11枚のとらんぷ



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11枚のとらんぷ【新装版】 (創元推理文庫)

2023年11月13日 11枚のとらんぷ【新装版】 (創元推理文庫)

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。しかも死体の周辺には、奇術小説集『11枚のとらんぷ』で使われている小道具が、壊されて散乱していた。この本の著者鹿川は、自著を手掛かりにして真相を追うが……。奇術師としても高名な著者が、華麗なる手捌きのトリックで観客=読者を魅了する泡坂ミステリの長編第1弾、新装版で登場!(「BOOK」データベースより)




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11枚のとらんぷの総合評価:7.90/10点レビュー 31件。Bランク


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全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(7pt)

好みは分かれそうだが間違いなく世界に一つのミステリ作品

作者の泡坂氏は奇術愛好家で知られるだけあり、奇術の知識と愛が溢れた作品となっており、またその特殊な構成が確実に世界に二つとない作品を産んだと感じました。

物語は三部構成となっておりそれぞれ
一部は主人公たちのセミプロ奇術クラブのショーの様子が描かれる(ドタバタコメディのような舞台の裏で殺人事件発生)
二部は主人公が書いたという奇術トリック短編集小説という作中作(この作品は殺人の見立てに使われ、また中身に真相の伏線が隠される)
三部は主人公たちが奇術愛好者たちが集う世界的なイベントに参加する模様が描かれる(そして事件の解決へ)

といった形ですが、この作品の凄い所は上記の通り一部~三部それぞれがまったく違う、場面・構成の話でありながらそれぞれ
・その部だけでもそれが一つの物語として成立している
・物語としてだけでなくそれぞれ奇術への雑学辞典・奇術界の裏側的な一種のエッセイ・コラムとしての側面がある
・その上で一部~三部を通すことで殺人事件に対する、問題提示編、ヒント編、解決編としての一貫した物語となる
という点だと思います。

三部構成の形で奇術の世界・雑学がさまざまな側面からユーモラスかつリアルに描かれつつ、全体を通して殺人事件の発生から解決までを描いた物語になっているのです。
その内容を実際に面白いと感じるかは人それぞれでしょうが、この独創的すぎる構成には驚くほかないです。
その2つとない作風と、奇術という普段あまり馴染みのない世界の知識を豊富に与えてもらったことからか、発表から40年近く経った今読んでも古さは感じませんでした。

ちなみに私は作中通していろんな形で奇術のネタや薀蓄を読めるのは、基本的には自分の知らない世界を知れ、楽しんで読めたのですが
三部の「奇術講義会」の部分で主人公が約15ページに渡る延々の講義をする所のつまらなさだけは拷問レベルに感じました。

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

11枚のとらんぷの感想

多分再読。記憶は全く有りませんけれど、大昔泡坂作品はかなり読みましたから。Ⅰ部で事件が発生、Ⅱ部は作中作の短編集、Ⅲ部が冒頭の事件の解決篇と言う構成の長編本格ミステリーです。物語全般が「奇術」と一体となった様な作品で、正直マジックに興味が無い私は、読むのが少々キツかったですね。ただ、本格推理として良く出来ていると思います。沢山のバラまかれた伏線にきちんと気が付けば、犯行可能な犯人が1人指摘出来るのでは無いでしょうか。奇術に関するうんちくも合わせて楽しめる方には、更におススメですよ。

なおひろ
R1UV05YV
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

11枚のとらんぷの感想

物語は3部構成になっています。
第1部は、主人公が所属する奇術同好会が奇術ショーに出演する模様。
第2部は、物語の登場人物の1人が描いたトリックを題材にした作中作。
第3部は、世界中から著名なマジシャンが集まる国際奇術家会議。
このアジェンダだけ見れば「ポカ~ン」でしょう。
実際、「ポカ~ン」なわけですが・・・

