中途の家



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初公開日(参考)1962年07月
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長編小説

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中途の家 (角川文庫)

2015年07月25日 中途の家 (角川文庫)

ニューヨークとフィラデルフィアの中間にあるトレントンという町で、一人の男が殺された。被害者は、エラリーの旧友ビルの妹の夫だった。現場に向かったエラリーが調査を進めていくと、男の妻だという女性が新たに現れる。2つの都市を行き来して二重生活を送っていた男は、どちらの人格として殺されたのか?論理パズルと人間ドラマが融合した、クイーンの傑作。“国名シリーズプラスワン”の最後を飾る新訳第10弾。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

中途の家の総合評価:8.42/10点レビュー 19件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(4pt)

エラリー・クイーン全シリーズの中途の作品

非国名シリーズ第1作(?)。
前作『スペイン岬の秘密』で完結した国名シリーズから脱却した作品だが、本書のまえがきで作者自身が述懐しているように、本書はつけようと思えば『スウェーデン燐寸の謎』とつける事も出来たという。確かに本作ではマッチが重要なキーとなり、謎解きに大いに寄与するから、それでも良かったのだが、作者としてはやはり前作で区切りを付けたのだろう。

片や美しい妻を持ちつつも行商人として安物の品々を売る生活、一方で名家の婿になりながらも、相手は年増の性格のきつい女性という二重生活を送っていた被害者。しかしこういった設定にありがちな、周囲の人間関係を探る事で浮かび上がるこの被害者像は不思議な事に立ち昇らなく、犯人捜しに終始しているのが実にクイーンらしい。

そして今回では容疑者は早々に逮捕され、クイーン作品では初めてとなる法廷劇へとなだれ込む。

今までクイーンの作品では現場に残された指紋、血液、唾液といった証拠の類いが一切無視され、遺留品の数々と被害者の奇妙な姿などを基にロジックを組み立てて犯人を究明する趣向が繰り返されていたため、この法廷劇というスタイルは全く合わないだろうと思っていたが、指紋に対する調査結果を基にした証人喚問も成され、一応体裁は整っている。
つまり本作ではロジックゲームの場を現場から法廷へ移したのがクイーンの狙いだと云えるだろう(それでもエラリーは手袋もせず警察が来る前に現場を調査したりするのだが)。

面白いと思ったのは、今まで警部の息子という特権を大いに利用して興味本位で事件に携わっていたエラリーが本作で初めて他者からの依頼で事件の捜査に乗り出す点。今回エラリーは被害者が100万ドルという破格の保険金を掛けていたことで、保険会社からこれが保険金目当ての殺人事件か否かを探るよう要請される。趣味としての探偵でなく、仕事としての探偵に携わるのが新しい。
まあ、恐らくこの理由がなくともエラリーは自分の旧友が事件に関わっているというだけで自ら事件解明に乗り出すのだろうけれど、この辺の新機軸は当時チャンドラーやハメットに「リアリティがない」と揶揄されていた事に対する作者クイーンなりの配慮かなと思ったりもした。

本書でも“読者への挑戦状”は挿入されており、私も一応犯人を想定したがやはり当らなかった。
しかしなんともアンフェアな感じが漂う真相だ。

理詰めで犯人が突き詰められていくが、やはり大前提を無視したロジックはなんとも頭に染み込んでこない。事件自体も一人二役の生活を送っていた被害者という設定の面白さの割にはシンプルであり、全体として小粒である。
本書の舞台である「中途の家」同様、クイーン作品体系の中休みとも云うべき作品なのかもしれない。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:
(8pt)

これもミステリーの教科書

やはり安心して読める優良な作品でした。

わたろう
0BCEGGR4
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No.17:
(3pt)

新訳

商品の質はしっかりしている。図書館に旧訳しかなかったので購入。新訳なので読みやすそう。まだ読んでないので、内容はこれから。
中途の家 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:中途の家 (角川文庫)より
4041014581
No.16:
(5pt)

やっと買えた

旧約も手に入らす、やっと新訳で購入です。
中途の家 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:中途の家 (角川文庫)より
4041014581
No.15:
(5pt)

全てにおいて先駆的

1977年秋来日したフレデリック・ダネイは(共作者のマンフレッド・リーは1971年に没している)、インタビューに答えて作者自身のベスト・スリーに以下をあげています。

1.『チャイナ・オレンジの秘密』
2.『災厄の町』
3.『途中の家』
そして番外として『九尾の猫』

本作は1936年の作で、いわゆる国名シリーズやX・Y・Z・最後のドルリー・レーン・シリーズを書き上げた後であり、スタイルの呪縛から解かれ全く新しいエラリー・クイーンの冒険をその広範な知識のもと作り上げる第一歩が本作であったと思います。プロットもですが中間部から展開する法廷での白熱したやりとりのシーンや登場人物の恋愛感情も見事に取り込む手法に、この年代の作品とは思えないくらいの『現代性』が感じられます。『中途の家』の意味にこめられたプロットの組み立て方自体そのものが最高に『現代的』です。正直、この作品は後半に向かうほど面白いです。こういった随所に光る先駆性が後の『本格』に与えた影響という点でこの作品は重要なのだと思えます。

国名シリーズやX・Y・Z・最後のドルリー・レーン・シリーズを読み上げてクイーンを理解したと思うなかれ、最高の果実はその先にあるのです
中途の家 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:中途の家 (角川文庫)より
4041014581
No.14:
(4pt)

表紙の絵がステキ

エラリーの友人ビルが妹を助けるために、ひたすら努力する姿がカッコよく、どんどん読み進めました。
陪審員制度の危うさが表されている箇所があり、制度の怖さを考えさせられました。
私はニューヨークにもフィラデルフィアにも行ったことがないけれど、その名前の響きだけで素敵な雰囲気で、想像が膨らみます。きっと、当時の両都市は今よりも輝いて、洗練されていたのでしょうね。
中途の家 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:中途の家 (角川文庫)より
4041014581
No.13:
(5pt)

国名シリーズじゃあない!

「国名シリーズプラスワン」のそのワンの部分です!っていうことだけど、国名とは一切関係ない!あくまで、越前新訳の勝手な思い込み。そういえば、創元文庫等々には国名シリーズに入っていたはずの「ニッポン樫鳥の謎」(The Door Between)は、ついに新訳では出てこなかったな・・・

 ま、それはそれとして、この「中途の家」の越前新訳。無責任な戦後版の原本を使ったものではない、初版本に基づく完全訳!っということだけでもありがたい。省略されてねえ!っていうこと。

 二重生活は男のあこがれ、夢の境地!同時に複数のおなごを愛せるこのうれしさったらない!っていうそもそも、21世紀になってようやく日本でも市民権を得た「不倫は文化じゃ」っていう定式化は…ま、これは、この際、関係ねえか。とにかく読んで楽しん下されや。
おなじみの「読者への挑戦状」もついている。エラリーが提示した9条件を駆使して真犯人を見つけ出すことができるや否や?っていうことですけどね。
中途の家 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:中途の家 (角川文庫)より
4041014581



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