ペトロフ事件
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大金持ちのイワン・ペトロフが殺される。彼には3人の甥、アントン、ニコライ、アレクサンドルがいて、彼らはイワンの遺産相続者である。それゆえ、彼らのいずれかが犯人であろうと思われるのだが、彼らにはそれぞれアリバイがある。鬼貫警部は彼らのアリバイが本物かどうかを確かめていく。 著者自身は、「付録1「ペトロフ事件」」で「しかしこの『ペトロフ事件』はあらゆる面で稚拙であって、習作以外の何物でもなく、(……)」と書いているが、私にはそうは思えない。私は、今までに『鍵孔のない扉』、『翳ある墓標』、『準急ながら』、『白の恐怖』を読んだが、『ペトロフ事件』がそれらに劣っているとは思えない。これらの小説のうち、偽アリバイのトリックが一番凝っているのは『鍵孔のない扉』である。それに比べれば、『ペトロフ事件』に出てくる偽アリバイのトリックは単純だが、だからと言って、『ペトロフ事件』がミステリーとして稚拙だとは思えない。 この小説は、戦争中(昭和17年)の中国東北部(満洲)が舞台なのだが、当時の大連のありさまの描写や、登場するロシア人、中国人、日本人の描写、風景描写が魅力的で、この小説に単なる謎解き以上の奥行きを与えている。鮎川哲也は大連で子ども時代を過ごしたそうだから、彼にとってこの小説を書くことは楽しかったに違いない。 | ||||
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腰巻も栞も付いた、状態の良い古書をたまたま店頭で見つけた(かつ値段も手頃だった)ため、光文社文庫版ではなく、こちらの「大衆文学館」版で読んだ。 こちらには山前譲の資料協力で、事件発生当時の本物の時刻表だけでなく、大連とハルピンの市街図も掲載されている。 巻末エッセイは有栖川有栖。 この小説の力点は「アリバイ崩しに意外性を持たせる」べく「アリバイトリックの解明だけでは真犯人の特定に至らない」ことにある。戦時下にそこまで考え、紙資源の乏しい時期の限られた枚数でまとめた、鮎川哲也の意欲と才能に改めて感心させられた。 また、旧満州国時代の大連やハルピンの市内のようすや、満鉄特急「あじあ」の車内が、実際に旧満州に居住していた作家によって描かれている点も貴重である。 中には、トリックが単純だと言う人もいるようだが・・・ 今の日本国民は、推理小説すら作家の意図を汲んで読めないほど知的劣化をきたしているのだろうか? | ||||
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満州の雰囲気を感じたくて読みました。 なんとなく感じられる。 | ||||
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鮎川哲也を読み始めてから、もう45年になる。主要作品は、もう何度も読み返している。 最近は、目が悪くなって、文字の大きさが調整できる電子書籍を読むことが多くなり、鮎川作品も電子書籍で集めることとした。 しかし、本電子書籍は、鮎川の代名詞である時刻表も鉄道地図も掲載していない(本書の前に出版された本には、地図、時刻表とも掲載されていた)。舞台が満州であることを考えれば、必須の要件を備えていないことになる。これでは鮎川の目指した読者との知恵比べができようもない。版を改め、図表を追加すべきである。そうでなければ、本書の魅力が読者に伝わることはないだろう。これから読もうとする方には、講談社大衆文学館版での購入を勧める(価格は相当高いが)。 鮎川の長編作品で電子化されていないのは「死のある風景」と「風の証言」のみ。早急に電子化を望むものである。 | ||||
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鮎川氏の長編第一作であり、鬼貫警部が満州で活躍する鉄道アリバイ崩しものの古典的名作である。 容疑者は3人、それぞれが怪しく、それらのアリバイを鬼貫警部が一つ一つ崩していくという王道の展開が楽しめる。 メインの時刻表トリック自体はトリックというより、時刻表上そういう列車が走っていたというだけのシンプルな構成だが、それだけには終わっておらず、犯人側と警部の頭脳戦やラストの意外な真相など盛りだくさんの趣向で今読んでも充分面白い作品である。 | ||||
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