第1部の最後に殺人事件が起き、第3部の最後で謎解きがなされます。
まるでコントのような失敗続きの第1部は、数多い登場人物の自己紹介的な役割も果たしています。
作者がアマチュアマジシャンという事で、ショーの裏側などが垣間見れるのは面白いと言えば面白いのですが、とにかく長く、とにかくゆるい。
「さぁ次はooooさんによるXXXXです」が登場人物分続くのですからたまりません。
ミステリを読んでいるということを忘れてしまいそうになります。
第1部の最後にやっとこ殺人事件が起き、「さぁ」となったところでの第2部。
この作中作は、いわゆる表に出なかった奇術同好会内のボツネタトリック集といったところでしょうか。そして第3部も世界マジック大会なわけです。
マジック好きにも程がある、正直な感想はキムタク的に言うなら「ちょ、待てよ」です。
実際、第2部が殺人事件の謎解きの伏線となっているというか、伏線まみれなわけですが、それに感動できるかは読み手次第ではないでしょうか。
ミステリを読んでいるんだというモチベーションを保てていればという条件付きですね。
私の場合、壁に投げつける寸前までいった、と正直告白しておきます。

で、肝心のトリックですが、
本物のマジシャン(作者)が、その手段を文章に変えて読み手に仕掛けてきたと考えていいと思います。
マジックといっても、視覚的にイメージしづらいままに読み手をごまかすような類の作品ではありません。
この作品はすっごくフェアです。誰もが納得できるはずです。
ただ「ふーん、なるほどねぇ」とか「ほぉ、たしかにね」のレベル。
まぁ、こんなにマジックマジックしてなくて普通にミステリミステリしていたら「うまいなぁ」と思えたのかも知れませんが、何れにしても驚けるものではないですね。

ただ最後まで読んでみて、高評価する人がいるのも頷ける作品。
ただ私はしない。

梁山泊
MTNH2G0O
No.6:
(2pt)

手品の品評会

ミステリーではありませんね。 

わたろう
0BCEGGR4
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

11枚のとらんぷの感想

短編集でもないのに一冊で何度楽しめることやら、手品を好きでない人にはそうでもないかもしれません。


▼以下、ネタバレ感想

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mkaw11
HAAP6CBX
No.4:7人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

画期的且つ先駆的ミステリ

島田氏の作品で当時の本格ミステリに目覚めた私は早速彼の推薦する新進の新本格ミステリ作家の綾辻氏、法月氏、我孫子氏、歌野氏の諸作に手を伸ばしたのは先に述べたとおりだが、その延長線上で各所ガイドブック等で調べていくと、東京創元社も同様のムーヴメントを起こしている事実に行き当たった。当時同社が独自に編纂した『鮎川哲也と十三の謎』という叢書は、全く未知の作家の本格作品を続々と発表しており、しかもそれが世のミステリシーンに好評をもって迎えられているらしい。その筆頭は有栖川有栖氏、北村薫氏であったわけだが、この二者に興味を持たないはずがなく、私の次のターゲットはまもなく東京創元社のミステリ作家達に決まった。確かその頃はまだ乱歩や横溝正史、小酒井不木など、戦前戦後の推理作家の全集として気味の悪い人形の絵が描かれた分厚い文庫が刊行されたばかりで、今では創元推理文庫の棚にずらりと並んだベージュの背表紙の日本人作家の文庫はさほどではなかった。そしてそこに着目した私は有栖川氏と北村氏両氏の文庫版を探したのだが、全くなく失望してしまう。今では改善されてはいるが、東京創元社の単行本作品が文庫落ちするスパンは他社が3~4年であるのに対し、非常に長く、また作品によってまちまちであった。確か私が当時のミステリシーンに着目した当時は既に『~十三の謎』が刊行されてから6年くらいは経っていたと思うが、その時点でもまだ両氏の文庫作品は出ていなかった。で、その数少ない創元推理文庫の日本人作家の諸作で目に付いたのが泡坂氏の『11枚のとらんぷ』だった。当時既に泡坂氏はミステリ作家として名を馳せており、ミステリ初心者の私にとっては雲の上のような存在であり、多分かなり作品もあるだろうから、ということで敬遠していたのだが、日本の本格ミステリに飢えていた私はそこで線を引く事になる。せめて創元社で刊行される泡坂氏の作品だけでも読んでいこうかと。その栄えある第1作が本作であった。

