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黄昏に眠る秋



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黄昏に眠る秋の評価: 7.25/10点 レビュー 4件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.25pt

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(8pt)

物語の展開に合わせて、じっくりと

いきなりスウェーデンと英国で新人賞を受賞したという、スウェーデンの人気作家のデビュー作。秋、冬、春、夏と続く「エーランド島四部作」の第一作でもある。
濃霧に包まれたエーランド島で幼い少年が行方不明になってから二十数年後、夫とも別れ都会で一人暮らしをしていた少年の母親ユリアに、島の介護施設で暮らす少年の祖父から「あの子のサンダルが届けられた」という電話が来た。誰にも心を開かない生活を送っていたユリアだったが、勇気を振り絞って島に帰り、祖父と一緒に少年の失踪の謎を解こうとする。体力も金もコネも無い二人だったが、古くからの友人たちに助けられながら調査を進め、やがて第二次世界大戦直後の事件に起因する暗く、陰鬱な真実に向き合うことになった。
物語のスパンが少年の失踪から20年、その遠因となる事件から約50年という長さで、しかも探偵役が介護施設にいるリューマチに悩む老人とほとんど鬱状態の中年女性ということで、ストーリー展開は超スローペース。舞台となっているのも、夏のバカンスシーズンを除けばほとんど人の姿を見ない寂れた島の寒村ということで、とにかく暗くて重く、最初は読み続けるのがしんどい作品である。がしかし、その分だけ人物や情景の描写が丁寧で、事件の背景が判明してくる中盤以降は謎解きと濃厚な人間ドラマにぐいぐい引き込まれていく。最後のどんでん返しも、派手ではないが説得力があり、ミステリーとしての完成度を高めている。
北欧ミステリーファンはもとより、人間ドラマを重視したミステリーが好きな人にはオススメだ。

iisan
927253Y1

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