黄昏に眠る秋



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長編小説

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黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2013年02月28日 黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

霧に包まれたエーランド島で、幼い少年が行方不明になった。それから二十数年後の秋、少年が事件当時に履いていた靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに突然送られてくる。イェルロフは、自責の念を抱いて生きてきた次女で少年の母のユリアとともに、ふたたび孫を探しはじめる。長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた二人を待つ真実とは?スウェーデン推理作家アカデミー賞、英国推理作家協会賞受賞の傑作ミステリ。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

黄昏に眠る秋の総合評価:7.97/10点レビュー 39件。Bランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

秋の夜長にゆったりと読む

物語に合った文体がとても良くさらに雰囲気を醸し出すという効果を担っている。ガツガツした語り口ではなくゆっくり読み進むことがこのミステリを楽しむもう一つの要素だ。
いろいろなピースが最後に一つになる上に最後のうっちゃりがあってミステリとして満足のいく出来だ。
たった一点の問題点はある人物を探し当てるところが偶然なのか必然なのかというところ。居所を時間をかけて調べたのであろうがサラリと書いてあるので
偶然出会ったかのような印象を持ってしまう。大事なポイントと思うのでもっとしっかりした書き方をして欲しかった。


だがすべてが一本の線に繋がっていく過程をゆっくりと二人の視点ともう一人の人物の視点で語られる物語は読みごたえがある。
過酷な自然の中で暮らす人たちの生活と探偵役の老人の人生とがオーバーラップする語り口も中々良いと思う。だれしも年老いて身体が
思うように動かなければ嘆きと怒りが心中を占める。老人は身体は不自由になってもまだまだ頭は使えると、いろいろ考えて一歩ずつ真相に近づいていく様子を
丹念に描いているのがこのミステリのすべてだ。理路整然と思考するのではなく、一つ一つの出来事や他の人の話しから仮説を組み立てていくところがこの探偵役の老人の良いところであり、
この本はそこを楽しむミステリと云える。このエーランド島を舞台にしたミステリは四部作として書かれているのであとの二冊も楽しみながら読みたいと思う。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

物語の展開に合わせて、じっくりと

いきなりスウェーデンと英国で新人賞を受賞したという、スウェーデンの人気作家のデビュー作。秋、冬、春、夏と続く「エーランド島四部作」の第一作でもある。
濃霧に包まれたエーランド島で幼い少年が行方不明になってから二十数年後、夫とも別れ都会で一人暮らしをしていた少年の母親ユリアに、島の介護施設で暮らす少年の祖父から「あの子のサンダルが届けられた」という電話が来た。誰にも心を開かない生活を送っていたユリアだったが、勇気を振り絞って島に帰り、祖父と一緒に少年の失踪の謎を解こうとする。体力も金もコネも無い二人だったが、古くからの友人たちに助けられながら調査を進め、やがて第二次世界大戦直後の事件に起因する暗く、陰鬱な真実に向き合うことになった。
物語のスパンが少年の失踪から20年、その遠因となる事件から約50年という長さで、しかも探偵役が介護施設にいるリューマチに悩む老人とほとんど鬱状態の中年女性ということで、ストーリー展開は超スローペース。舞台となっているのも、夏のバカンスシーズンを除けばほとんど人の姿を見ない寂れた島の寒村ということで、とにかく暗くて重く、最初は読み続けるのがしんどい作品である。がしかし、その分だけ人物や情景の描写が丁寧で、事件の背景が判明してくる中盤以降は謎解きと濃厚な人間ドラマにぐいぐい引き込まれていく。最後のどんでん返しも、派手ではないが説得力があり、ミステリーとしての完成度を高めている。
北欧ミステリーファンはもとより、人間ドラマを重視したミステリーが好きな人にはオススメだ。

iisan
927253Y1
No.2:
(6pt)

再読はないと思うけど

よく出来た小説だと思います。
難点は、策に溺れた感がなきにしもあらず・・・・。
テオリン氏の文章力は他よりも抜き出ているのだから(もちろん翻訳も)
自然を自然のままに、人を人のままに描いてちょっぴりミステリー風味が良いと思うのだけど。




ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

黄昏に眠る秋の感想

海外物は異常な登場人物やバイオレンスなど、日本にはない刺激的な要素でスリルやサスペンスといった作品に出会う事が多いのですが、本書はそれらとは違う作品です。
非常に刺激がない。
秋から冬にかけての哀愁漂うシンミリした雰囲気。
メインの登場人物は老人でスピード感がでるアクションはなし。
ここら辺の感覚から好みに合わなかったり退屈に感じてしまうかもしれません。
単に私が中盤までページの進みが遅かっただけですが。。。

が、読み終わってみればミステリ文学といいますか、
作品に張られている伏線がミステリとしての面白さを感じ、
舞台のエーランド島の空気感やそこに住む人々の模様を味わえるよい作品でした。

