三角形の第四辺



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初公開日(参考)1979年09月
分類

長編小説

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三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)

1979年09月01日 三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

三角形の第四辺の総合評価:6.38/10点レビュー 8件。Cランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シンプルかつコンパクトな本格ミステリー

最近ミステリーを読んでいて、ページ数が多く、結構内容が凝っていて、難しいなぁと思っていましたが、こちらはいろんなことを詰め込むのではなく、シンプルかつ合理的にコンパクトにまとめ切った本格ミステリー。クイーン後期の作品。クイーンは確かに短編も面白いとは思いますが、圧倒的に長編が好き。なんといっても長編はエラリーとリチャードの親子クイーンが活躍!父親の愛人を殺したのは誰か?まず父親に容疑かかけられ、次に母親に、そして最後に自分である息子に。エラリーが出した結論とは。最後のひっくり返し方は意外。でもこれはあり?と思わせられました。

タッキー
KURC2DIQ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

どんでん返し前の真相の方が好み

幾何学的な素っ気ないタイトルは三角関係を表している。第四辺とは父アシュトンと母ルーテシア、そして息子デインらマッケル一家の間の三角関係に現れたシーラという愛人のことである。
しかし通常ならば三角関係というのは一人の人物を巡って2人の恋敵が取り合うという関係を示す。従って本来ならば父親の愛人を頂点にした息子と父親の微妙な三角関係を示すことになろう。

事件はこの父の愛人であり息子の恋人であるシーラが何者かに殺害されるというものだ。彼女はマッケル一家が所有するマンションのペントハウスに住んでいる。
そしてまずは容疑者としてアシュトンが逮捕され、裁判にて無罪が確定し、次にルーテシアが逮捕され、同じく裁判で無罪が確定した後、今度は息子のデインが逮捕されるという三段重ねの裁判物となっている。

そして今回エラリイはなかなか登場しない。彼が登場するのは130ページの辺りである。しかも今回のエラリイは映画のエキストラの一員としてスキーで滑っているシーンを撮影中に事故に遭って入院をしている。つまり安楽椅子探偵という設定なのだ。

この3人のマッケル一家だけが容疑者であるという非常に登場人物の少ない事件。そんな事件でもクイーンはロジックを開陳させてみせる。
しかし物語はそのエラリイの鮮やかなロジックで解決した後、また別の真相が控えている。そしてこの作品でも探偵の能力の限界をエラリイは見せつけられてしまう。

さて今までクイーン作品では個性的な女性が出てきた。ニッキー・ポーターやポーラ・ハリスがその代表だろう。それらは過去の本格ミステリに見られがちなか弱き令嬢といった趣ではなく、男と対等に渡り合おうとする独立した女性の姿だった。
本書のシーラは彼女たちからさらに発展した女性像である。ファッション界の新鋭デザイナーとして名を馳せ、すでに金と栄誉を手に入れているので男には隷属せず、また養ってもらおうなどとは露にも思っていない。結婚は特に考えず、その時に好きな男をとことん愛し、お互いのどちらかが飽きるまで付き合う。その恋はある日突然火が着き、そしてまた同じようにある日突然冷めてしまう。常に恋をしなければならない女性。そして恋をしていることで輝きを保っている女性。昨今の女性の考えを持った近代的な女性である。

もう単なるパズラーやロジックで犯人を云い当てる推理ゲームから脱却したクイーンのこの頃の作品は逆にバランスを欠いているように感じ、釈然としない読後感を残す。この作品の真価が私の中で定まるのはまだしばらく時間がかかりそうだ。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.6:
(3pt)

安楽椅子探偵もの

セレブ一家の家長の愛人が射殺され、その家長、妻、息子に次々に嫌疑がかかる。息子は骨折で入院中のエラリイ・クイーンに助力を求め、被疑者それぞれの無実を証明するという展開だ。

本作品ではクイーンが安楽椅子探偵、息子が彼の足となる助手の役回り。クイーンの推理を補強すべく、息子と家長の秘書が奮闘する。事件の背景として、母親のため息子が家長である父の愛人を篭絡しようという企てがある。ここは現実離れしていて、終始、違和感がつきまとった。

