卵をめぐる祖父の戦争



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初公開日(参考)2010年08月
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長編小説

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卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

2010年08月06日 卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父のレフが戦時下に体験した冒険を取材していた。ときは一九四二年、十七歳の祖父はドイツ包囲下のレニングラードに暮らしていた。軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された彼は、饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索に従事することに。だが、この飢餓の最中、一体どこに卵なんて?―戦争の愚かさと、逆境に抗ってたくましく生きる若者たちの友情と冒険を描く、歴史エンタテインメントの傑作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

卵をめぐる祖父の戦争の総合評価:9.23/10点レビュー 71件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(6pt)

卵は貴重品

ラストシーンが良かったです。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

卵をめぐる祖父の戦争の感想

傑作。久々に濃密で爽快な読書体験でした。

海外作品なのに読みやすく、かつ戦争物は堅苦しいというイメージを払拭するユニークな作品です。

正直、本書は意味不明なタイトルと戦争小説のイメージから記憶に留めていませんでした。
きっかけはハヤカワ・ポケット・ミステリの情報を調べていた時に、2010年のリニューアル第1弾として本書が選ばれている事を知り注目。何かが変わる時の作品は関わる人々の強い思いが込められた物になっているだろうと言う点と、世の評判が良かったので手に取りました。

祖父から当時の戦争の様子を語ってもらうシーンで物語は始まります。

舞台はレニングラード包囲戦。第二次世界大戦、ドイツ軍が大都市レニングラードを包囲し食糧の供給が断たれた飢餓地獄の街。食べ物が無い為、図書館キャンディと称する本を口にして糊付けに含まれる蛋白質を補給して栄養を取ったり、人が死んでいれば死体の持ち物を物色するなど凄まじい状況が描かれています。

主人公の青年が仲間と共にドイツ兵の死体から所持品を物色していたところ、運悪くソ連の秘密警察に見つかり略奪罪として捕まってしまう。射殺されてもおかしくない状況で、秘密警察の軍の大佐から5日後に行われる娘の結婚式にケーキを作ってやりたいから卵を1ダースもってこい。と命令を受ける。

卵はもちろん鶏も犬猫もいない飢餓状況の重苦しい状況において、ケーキを作るというなんとも皮肉でユーモアな目的が描かれているのが面白いです。邦訳のタイトルが逸品で本書はこの卵をめぐる冒険小説となります。
(全然違うのですが、『走れメロス』のタイムリミット感や『宝島』のワクワク感のようなものを感じました。)

道中は超お喋りな青年コーリャと旅をするわけですが、このコーリャがとても良い味をだしています。詩の引用をふりまいたり、思春期の男の子なので、女の事や下ネタ話など思うがままに喋りまくる。そしてこの会話文が非常に楽しく絶妙です。舞台設定は非情な戦争背景を描いていながら、物語の進行は主人公とこの青年コーニャのおかげで、とてもユーモアに仕上がっています。

戦争背景、残酷な描写、ハラハラドキドキな冒険、青年達の成長、バカ騒ぎ、ロマンス、活劇、etc……。これらが軽妙な文章で描かれていまして、小説ならではの面白さを堪能しました。しゃれた翻訳が素晴らしかったです。

死の緊迫状況があれど祖父が語る昔話なので、祖父はちゃんと生きているという安心感が根底にあるのも良いです。ミステリとしてどうなのか?と言われると、これは広義のミステリーですね。ポケミスが良質なエンタメ作品を扱っていくという思いや、質の高さを改めて感じました。

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egut
T4OQ1KM0
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No.69:
(4pt)

「ゲームオブスローンズ」と「Netflix版・三体」のプロデューサー・デイビッドベニオフによるミステリ

GOTと三体のプロデューサーの一人である、デイビッド・ベニオフが書いたミステリで、宝島社の「このミステリーがすごい」2011で第3位を獲得していると知って、作家としても活躍している人だと初めて知り、興味を持って読んでみました。ベニオフが祖父母の家を訪ね、祖父から戦時中の体験を聞き、それを小説にまとめるという体裁をとっています。手に汗握る展開もあり、あっと言う間に読み終えましたが、読後に解説を読んで、びっくり。解説にどんでんがえしがありました(笑)。これ以上言うとネタバレになってしまうので、言いませんが、これから読まれる方は、解説まで読まれることをお勧めします。
凡庸な小説が脚本家の手で、優れた映画やドラマになることはしばしばあることです。砂の器はその典型ですかね。私は「三体」の原作は読了後も面白いとは思いませんでしたし、男女関係やすぐに暴動に走る人民の行動にもとても共感できないものを感じましたし、テンセント版(中国版)のドラマもダメでしたが、同じ原作をもとに、GOTのプロデューサーコンビであるベニオフとワイスが脚本を手掛けたNetflix版の「三体」は非常によくできていました。GOTのシーズンフィナーレは批判されていて、私もがっかりさせられましたが、この小説やNetflixの三体の出来を見て、ストーリーテリングの力量はやはり素晴らしいと思わされました。
卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)Amazon書評・レビュー:卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)より
4150018383
No.68:
(5pt)

面白かった

レニングラード包囲戦、戦争の悲惨さを表現しつつもユーモア溢れる場面があったりと、退屈させない作品でした。
卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)Amazon書評・レビュー:卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)より
4150018383
No.67:
(5pt)

本を読み終えるのが惜しいほどの文才

いつまでも読んでいたくなる、引き込まれる文章です。最初の一文からして。文才を感じます。物語が二転三転し、意外な展開が次から次へと起こります。感動あり、涙あり、青春あり、1冊の文庫本とは思えないほど、内容が濃いです。また、登場人物もクセは強いですが、魅力的です。何度も読み前したくなる、傑作です。
卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)Amazon書評・レビュー:卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)より
4150018383
No.66:
(5pt)

紛れもない傑作

あらすじを読んで、戦争物はちょっとなぁ〜と避けてしまうには勿体ない傑作。
時代や状況は絶望的なはずなのに、ユーモアが散らばめられていて読む手が止まりません。苦しいのに笑える、笑えるのに切ない。
意表を突かれることもあり、胸が詰まることもあり、それでいて読後感は爽やか。
非の打ち所がない傑作です。
卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)Amazon書評・レビュー:卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)より
4150018383
No.65:
(5pt)

戦争・・冒険・・小説・・ストーリーの面白さに満ちあるれている。

戦場をテーマにした小説は難しいと思う。派手なアクションなら映像にかなわないし、
つい戦争の悲惨さといった安易なテーマ主義に陥ってしまう作品も少なくない。
かといって、戦争の本質的な部分である非人間性とでもいうべきものから目をそらしてしまうのもどうかと思う。

この作品は、そんな思いに応えてくれる、稀有な小説だ。きわめて上質のエンターテインメント冒険小説であるとともに、戦場に満ちる悲しさもあますところなく描き出している。さらに、青春小説の趣もあり、多彩な魅力を持っている傑作である。

ある理由から卵を探すために戦場をさすらう主人公の二人組の道行は、適度なアクションとエスプリのあるユーモアが交互に組み合わさりながら進行していく。読者はページをめくるごとに、ドンドン引き込まれ、あっという間に読み終えてしまうだろう。

それにしても、卵が象徴していたのは一体なんだったのか?深読みもできる、本当にすごい作品だ。
卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)Amazon書評・レビュー:卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)より
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