読む前のオススメですが、
本書の舞台となる、『エーランド島』をGoogleの画像や地図検索で視覚的に見ておくと、より作品に入り込めます。
何かの手がかりというわけではないのでご安心を。
石灰岩の荒地や平野の何か物寂しい感じを一層引き立てると思います。

20年前に子供が行方不明になって悲壮感漂いながら暮らしていた母ユリア。
介護施設で暮らす80歳近いユリアの父 イェルロフ。
人生の終盤で、季節でいうところ冬の一歩手前と言うところ。
今頃になって何者かから子供の靴が届く。

子供は生きているのか?行方不明になった時、何が起きたのか?
現在と過去を繰り返すよくある構成の中で、読者は物語の真相を知っていきます。
読者は過去も見れるので、登場人物達より多い情報量で話を把握して行くわけですが、
ここがなんというか魅せ方が巧かったです。

途中まで面白さが分からなく読書が大変だった為、好みの点数はそんなに高くないです。
2作目以降は同じ舞台や登場人物で内容把握が容易らしいので、より楽しめそう。
続けて読んでみようと思います。

egut
T4OQ1KM0
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.35:
(4pt)

5点あげるつもりだったが

4点にした。

なにを書いてもネタバレになるから、触れないが、軽く、あまりにも軽くなってしまう。
それは、致命的ですらある。

でも、最後まで読ませるので、2点や3点にはしない。
黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018464
No.34:
(3pt)

話は悪くないが、とても読みづらい

霧の中、突如行方不明になった息子
そこから離れられない母と祖父
地元にいた悪人
 
北欧ミステリらしい、付きまとう重たい空気と、細かい人間関係でストーリーが展開していく 
話としてはそれほど独創的なものでもなく、北欧ミステリを読まれる方には、違和感なく楽しめる作品かと思います。
 
が、読みづらい
著者の本を読むのはおそらくこれが初めてなので、原作がこうなのか、翻訳があぁなのかは判りませんが、自分に合わなかったのか終始読みづらさを感じてしまった。主語が入り過ぎている感じかな?
まぁここら辺は好みでしょうか
 
別の言い方をすれば、読みづらさを忘れるくらいに面白い・・・とまでは感じなかったということ
 
もう一作は読んでみようと思います。
黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018464
No.33:
(2pt)

恐ろしく暗く、そして恐ろしくふうたんぬるい捜査。

霧に包まれたエーランド島で、幼い少年が行方不明になった。それから二十数年後の秋、少年が事件当時に履いていた靴が、祖父の元船長イェルロフのもとに突然送られてくる。イェルロフは、自責の念を抱いて生きてきた次女で少年の母のユリアとともに、ふたたび孫を探しはじめる。長年の悲しみに正面から向き合おうと決めた二人を待つ真実とは。
黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018464
No.32:
(4pt)

切ない物語

ゆったりとしたテンポで、過去と現在を交互に書きながら最後に全ての謎がクリアになりました。そういう意味ではスッキリなのですが、それで分かった事実が切なかったです。読後の感想としては、皆さん残された人生を前向きに生きていってくれればいいな、という感じでした。
黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018464
No.31:
(4pt)

いかにも北欧ミステリらしい淡々とした雰囲気

いろいろと北欧ミステリに手を出してきましたが、この作家は初読です。いかにも北欧ミステリらしく、全体が寒々とした暗い色調に覆われています。荒涼とした灰色と薄青の海と空、スウェーデン南東にあるエーランド島に広がるという石灰岩平原、あちらでは人の肌や髪、目の色も薄いですがが、風景の色も薄く淡いような気がします。

ある時、小さな男の子が忽然と姿を消し行方知れずになります。それから二十数年たっても、残された母親とその祖父はそれをひきずっていて立ち直れていません。殺されたのではないか?そして殺したのは、当時ならず者と言われていた金持ちの息子ではなかったのか?彼は逃げてきたナチスのドイツ兵2人を殺して海外逃亡しました。ストーリーは、そのならず者ニルスの視点から見た過去の出来事と、現代に生きる母親ユリアと祖父イェルロフの話が交差して進みます。祖父イェルロフは年老いて不自由になりつつある体で老人ホームに入居していますが、様々な手がかりからある推測を持っていて、自分なりにあれこれ調べてみようとしますが、どうしても動きが鈍く限られた行動しかできません。それにあわせるかのように小説の進み方もゆっくりしているので、読んでいてじりじりしてくる人もいるかもしれません。実際、とても長い小説で、話をはしょろうと思えば3分の2くらいにはできたと思います。が、過去と現在の話から少しずつ明らかになってくる真相は緊迫感に満ちていて、この過程をじっくり味わうのがこの小説の醍醐味だと思います。

真相はとても意外なものでした。個人的には、ならず者ニルスにも哀れみを感じてしまいました。ただ愚かなだけで本当の悪人ではなかったのでは。そして、主人公ユリアの気持ちを思うとやりきれなくなりますが、最後、未来への希望がほの見えるところが救いでしょうか。人間性を深く描くという点では、作風がややトマス・クックに似ていると感じました。北欧ミステリ好きにはおすすめです。
黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018464



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