とかなり前置きが長くなったが、本作はまず街の文化会館で行われるマジックショーの風景が描かれる。地元のマジック同好会による公演の模様は自身マジシャンである泡坂氏の独壇場とも云える臨場感があり、一気に物語世界に引き込まれた。そうこうしているうちに殺人が起き、ミステリの定石に倣えばそこから警察の介入、現場検証、容疑者への事情聴取となるわけだが、本書ではなんとそこから『11枚のとらんぷ』と名づけられたショートショート集へと移る。つまり本書は『11枚のとらんぷ』という長編の中に作中人物が自主出版した『11枚のとらんぷ』という題名のショートショート集が織り込まれている作中作ミステリなのだ。そしてその内容も1編1編マジックに纏わる謎とオチがきちんと付けられたれっきとしたショートミステリになっているのも素晴らしい。今思えば、この中の作品は北村薫氏に先駆けること何年も前の日常の謎系ミステリではないだろうか。
そのショートショート集が終ると解決編に移るわけだが、世間の評判ではこの解決編で明かされる真相があまりよろしくない。特に本作の主眼となっている、被害者の女性の死体の周辺に置かれたアイテム類がそれぞれショートショート集『11枚のとらんぷ』で取り上げられたマジックの小道具であること自体が容疑者を限定してしまうことにこだわる声が多いようだ。さらに動機が弱い、という声もあった。
しかし私の中では本書は燦然と煌いている。これはミステリに、小説に何を求めるかという個人個人の趣向によると思う。ミステリならば驚愕のトリック、美しさを感じるまでのロジックの妙が占めるウェートが高いだろう。小説ならば魅力ある登場人物、涙を誘うストーリー、芳醇な物語世界、その類いであろう。しかし私はこれに作家の遊び心を付け加えたい。作品としての出来を損なってでも、誰もが考えなかった工夫や趣向が凝らしている作品に私はこの上ない魅力を感じるのである。その先駆者こそがこの泡坂氏である。その後私が出逢った『しあわせの書』、『喜劇悲奇劇』、『生者と死者』といった作品は彼だけしか成し得ない作品だった。作品の出来云々よりもこういう稚気を私は買う。改めてその死が惜しまれる。
で、本作を読み終わった後、開巻前の打算的な考えは消し飛んでしまう。その日から私の泡坂全作品捜索の旅が始まったのだった。

Tetchy
WHOKS60S
No.3:
(5pt)

11枚のとらんぷの感想

伏線の張り方は見事だが、作中作で話の流れが切れてしまっているのが残念。
事件から解決までの流れを分断しないためにも、事件発生前に作中作を紹介する構成にした方が良かっただろう。

エーカー
NWKWLAAY
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

11枚のとらんぷの感想

アマチュア奇術家グループであるマジキ クラブは真敷市公民館の創立20周年記念として、奇術ショウを行った。
全11人のメンバーによる奇術ショウが成功したり失敗したりしつつ、披露されていく。
何とかフィナーレ演目「人形の家」を迎えるも、人形の家から出てくるはずの水田志摩子が出てこない。
彼女はどこへ消えたのか。
何と奇術ショウの同時刻、彼女は自宅で殺害されていた。
周囲にはクラブメンバーである鹿川が、「捨ててしまうには惜しいが、実用にならないトリック」を小説化した「11枚のとらんぷ」に対応した小道具が。
いったい彼女は何故、誰に殺されたのか。
「11枚のとらんぷ」との符号は何なのか~…
といった展開になります。
あらすじに書いてあるのとほぼ同じですが。

ミステリだけではなく、奇術が好きな人には面白い作品だと思います。
構成は三部作で、第一部は奇術ショウ、第二部は11枚のとらんぷ(作中作)、第三部は世界国際奇術家会議となります。
奇術ショウの様子や、奇術そのものについての説明が結構多いです。
最後の推理に必要な情報・伏線はそこにしっかり書かれており、ミステリとしてかなりフェアな作品だと思います。

しかし、奇術ショウや奇術の説明が多すぎて、推理に関わるとはいえ、スピード感がなく、やや冗長な印象です。
また、伏線があるとわかっていても、構成の三部作はブツ切れ感があります。
私は奇術よりミステリを期待して読んだので、ミステリ<奇術な感じや、少しコミカルなドタバタ感が合いませんでした。
犯人まではわからずとも、予想できた箇所も多く、ラストも少し残念でした。
そのため、私はあまり楽しめませんでした。

奇術やコミカルなミステリ好きにはおすすめですが、スピード感や緊張感あるミステリ好きには合わないかもしれません。

▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

11枚のとらんぷの感想

泡坂妻夫さん2冊目の読了。長編の中に短編集が挿入されている。ただし奇をてらっているわけではなく、作中作も単独で面白く、解決編で効果的に使われている。ロジカルな消去法的推理も自分好みでした。奇術好きならより楽しめると思います。

水生
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