ハートの4



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初公開日(参考)1959年01月
分類

長編小説

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ハートの4 (1959年) (創元推理文庫)

1959年01月01日 ハートの4 (1959年) (創元推理文庫)

作家兼探偵のエラリー・クイーンは映画 脚本執筆のためにハリウッドに招かれた が、そこでも彼が直面したのはやはり殺 人であった。銀幕の名優、スクリーンの 美女、気ちがいじみた宣伝部長や天才的 プロデューサーなど多彩な映画王国の登 場人物をめぐる冷酷きわまる殺人、また 殺人……推理小説ファンも映画ファンも 見逃すべからざるクイーンの異色作!(「BOOK」データベースより)




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ハートの4の総合評価:7.77/10点レビュー 13件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

なんだかドラマチック

第2期クイーンシリーズと云われているハリウッドシリーズの1冊である本作はきらびやかな映画産業を舞台にしているせいか、物語も華やかで今まで以上に登場人物たちの相関関係に筆が割かれ、読み応えがある。恐らくこれは作者クイーン自身が遭遇したハリウッドという特異な世界に触発されたものであろう。
『中途の家』や『ニッポン樫鳥の謎』でも登場人物間の愛憎が描かれていたが、そのぎこちない筆致は頭で想像して書いたようにしか思えず、居心地の悪さを感じてはいた。しかし本書の中心人物であるロイル親子とスチュアート親子の罵詈雑言の応酬とそれに相反する素直になりきれない愛情の断片が垣間見える仕種や台詞にはそれまでの不器用な人間描写から一転して瑞々しさを感じる。
今回はこの両家、とりわけそれぞれの息子、娘であるタイ・ロイルとボニー・スチュアートの、お互いに惹かれあっているのに素直になれない関係が事件に関係しているという、“恋愛”をテーマにした事件を更に掘り下げている。

そして登場人物の描き方も今までの作品に比べ、随分印象が違い、物語に躍動感がある。
ハリウッドの天才児ジャック・ブッチャー、放蕩脚本家リュー・バスコム、宣伝部長のサム・ヴィクスなど脇を固める映画産業にどっぷり浸かった、興行のためならばどんなアイデアも拵え、金に糸目をつけず実行する常識外れの持ち主から、ハリウッドのゴシップに精通している絶世の美女でありながら群衆恐怖症であるポーラ・パリスに、登場人物表にも名前が記載されていないながらも印象を残すジューニアス医師にグリュック警視。そんな中でも何よりも特徴的なのは本作で事件の渦中に置かれるジャックとタイのロイル親子とブライズ、ボニーのスチュアート親子だろう。

上に述べたように今回は“恋愛”が事件に大いに関わっている。お互い長い間、反目していた両家が突然起きた化学反応のように惹かれあい、結婚を決意する。そのために起きた殺人事件。そして双方の親を亡くした後、歴史が繰り返されるようにその子供らも長年の確執が反転して愛に変わり、結婚を決意するが故にまた命を狙われる。
憎しみというのは愛情と裏表の関係にあるのはもはや周知の事実だが、クイーンがこのような物語を、ページを多く費やして書くことが驚きであった。

この頃、実作者のクイーン自身、ハリウッドに招かれ、脚本家として働いていたが、そこで要求されるのは緻密なロジックよりも面白おかしい登場人物たちが織成す人間喜劇というドラマ性である。
結末もそれまでの作品で人が人を裁くことに対し、苦悩していたクイーンが独りごちてシリアスに終わる閉じられ方から一転している。

このシーンが象徴するように、ハリウッドの経験が作品に大いに影響を与えたのはまず間違いない。
既に述べたが、何しろ登場人物の性格描写、また主人公クイーンの人に対する思いの強さが今までと断然違う。人を犯罪というゲームの駒の一要素としてしか考えていないような節のあった従来の作品群と比べると雲泥の差だ。
台詞も古典からの引用が極端に減り、ウィットに富んでいるのも注目すべき点であろう。

