリー初心者でもとっつき易い
尋常じゃない嗅覚によって、匂いを視覚的に捉えるという能力を手に入れた主人公が、
その鼻を使って犯人を追うというストーリーです
度肝を抜くような、二転三転する展開とかは作中を通してありませんが、
そもそもテーマが普通じゃない上に、その主人公を取り巻く嗅覚の世界の描写に凄く力が入ってるので全く凡長な感じはせずに楽しめます。
主人公によって見える匂いの描写はとても美しいです。

ただストーリーは割と順当に進んでいく感じですね。
これはミステリーなのかな?サスペンス?
ミステリー初心者なので、推理してみたいなぁと読む前に思っていたのですが、あまり推理要素は無かったように思えます
犯人が読者にはわかっている所に、登場人物たちが謎を追ってついてくる感じでした。

人間が犬並みか、もしくはそれ以上の異常発達した嗅覚を持ったらどうなってしまうのか
犬は一体どのような嗅覚の世界を見ているのか僕らは実は知らない 
何故犬は飼い主の気持ちを察したりすることがあるのか、それは実は嗅覚によってのものだったりする
感情によって微妙に変化する匂いを感じ取っていると言うのだ
そんな、嗅覚を手に入れた主人公を取り巻く今までに無い世界を、しっかりとした人間描写と科学的考証に基づいて、著者の世界観で描写しています
(あとがきには参考にした、たくさんの嗅覚関連の書籍と大学の研究者などへの謝辞があり驚きました)

面白かったのですが、主人公のために役立つ小道具をつくってくれたりした、主人公のバンド仲間の友人の一人が序盤だけしか出てこなかったのがちょっと気になりました。
個人的には主人公とバンド仲間の彼と、もう一人の女の子で謎を追っていくのかなって思ってたんですけどそうでもなかったですね。
主人公が入院してたときにお見舞いに来てくれるような友人なのに、何故かあまりにも蚊帳の外過ぎて逆に笑えました。
ラストシーンでも結局出ずじまいだったことが少し気になりましたけど。読後感はよかったです

王道展開で意外とあっさり読めるけど、緻密な描写がとても濃い内容にしている小説。
とても面白い。
オルファクトグラム (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:オルファクトグラム (講談社ノベルス)より
4061822233



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