(短編集)
アデスタを吹く冷たい風
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正直なところ初めの3編ぐらいはピンとこなかった。まあこんなもんだろう、という感じだった。本当は巻頭にこそ最も面白い作品が並んでいると思うのだが、僕はむしろ4番目の『国のしきたり』から、だんだん面白いなと思うようになった。 『もし君が陪審員なら』『うまくいったようだわね』はいわゆる〈奇妙な味〉の作品で、現代アメリカ(といっても1950年代)が舞台。これはこれで楽しかった。掉尾を飾る『玉を懐いて罪あり』は15世紀のイタリアが舞台の歴史もので、なかなか味わい深い。 訳が古いので、難読漢字もちょくちょく出てくる。「懐いて」「寛い」「哂う」「践む」など、ちょっと考えれば想像できるものから、「僻陬(へきすう)」「諂諛(てんゆ)」など意味の難しい(そもそも読めない)ものまで、けっこう頻出する。まあ昔の翻訳物って、おおむねこんな感じだったかもしれない。それを考えると最近の翻訳はストレスなく読めるな、と時代の差を思った。 | ||||
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全7編を収録で内訳は以下のとおり。 ・独裁軍事国家における職業軍人にして警察官のテナント少佐シリーズ:4編 ・いわゆる奇妙な味のサスペンス:2編 ・歴史ミステリ:1編 中でも、テナント少佐シリーズの「獅子のたてがみ」が抜群に面白かった。 同じくテナント少佐シリーズの「国のしきたり」と歴史ミステリの「玉を懐いて罪あり」も面白い。 その他の作品も水準を超える出来栄え。 ミステリ好きなら誰にでもおススメできる短編集です。 ところで、テナント少佐シリーズについては、横山秀描く警察小説のような味わいを感じた。 というのは、善悪が曖昧で閉鎖された男社会での男たちの矜持を描き、そこから生じる人間ドラマに違和感なくミステリ要素を溶け込ませ、ミステリ濃度がそこそこ濃い、という点が共通しているように思うからだ。 というか、横山秀夫は警察小説を執筆するにあたり、かな~りテナント少佐シリーズを参考にしたのではなかろうか。 以上余談でしたが、私にはそう思えてならないのでした。 | ||||
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当方、ミステリ作品は結末が気になり、じっくりというよりさっと読むタイプである。大抵はそれでおしまいだが、本書はもう一度ゆっくり読みたいと思わせる作品集だった。 そう、ミステリというより一般的な文学の短編作品という印象。 本書に出てくる架空の国アデスタはフランコ独裁政権下のスペインをイメージしたものらしいが、自分が真っ先に思い浮かべたのはキューバ。 勿論本書の描写によるとアデスタはヨーロッパに属しているようなのでそうでないことは明らかだ。 あくまでもイメージの話だ。 それというのもテナント少佐のイメージがチェ・ゲバラなのだ。 描写によると思想信条はおろか容姿も全く違う。しかし何故か二人が重なってしまった。 その理由は、自分は本書の映像化を期待しており、その際テナント氏を演じるのはチェ・ゲバラのような雰囲気の俳優に演じてもらいたいと思っているからだろう。 現実的には難しいが、バンデラス氏ならどうだろう。彼はスペイン出身か。やはり本作舞台はスペインからインスパイアされたのだろう。 | ||||
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半世紀以上前の時代背景と作品自体が発する深さが非常に巧く表現されていて、トリックも昨今の国産ミステリーより遥かに練られており虚を突かれる。漢字が読みにくいのも味があり、辞書を傍にじっくり楽しみながら読むのがお勧め。 私が今年出会った本の中でかなり上質のミステリー作品。 | ||||
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テナント少佐ものの短編はどれもクラシック映画のような完成度。 ハードボイルド好きの方ならかなりしびれる一冊です。 | ||||
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