ラストのひねりの利かせ方は良いんだがね。1965年作品。(エイヴラム・デイヴィッドスンによる代作?)
三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)Amazon書評・レビュー:三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)より
4150701245
No.5:
(4pt)

そうきたか

犯人は意外で驚きました。 ストーリー的には三角形の第四辺と本題通りと言う感じで第四辺が犯人なんだな、と。 エラリーらしい回りくどさもあり、面白かったと思います。
三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)Amazon書評・レビュー:三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)より
4150701245
No.4:
(3pt)
※削除申請(1件)

忘却へと流れる潜在意識 美しき犠牲者を見慣れた位相の狂ったリアリティー

1965年の作品。これはエラリーの安楽椅子探偵ものなんだ。ただスキー事故で両足骨折しただけだけど(笑)。さて内容はと言うと、大実業家の
父が浮気をしているということなので、その息子の売れない作家が古風で世間知らずの母を救うため、それをやめさせようと問題の不倫相手に
近づいたところ自らが恋に落ちちゃうんだね(笑)、そんな矢先、彼女は38口径のリボルバーで心臓を撃ちぬかれて・・・・
そしてこっからの構造が面白くて、これは仮説の大量生産ではなくて定説の大量生産とでもいうものであり、脅威と平和は並立しその緊迫した
関係がいつまでも消えることがないんだ。なので読者は、非論理的な脈絡がリアリスティックな素材の形によっていちいち具体化され、
そうして得られた現実感自体が今度は別のリアリスティックな素材によっていちいち合理的な解決法を不可能にしてしまうという、なんとも
アンビバレントな状況にいちいち追い込まれてしまうんだね。。
甘い毒の炎が燃え盛っている三角関係の昼ドラから、あらゆる解釈を無効にしてしまうような息つく暇もない不動かつ流動的なモンタージュ原理
を激烈かつ滑稽に味わい尽くすことになるんだ。そして決して忘れることのできない犯人からこのテーマの恐ろしい可能性へと。。
それは想像力の根元的な力をそれと自覚しないままに、理性の極北へと迷い込ませてしまうというものであり、つまるところある種、
本格推理小説のパロディーともいえるもので馬鹿にされたと思いそうで、実はそれすら意図的で、逆説的なプリミティブ性を付与してるという
その可能性・・・・・・・tricotの「爆裂パニエさん」の歌詞のなかにあるよ! ふう、今回もヒントをかましてやったぜ(笑)、いま一番
かましてるバンドだかんね、うん、それにしても中嶋イッキュウ(vo)は髪ロングの方が好きだったなあ〜 知らんがな(笑)
はてさてまたそれにしても、この一冊ではヴィクトリア朝のモラルと現代女性のモラルを暗に対立させてるってところがあって、しかも
どっかしら両方馬鹿にしてるという(笑)、それがエラリーの中道を行くかっこよさ、と同時に隠れ父系性としての欺瞞だわなあ。これはね、
うん十年経って舞台を日本に移せば、どっかしら両方ありがたがってるという隠れ母系性の欺瞞。
つくづく思うけどマザコン的男尊女卑ってのはそれ自体矛盾を孕んでるところがあって、方向性としての流れを推し進めなきゃならぬ時に、
それ自体相殺されてしまうんだね。だので結局はマザコン的の部分をいかに抑えるかってことになるんだけど、悲しいかな、そのマザコンが
典型的に日本の社会で出世しやすいタイプだったわけで(笑)、これはママを喜ばせることが第一義主体なんであって、即物的スピード感!
どっかしら形のないもの、脈々と受け継がれてきたものを伝えていこうとすることを男のくせに情けないと思ってるふしがあって、しかも
それは天性の合理精神で愛すべき単純さでそうなんだかんな。友人として付き合う分にはある意味一番破廉恥で愉しかったりする(笑)。
しかしこのタイプが表現者になると、往々にして即物的な表現を嫌うようなところがあって人間ってのは面白く出来てる。溝口健二的差別が
通じないってのはそうゆうことでも。ある一定の時期までは女自体がそれを笑ってくれたんだよな、しかしある一定の時期から鼻に付くように
なる。男のくせに情けないってのはあくまで男を表看板に規定した言い方なんであってね。男女の問題にすり替えやすいんだけど、しかし世代間
当然世代が下るほどに余裕がないわけで、はい!だから男と女が力を合わせて協力しましょう!と、いい意味で昔の農家みたいなもんでね
最近の若い男が情けないと言った所で、それは最近の若い女は情けないと言ってるのと同義語で、善かれと思って叱咤激励したくなるんだけど
どっかしらただの全否定にしかならなかったりして(笑)、その男が女を差別する、女が男を差別する、女が女を差別する、そして男が男を
差別するってのが三角形の第四辺なんであり、だから涙を!ってことじゃなく日本の社会ほど青年層に甘い社会はないんであって、しかしその
三角形の第四辺が客体として通じてた時代は良かったんだが、それが通じなくなると皮肉なことにその第四辺という客体を客体化することに
よって、その三角形自体が思考的鎖国ということに気付く これは糾弾するにしても切れるにしても切れ方が変質したんであって、だのでまあ
ルフィ的切れ方じゃなくサンジ的切れ方が要求される ワンピースで例えれば(爆) 伸縮自在に応対できるけど根は頑固職人なんであって
要はらしさが消えるんじゃなく移るだけ アレンジもアイデンティティーも平坦グローバルになったんだから、そこに即物的主体を持ち込む事
は流行遅れというよりは実質上不可能なんであって、それを踏まえた上での攻撃本能 機を見るに敏な判断力としてのアレンジと、必然として
向かうべき、というよりはすがるべきアイデンティティーとしての粘着的甘さへの回帰、それは自然への回帰としての印象主義、新印象主義、
そしてキュビスムという抽象論理な感覚としての流れと方向性はいっしょで、抽象に適した道具はあるんだから職人にしていくらでも伸縮自在
ゆとりだなんだっていっても方向性はそうで、ただ基礎をしっかりやって抽象へ促すはずが、抽象的に広げるだけ広げといて最終的に
求められるものが相も変わらず暗記クイズなところがどうしようもない。しょうがないからまた詰め込んでやれという生きた化石みたいな脳も
どうしようもない。 助けて一休さん(泣笑)
三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)Amazon書評・レビュー:三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)より
4150701245
No.3:
(4pt)

