(短編集)

エラリー・クイーンの冒険



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エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)

2018年07月20日 エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)

犯罪学の講師になったエラリーが、学生たちと推理を競う「アフリカ旅商人の冒険」、サーカスの美姫殺しを扱った「首吊りアクロバットの冒険」、切れ味鋭いダイイングメッセージもの「ガラスの丸天井付き時計の冒険」、『不思議の国のアリス』の登場人物に扮した人々が集う屋敷での異様な出来事「いかれたお茶会の冒険」など、名探偵の謎解きを満喫できる全11編の傑作が並ぶ巨匠クイーンの第一短編集。初刊時の序文を収録した完全版。(「BOOK」データベースより)




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エラリー・クイーンの冒険の総合評価:9.13/10点レビュー 24件。Bランク


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(7pt)

これは別の世界のミステリ

現在エラリー・クイーンの諸作の新訳が創元推理文庫のみならず角川文庫からも相次いでなされており、本書もその一環として刊行された。
通常私はこういった新訳版は既読作品では手を出さなく、本書も最初はそのつもりだったが、旧訳版では収録されていなかった「いかれたお茶会の冒険」と序文が収録された、完全版であると知ったため、改めて入手して読むことにした。

従ってそれ以外の短編については感想は書かず、ここでは未読作品である「いかれたお茶会の冒険」とその他旧訳版との相違や当初気付かなかったことについて述べていきたい。

さてその「いかれたお茶会の冒険」はエラリーが友人のリチャード・オウェン邸に招かれたところから始まる。
邸の主人の失踪事件が本書のメインだが、正直この事件の犯人は読者の半分は推測できるに違いない。そしてその動機も読んでいると自ずと解る、非常に安直なものだ。

しかしそこから死体の隠蔽方法、更にエラリーの犯人の炙り出しが面白い。

アリス尽くしのガジェットに満ちた作品なのだ。

派手さはないがクイーンの見立て趣味とまた犯人を特定するためには罠をも仕掛ける悪魔的趣向などが盛り込まれた作品でエラリーがロジックのみでなく、トリックも施すことを示した作品だ。

今回この「いかれたお茶会の冒険」以外は再読だったが、改めて読むとクイーン作品のリアリティの無さに再度苦笑せざるを得なかったと云うのが正直な感想だ。

およそ現実の警察捜査とは思えない、パラレル・ワールドで繰り広げられているエラリーの特権的立場がどうしても今読むと違和感を大いに覚えてしまう。父親が警視としても素人に堂々と事件現場を入らせて、手袋もせずに証拠となりうる物品を触らせたり、移動させたりすることは到底あり得ないし、更には警察と同等の職権を保証する許可証を持っているといった飛び道具まで登場する。そんな探偵、いや推理作家はどこを探してもいないだろう。
子供、学生の頃であればそんなエラリーを特別な存在として尊敬し、その超人的頭脳によるロジックの美しさに感嘆もするだろうが、やはり今この歳で読むとあまりにも受け入れ難い。もしかしたら私自身古典の本格ミステリを受け付けなくなってきているのかもしれない。

さて冒頭にも述べた旧版との比較をここからしてみよう。

まず「アフリカ旅商人の冒険」ではエラリーを大学に招いた教授の名前が旧訳版ではアイクソープ教授となっているのに対し、本書ではイックソープ教授と表記が改められている。 “イッキィ―退屈でつまらないと云った意味”、“イック―いやな奴という意味がある―”といった洒落が出ていることから恐らくはこちらが正しいのだろう。

また旧版とはタイトルが若干変えられているのもあり、冒頭に挙げた未収録作品だった「いかれたお茶会の冒険」は当時は「キ印ぞろいのお茶の会の冒険」となっている。このキ印という言葉、2018年の今ならばほとんど死語だろう。「きちがい」の隠語として使われていたが、今となってはそんなことを知る人も少なくなり、また「きちがい」もまた差別用語となっているから、変えざるを得なかったのだろう。

また「三人の足の悪い男の冒険」も旧版では「三人のびっこの男の冒険」だったが、これも同様に「びっこ」が差別用語に指定されていることによる改題だろう。

また久々にクイーンを読んで気付かされるのはエラリーが事件を介して美女と出逢う機会が多く、そして明らかに口説こうとしている節が見られるところだ。

「ひげのある女の冒険」で住み込みで働く看護婦クラッチの連絡先を知りたがったり、「見えない恋人の冒険」で絶世の美女と評される容疑者の恋人アイリス・スコットにはもう少し早く出会いたかったと他人の恋人であることを嘆き、「七匹の黒猫の冒険」で出逢ったペットショップの店長ミス・カーレイもその大きな瞳に惚れ、助手よろしく彼女と共に事件解決に乗り出す。また最後の短編「いかれたお茶会の冒険」でも女優のエミー・ウェロウズといい雰囲気になって一緒に列車に乗っていく。

