25時
- 青春小説 (221)
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映画はもう何度か観ている。原作は今更ながらに読んだ。 ナットやジェイクが彼に抱く印象、記憶に残る逸話の数々がモンティの人物像を魅力的にしている。 なんというか美しさと賢さと強運を享受して生きてきて、本人はそれが恵まれたこととも思っていない。ちょっと愛着障害入っていそうでもある。それほど持っている人が享受してきたものをみな失うまでの最後の1日を読者は見届ける。 スラッタリーのモンティへの男の友情、ナチュレルへの欲望、それが炎と化すようずるいやり方で誘導されてモンティのスラッタリーへの頼みは叶えられるシーンが最大の見せ場であるが、 名脇役ドイルとの出会いのシーンを冒頭にしているところとか、どうとでもとれるラスト(死んだ?逃亡した?逃亡成功したもう一つの人生を夢想し刑務所に向かう?)だとか、いちいちいい具合に心掴んでくれる傑作であった。 訳で残念な1箇所があった。メアリーのブーツ、改訂する時はドク・マーテンズからドクター・マーチンに直してほしい。 | ||||
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やっと、ベニオフのデビュー作を読みました。 さすがです。 こういう清冽なデビューを果たした作家なのですね。 私は、『卵をめぐる祖父の戦争』に魅了され(二度も三度も読み返し)た読者です。 ベニオフの他の作品も読んでみたいと思って、この『25時』を手に取りました。 やはり読みやすく、物語にすっと入ることができ、あっという間に読み終わりました。 でも、『卵をめぐる…』ほどの感動はありませんでした。 仕方がないですね。 青春物語としては共通していますが、時代も設定も全体のテーマもまったく違いますから。 でも、心の底の深いところを(直接的な言葉ではなく、そこはかとなく)描き出すという点では、やはりベニオフだ!と思いました。 この作家、脚本家としても超有名な作品を書いているのですね。 あの『ゲーム・オブ・スローンズ』も。 小説のなかの台詞がやけに生き生きしているのも、それで納得です。 ファンとしては、彼にはもっと小説を書いてほしいですが!! | ||||
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麻薬密売人のモンティは26歳。幼い頃消防士になることを夢見みていた、スポーツマンでハンサムなモンティは、高校生にして麻薬の売買いに手を染めてしまう。誰もが認めるいっぱしの男。美しい恋人に、豪華なフラット、スポーツカー。有名クラブには顔パスだ。ところが得意の絶頂は長くは続かない。突然の麻薬捜査官の訪問で終止符を打つことになる。 麻薬不法所持で7年の判決を受け、モンティは、明日収監される。刑務所での過酷な日々を思い悲嘆にくれるモンティ。父、恋人ナチュレル、親友のジェイコブとスラッタリーは、モンティの別れの夜に集う。残された時間はあと24時間。 ・・・ 海外ドラマや翻訳小説で知る限り、あちらの刑務所はハンサムな白人男性にとって、悲惨なところであるらしい。本作品でも、死を選択肢とするモンティの憂鬱さが重くのしかかってくる。真冬のニューヨークの寒々とした空気感が、清々しくもありながらブルーな気分に拍車をかけるようだ。 モンティが収監されることに動揺する人々。父は息子の金で商売を続けたことを悔やんでおり、高校教師のジェイコブと投資銀行トレーダーのスタッタリーは、友情を保ち続けていくことの困難さを感じている。ナチュレルはモンティの金で贅沢をしていたものの、どこかでホッとしている自分を発見する。プロローグで死の淵から救った犬のドイルだけは、モンティに対して真っ直ぐに親愛の情を示す。 本作品は、そんな登場人物たちが織り成す24時間の物語だ。裏切りあり、すれ違いあり、友情の再発見ありの濃密な一夜である。交わされる会話は、おしゃれすぎず、かといって野暮ったくもない。いい頃合だ。サイドストーリーもストーリー全体に厚みを持たせることに成功していると思う。モンティに懇願され、スラッタリーが心ならずもとった行動とは何か。それははたして友情の証だったのだろうか。 締めくくり方が特に素晴らしい。刑務所に向かう途中、街並みを眺めながらモンティが見たのは、白日夢? それとも、未来?一抹の寂しさをともなった余韻を残していく。 | ||||
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「卵をめぐる祖父の戦争」に感動し、この作品にトライしたのだが、この作品は生理的に受け入れられなかった。 ケチな麻薬の売人が刑務所に入るか否か、うじうじと悩んでいるだけで、読んでいて非常につらい。 その設定が受け入れられるならば、その時間を美しく過ごすとこや、男の友情とか心に触れるものはあると思うが、そこがクリアできないとただのナルシストの煮え切らない物語になってしまう。 日本は麻薬がアメリカのように常態化している社会でもないので、その点でもピンとこないものがある。 思春期に差し掛かる頃、或いは青春期を迎えている頃に読めば、自分が日頃気付かないでいるものの大切さ、それを失うことの悲しさなど、評価が全く変わってしまう可能性もあるが、現時点で30過ぎの自分には軽薄で無責任な青年の物語にしか思えなかった。 感傷的過ぎるきらいがあるので、女性向きの作品でしょうか。 | ||||
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映画を字幕なしで見てたのもあり、原作を読み返してみた。 このベニオフという人にはこれからも注目していきたいなと思う。 日本語になってしまっているので、なんとも言い切れないのだが、文体が非常にシャープで、温度が低い。淡々としながらも一気に読ませてしまう筆力はかなりのものがあると思うし、その温度の低さがユニークでもある。 男の友情についても考えさせられます。映画もすごく良かったし、物語の世界観を丁寧に追いかけていたので、本を読んで興味をもったら、ぜひ観てください。うらぎられません。 星ひとつ足りないのは、読み終わった後の感慨とか、感動がちょっとだけ長く続かなかったから。 基本は淡々とした世界観なんで、そこは仕方ないところかもしれないですが。 淡々と進み、読み終わった後も余韻がながい作品をこの作者なら書けるんじゃなかと期待しています。 | ||||
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