一見すると反則。

一見すると、この作品はこのように感じるかもしれません。
「反則だ」と。
しかしながらその後に思わぬ展開があるので
そこで読むのはやめないでください。
でもこの形式の犯行パターンって
実は使い古されていて、
判明した時点で、「うわっ…」と
思ってしまうのが悲しいものです。
それと犯行そのものが少しばかり
無理があるのです。
そうしてしまうと
ある人の発言は嘘だったということが
わかってくるので…
しかしながら、言葉遊びに関しては
面白かったです。
三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)Amazon書評・レビュー:三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)より
4150701245
No.2:
(3pt)

安楽椅子探偵、エラリイ!

辣腕家の夫に貞淑な妻、幸せな夫婦に見えていたが、夫には愛人がいた。三角関係、どこにでもよくあるちょっとした家庭の悲劇だったものに夫婦の息子まで関わってきて複雑な関係へと、さらには取り返しのつかない事件へとつながっていく。エラリイ・クイーン1965年の作品。ある一家の悲劇、事件がおきるまでをじっくりじっくり書き込んでいて、緊張感が高められています。その張り詰めるだけ張り詰めた緊張の糸がプッツリと切れたときにおきる殺人。今まで知らなかった家族の一面に気付いたときの戸惑い、家族の一人が逮捕され裁判にかけられる苦悩、家庭内のささいな悲劇だったものが絶望を伴う本当の悲劇に変わったときの恐怖。そこから救ってくれるのは、探偵作家エラリイ・クイーン!というわ!けでエラリイの登場となるのですが、今回のエラリイ、スキーの事故で足を骨折中、病院のベットの上から動けない。事件関係者や父親のクイーン警視に資料を集めさせ調査させと、安楽椅子探偵ぶりを発揮しています。いろんな意味でエラリイには忘れられない思い出となったこの事件、果たして真相を見抜けるかな?
三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)Amazon書評・レビュー:三角形の第四辺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-24)より
4150701245



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