黒い白鳥
- アリバイ (477)
- 日本推理作家協会賞受賞 (110)
- 鉄道ミステリ (50)
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なかなか興味深い盲点でした。 | ||||
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楽しく読ませてもらいました。 | ||||
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企業の社長が殺され路線に投げ捨てられます。その時に死体を乗せた?列車が仙台方面で見つかります。 ここから物語は始まります。この小説の舞台は東北かなあ、と思っていますと、関西(京都、大阪)北陸、さらには九州までも広がっていきます。鬼貫警部は途中から登場します。 一つ一つ今までの捜査を調べなおし、一つのことから、それを広げて犯人を推理していきます。 ここからはネタばらしになります。最後は鉄道の路線のトリックを見破り犯人を見つけます。 この鉄道のトリックは、この路線を通った人にはわかりやすいものですが、知らない人にはわかりにくいトリックになります。トリックが分かりにくいのではなく、なぜこのような路線になっているのかが分かりにくいのです。 | ||||
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東和紡績 西ノ幡社長の射殺死体が、線路脇に横たわった姿で発見された。捜査本部は、上野発列車の屋根に残された血痕と、駅周辺に放置された西ノ幡の自家用車から、西ノ幡は何ものかに撃たれて陸橋より突き落されたと判断し、捜査を開始する。宗教団体 沙満教とのトラブルを抱え、労働組合と係争中の西ノ幡に、殺害の動機を持つものは多い。須藤部長刑事と関刑事は、捜査線上に浮かぶひとりひとりのアリバイを念入りに調査するのだが、なかなか犯人にたどり着くことができない。唯一アリバイのない沙満教の信者 知多は、行方をくらましたままだ。地道な捜査を続ける須藤部長刑事と関刑事。ほどなくして、第一容疑者の知多の刺殺体が発見される。事件はさらに混迷の度合いを深めるばかりだった。 応援を要請された鬼貫主任警部と助手の丹那は、降り出しに戻って、いちから再捜査を開始する。そして、鬼貫警部は、貸金庫に保管されたちぎれた写真を手がかりとして、ひとりの女性が事件に深い関わりがあることを探り出していく。事件の解決に向けて明るい兆しが見えたとき、さらに3つ目の殺人事件が発生する ・・・ 本作品は第十三回日本推理作家協会賞受賞作(1960年)の鬼貫警部シリーズである。 本書は、本格推理小説としてピカいちだ。タイトルの黒い白鳥=ブラックスワンが誰も予想しなかった事象を表すとおり、不可能犯罪ミステリである。 中盤までは、鬼貫警部が犯人を特定していくまでが描かれる。捜査の過程で手がかりが霧散してしまいそうになりながら、足を使って物証を掘り起こしていく。壁にぶちあたりながら、試行錯誤を繰り返し、乗り越えていく粘り強さが、鬼貫警部の真骨頂。スピード感がはなはだ乏しいゆえに、鬼貫警部にじっくりお付き合いできるかで好みがわかれそう。 犯人の目星がついてからは、鬼貫警部のアリバイ崩しを中心に展開する。2つの事件それぞれに、無関係の人々が犯人のアリバイを証明してしまうという、極上の本格ものである。最後の最後まで全ての真相はわからない。時刻表を使ったオーソドックスなトリックがあるものの、鬼貫警部の論理的な思考の冴えが際立つほどに難解だ。そんな偶然があるの という腑に落ちない点が途中見られるのだが、終わってみればきっちりと落とし前がつく。ラストの薀蓄話しも、くどくはあるのだけど、僕は興味をそそられた。僕は、晩年の鮎川哲也さんの作品を読んでがっかりしたのを覚えているが、この頃は、推理作家として脂が乗り切っていたんだろうな。本作品では、提示される謎は、破綻することなく全て解決されるので、満足感がとても高いのだ。 なお、第十三回日本推理作家協会賞は、鮎川哲也さんの「黒い白鳥」と「憎悪の化石」が二作品同時に受賞している。 | ||||
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光文社文庫版で読了。 こういうのが好きな人もいる、というのはよく理解できる。 だが、正直なところ、個人的にはあまり面白いとは感じなかった。 靴底をすり減らすような地道な捜査だとか、何度も人を訪ねて証言を入手するばかりの地味な展開だとか、そういうものについては特に気にならない。 おそらく、時刻表トリックを用いた鉄道ミステリに全然興味ないのが原因なのだろう。 確かに時刻表と睨めっこして考え続ければ、読者も推理に参加できるアリバイ崩しなのかもしれないが、 読みながらとてもそんなモチベーションが生まれることはなかった。 細かい数字がびっしりと並んでいる時刻表を見ると、それだけで気が滅入りそうだ。 それから、最終的に犯人のアリバイは崩されて、殺害の動機も充分すぎるほど存在することは明らかになるが、 それはただそれだけのことで、直接的な物証は乏しいように思う。 また、終盤で犯人が犯行の模様を自白するシーンも、悪い意味でテレビドラマ的で白けてしまった。 やはり警察側が最後まで犯人を追い詰める展開のほうが好みである。 文章は非常に読みやすく、特に詰まるような箇所もなかったので、ページ数がなかなか多い割にはスムーズに読み終えることができた。 現代でも充分に通用するこのリーダビリティの高さは評価できる。 しかし、若者に受ける作品ではないのも事実だろう。 鬼貫警部シリーズの長編で、鉄道ミステリではない作品ってあるのだろうか? | ||||
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1960年(昭和35年)に『憎悪の化石』とともに第13回日本探偵作家クラブ賞を受賞した鮎川哲也の第五長編。 「宝石」誌上に同時期に連載されていた松本清張の『ゼロの焦点』との偶然にも類似した設定が当時話題となったが、第二次大戦の影未だ色濃い世相や、労働争議などの描写は論理的探偵小説としての評価とは別に戦後風俗の貴重なドキュメントとなっている。(無論、著者の意図とは別の話であるが) 二重三重にも錯綜したプロットの展開、タイプの違う秀逸なアリバイトリックを組み合わせた巧妙さは、傑作だらけの鮎川作品中においても屈指。出世作『黒いトランク』に見られた生硬さがなくなり小説としての完成度も増している。 発表当時に同人誌「SRの会」が指摘したような瑕瑾も少なからずあるのは事実だが、不遇時代を経て著者が燃やした本格ミステリへの情熱がほとばしるような迫力がそれを遥かに上回る。私事になるが今回再読して中学生の頃にあまりの面白さに徹夜して読了したことを思い出した。 今回(2013年12月刊)の新版と初刊本(講談社)や創元推理文庫版との改訂内容を詳細に比較した山前譲氏の解説も読み応え充分。 | ||||
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