そしてご存知のようにそれら全ては行きずりの女性であり、エラリーはニッキー・ポーターという相性のいい女性と何作か組みながらも結局生涯のパートナーを得られずにシリーズを終える。つまりはエラリー・クイーンにはロマンス要素を持たせるのはあくまで読者の興味を惹くための一要素として扱うに留まり、それを発展してクイーン自身の人生と事件とを結びつけるまでには至らなかったということだ。

その後のクイーン作品がロジックと探偵の存在意義について長く思考を巡らせていくことからも解るように、人間としてのエラリー・クイーンの深みをもたらせるのを捨て、ミステリそのものについて考えを深めていくことになった。それが日本の本格ミステリファンにとってクイーンの絶対的存在性を高めることになったのは事実だが、逆に本国アメリカでほとんど忘れられた存在となっているのがこのキャラクター小説としての深みに欠けるからだろう。


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No.23:
(5pt)

謎解き物が好きなら、読む価値あり

自分は謎解き物が好きなので、
クイーンの国名シリーズや悲劇4部作などの長編はほぼ全て読んでます
でも、短篇を読むのは今回が初めてでした
結論から言うと、読んで正解でした
名探偵エラリー・クイーンの冴えわたる推理が11篇分も楽しめたからです
満足したので、『エラリー・クイーンの新冒険』も読もうと思いました
エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104428
No.22:
(3pt)

頭に入ってこない

国産ミステリだと、ボーッと読み始めてもどんどん引き込まれて熱中できますが、海外の翻訳モノの多くは読みづらいです。
情景や人物像が浮かびにくい、会話が作り物めいているなどで、なかなか物語の世界に入っていけません。
特にクイーンは文章が難しく晦渋に感じます。
訳がそんなに悪いとは思えないので、元々がそういう文なのでしょう(ですよね?)。
そんなわけで、何が事件で何が謎で、それがどのような推理で解決されたかが、イマイチ頭に入ってきません。
分からないまま読んでいても面白くないですよね…
でも頑張って分かろうとする気力?が起きるほど、惹きつけられる謎や事件というわけでもなく。
探偵役にも特に魅力を感じないしな~
同じお金を出すんだったら、国産ミステリの短編集を買った方がずっと楽しめると感じました。
エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104428
No.21:
(4pt)

エラリーの文庫本に期待

好きな推理作家の小説です。最近、新しい翻訳者や復古本を目にして楽しみしています。
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4488104428
No.20:
(4pt)

なんだかんだ言っても

クイーンの短編は、いくつかのアンソロジーで読んだことがある。だから本書に収録されている作品にも、これは読んだな、というのがチラホラあった。が、正直なところ内容はほとんど忘れていたので、新鮮に読んだ。

クイーンはやっぱりロジックの作家なのだな、とあらためて思った。それはそれで素晴らしいし、好きな作品も多い。しかし僕はクイーンの原理主義的礼賛者ではないので、クイーンなら何でもよい、ということはない。

『ひげのある女の冒険』などは、どうにもバカげていると思った。『いかれたお茶会の冒険』などは、ロジックとプロットの融合がうまくいっている好例だとは思うが、不思議とロジックが後退するとクイーンのクセが弱くなるという物足りなさも残る。

じゃあどうすりゃいいのさ、という感じだが、まあ短編集なので、ロジックの切れ味が楽しめればそれでよいのだろう。そういう意味では、なんだかんだ言っても(なんだかんだ言ってるのは僕だけか)よくできた短編集だと思う。と、煮え切らないのは、僕が最近この手のミステリに食傷しているという個人的事情のせいです。
エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104428
No.19:
(5pt)

それぞれが粒ぞろいのミステリ短篇で、堪能させられました。大満足です。

これは素晴らしい。全11篇、期待以上の出来栄えで、実に読みごたえがありました。

探偵エラリーの、緻密で隙のない推理の切れがいいですねぇ。ダイヤモンドの輝きのごとき、ロジカルな推理の見事なこと! 惚れ惚れしちゃいました。

全短篇、それぞれに魅力的だったんだけど、好みで三つだけ選ぶとしたら、これかな。順不同で挙げてみますね。
♟️ ひげのある女の冒険‥‥‥被害者はなぜ、描いていた絵の中の女性に顎ひげを付け加えたのか? 不可解なダイイングメッセージの魅力と、かっちりとした〝解〟の見事さと。犯人像も印象に残ります。
♟️ 双頭の犬の冒険‥‥‥怪奇小説的な話の雰囲気が良くて、ぞくぞくする読み心地がたまらんかったです。ラスト三行も素晴らしい。
♟️ いかれたお茶会の冒険‥‥‥読むほどに変てこで、妙な気分にとらわれましたね。なんとも不条理でワケわからん話の展開に、くらくらしましたよ。

中村有希(なかむら ゆき)の訳文。
程よく現代的で、無理なく自然な文章は、とても読み心地が良かったです。

川出正樹の巻末解説。
読みごたえのある、充実したものでしたね。殊に後半、収録作品それぞれのコメントは有り難かった。ここのコメント読んでから作品に入ったんだけど、実際、重宝しましたわ。気配りの利いた水先案内文てな感じ。感謝です。
エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:エラリー・クイーンの冒険【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104428



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