演出という意味では今回犯罪予告として使われたトランプのカード。これこそ非常にエンタテインメント性が強い。江戸川乱歩の『魔術師』で使われたカウントダウンやルパンの犯罪予告状といった、推理小説というよりも通俗犯罪小説という趣きが強いのも本作の特徴であろう。
特に第2の犯行ではそれを逆手にとってクイーンが罠を仕掛け、その瞬間に犯人と、しかも飛行機の機内という映像的な舞台で対決する辺り、今までにない凝りようである。

個人的にはこういう趣向は好きである。しかしクイーン=緻密なロジックというフィルターが邪魔をして、本作の評価を辛くしている。
本作で見られるドラマ性高い演出と事件の意外性、驚愕のどんでん返しが一体となれば、更にその評価は増すに違いない。非常に贅沢な要求なんだろうけれど。


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No.12:
(2pt)

クイーンのハリウッドもの

業界裏話風。単純な事件なのにやたら長い。エラリーの論理は冴えない。
ハートの4 (創元推理文庫 104-19)Amazon書評・レビュー:ハートの4 (創元推理文庫 104-19)より
4488104193
No.11:
(3pt)

コミカルさが強調されている作品

他の人のレビューの感想が良かったから読み始めましたが、前半は珍妙な登場人物ばかりで、ドタバタ、コメディタッチで苦手でした。エラリー・クイーン10作品くらい読んだ中でも1番ページが進みませんでした。親同士が喧嘩ばかりしていて本当は愛しあっていた。そしてその息子と娘も同様ってこんなトンチンカンな設定ありえないと思います。後半、犯人に罠をかける計画をたててからはすごく盛り上がってクライマックスの謎解きまでノンストップで読めました。
ハートの4 (創元推理文庫 104-19)Amazon書評・レビュー:ハートの4 (創元推理文庫 104-19)より
4488104193
No.10:
(5pt)

素晴らし過ぎて言葉が出ない

所謂『ハリウッドもの』の一冊。初めはいつもと違う、陽気すぎるエラリィ・クイーンに戸惑い気味だったが、最後はあまりの面白さにページをめくるのが惜しくなりました。これが1938年の作品なんて信じられない。

クイーンは全部で40冊の長編を出しているのですが、実際に書いたのは1958年の30冊目の長編『最後の一撃』がラストらしいです。その後の10冊は監修しただけで実際は別の作家が書いているようです。その実際書いた30冊(なーーーんてまどろっこしいんだろ)の中でも、国名シリーズやX・Y・Zの後の中期のクイーンがぼは素晴らしいと思います。この辺の作品群を読まないでミステリィを語る事なんてできないんじゃないだろうか????それほど完璧なプロットです。

ポーラ・バリスの素敵さがラストへ近づくほど宝石のように光ります。最後の1ページの最後の一行までシビレます。クイーンの最高傑作に推す人もきっといると思います。
ハートの4 (創元推理文庫 104-19)Amazon書評・レビュー:ハートの4 (創元推理文庫 104-19)より
4488104193
No.9:
(4pt)

推理問題小説からの脱却

名探偵エラリー・クイーンのロマンスが描かれていることでも人気の高い作品とのことです。
ただ実際に読んでみると、奇天烈なキャラクターが多く出てくる割に怪しいと思える容疑者が少ない、痴話げんか的な挿話が多くこれを楽しく読めないと退屈するといったマイナス面があるように思いました。
とはいえ、飛行機を駆使した犯罪、印象的な幕切れなど読みどころも多くあると思います。また進行していく犯人の計画に登場人物たちの関係の変化が影響が与えるなどの工夫もされており、さすがミステリの大家による作品といった面があると思います。
国名シリーズや悲劇シリーズを読んで、推理問題としての作品群に感銘を受けた人も、それらとは違った魅力を知るために読んで損はないと思います。
ハートの4 (創元推理文庫 104-19)Amazon書評・レビュー:ハートの4 (創元推理文庫 104-19)より
4488104193
No.8:
(3pt)

ハリウッド物・・

私が読んだハリウッド物の中の2冊目でしたが、「悪魔の報復」に続き、残念感の方が大きかった作品でした。☆2.5と言ったところです。
ハートの4 (創元推理文庫 104-19)Amazon書評・レビュー:ハートの4 (創元推理文庫 104-19)より
4488104193



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